阿刀田高(としえの感想)


だれかに似た人 早すぎた予言者
ジョークなしでは生きられない ガラスの肖像
妖しいクレヨン箱 最後のメッセージ
ブラック・ジョーク大全 猫の事件
ナポレオン狂 食べられた男
奇妙な昼下がり やさしい関係
響灘 そして十二の短編 コーヒー・ブレイク11夜
旧約聖書を知っていますか 新約聖書を知っていますか
ギリシア神話を知っていますか アイディアを捜せ


誰かに似た人(10編) 新潮文庫 2001/02/07
10編全てが「女性」をテーマとした短編。全てミステリー調。 最後は「ぞっ」と寒気がするオチが待ってます。 男と女のミステリーほど怖いモノは無いですな・・・・・。 【黒い数列】【女体】【奇談パーティ】が面白い。


早すぎた預言者(12編) 新潮文庫 2001/02/07
後味がなんともいえない短編集。 読み終わって謎が解けても何故こんなにも結末について考えてしまうのだろう。 それは全て主人公の推測による結末でしかないから。または 作者はヒントを与えるだけで、オチの理由を読者に委ねるから。 話題の中心は「男と女」。阿刀田氏の作品中の女性は全てねっとりとして怖い・・・。 【酔い盗人】【雪女】が面白い。


ジョークなしでは生きられない 新潮文庫 2001/02/07
いや〜。面白い。面白い。 古今東西のジョークを集めたエッセイのような作品。 ジョークと言っても大半は「男女の情事」に焦点を当てた物ばかり。 今も昔も、世界中の男女は・・・・。くくくく・・・。 これを読んだからといって何の効果も無いけど(当たりまえだ) 阿刀田高がよく使う<気だるい雰囲気>時に恋人にちょっとしたネタ話として話すには最適かも。 「キス泥棒」は実践したくなります。


ガラスの肖像(12編) 講談社文庫 2001/02/07
奥さんと恋人は別扱い。不倫、浮気を美しく情緒的に描くのがお得意。 求める「女」が大変自分勝手。だからって「深い入りは禁物」とか言ってさ! 男の願望?あ〜嫌だ嫌だ。でも、登場してくる女性って理想化されすぎて現実味が全く無い。 狙って書いてるのかな?登場する男に文句は一杯あるが、話として面白いからいいや・・・・。 【モンゴル模様】【靴の行方】【精霊流し】が面白い。


妖しいクレヨン箱(35編) 講談社文庫 2001/02/07
サクサクと読めてしまう、ショート・ショート集。 ありがたいことに、私の嫌いな「大人の男と女の忍ぶ情事」はほとんどでてこない。 題名どおり、妖しげな話が多い。そして「クレヨン箱」が示す通り、各話に<色>を強烈に感じることができる。 後書きにもあるのだが、本書の作品のほとんどが<広告>文章として使われていたらしい。 確かに、全ての作品には何か「インパクト」が足りない。 しかし、<広告>として何らかの絵や写真の横にちょこっとこの話が載っていたのだと想像すると・・・・ なんと贅沢な広告なのだろう。さぞかしインパクトのある広告だったに違いない。


最後のメッセージ(42編)) 講談社文庫 2001/02/07
ん〜・・・・。やっぱり「男と女」の話。男と女には色々あるからね〜・・・。 しかし、なんで阿刀田高の男女の会話はこんなに「気だるい」の? 読んでるこっちが「ドロ〜ン」とした気分になってしまう。 ショート・ショートなので、そんなに重い話は無く、割とあっさり軽快なオチが待ってます。 なんだかんだと言っても、阿刀田高は上手い。だって読み出したら途中で止められないから。


ブラック・ジョーク大全(648編) 講談社文庫 2001/02/07
全て2〜10行の会話からなる超ショートコント集。 全て「くだらない!」と笑ってしまう。つまり、読んだ人は648回「くだらない!」って思うわけですね。 段々読み終わってしまうのが悲しくなってしまうから不思議。このくだらなさはクセになります。 さぁさぁ、あなたも30秒に一回「くだらない!」と笑う幸福に浸ってください。

町角で(本書より)
子ども「お母さん。まっ赤な手袋が落ちているわ」
母親「あら、中身も入っているわ」



猫の事件(36編) 講談社文庫 2001/02/07
軽快なオチばかりのショート・ショート集。 でも、ちょっと怖い。なんでこんな独特の雰囲気を後に残すのだろう? やはり、作者の腕なのでしょう。軽快とは言っても、星新一とは一味も二味も違う話ばかり。 星新一のショート・ショートばかり読んで、彼のオチに慣れてしまった私にはそれなりに衝撃的な作品集。 【密柑】【形見】女って怖い・・・・。


ナポレオン狂(13編) 講談社文庫 2001/02/07
小粋な短編集。 相変わらず「男と女」が主な登場人物で、「色恋物」が話題の中心だけど 読んでいて悪い気はしない。オチが粋だからだろう。 女性や男性の性に対する思惑がドロドロとしているのはいつも通り。 これはもっと明るくならないのだろうか? 阿刀田氏の「愛の悦び」はいつも気だるくエロティック。


食べられた男(42編) 講談社文庫 2001/02/07
まさにこれぞブラック・ユーモア。 面白いけど、ちょっと怖い。夏の夜に読むのをお勧めします。ス〜ッと背中が冷えるかも・・・・。 やっぱり、男と女は欠かせない。しかし、世の中こんな男と女ばっかりだった私は嫌です。 小説内だけの話だと信じたい・・・・。大人の恋ってこんなもんなのでしょうか。


奇妙な昼下がり(32編) 講談社文庫 2001/02/07
これも「妖しいクレヨン箱」同様、広告に使われた作品が多く収録されている。 「男女の機微を描いた素敵なショート・ショート」と言ったところか・・・・。 やはり読んでいて腹が立つ描写がしばしば出てくるが、広告に使われたと思うと・・・。 いいかもしれない・・・・。本当に私は自分勝手な読者です。 でも、本書は阿刀田高の中では割とお気に入りの作品。 あまり読書をする時間の無い大人に読んで欲しい。


やさしい関係(12編) 講談社文庫 2001/02/07
話題の中心は御馴染み「大人の男と女」。 ミステリアスな女性が多く登場。世の男性の理想の女性ってこんなもん?? 立て続けに「男と女の駆け引き」を読んでいると、さすがにちょっとお腹一杯・・・・・。 短編と言う設定だから最後まで読めた。と言うのが率直な感想。(情景描写は情緒的で美しい) 大人の女ってこうなの?私が大人になったら登場人物の気持が理解できるかどうか・・・・。 きっと出来ないな・・・。だって、私は「条件付き一時的な恋」にときめきを感じない。 題名全てが女性の名前と言うのはオシャレ。


響き灘 そして十二の短編12編) 講談社文庫 2001/02/07
【響灘】
「昔愛した人との一時の不倫」と言う設定を違和感無く読める人にはとても良い話だと思う。 お互いに色々な事情が重なり合って男女は関係を持つ・・・・・。なるほどね。 設定は気に入らないけど(すいません。私は心狭い女です)心に残る素敵な話・・・・だと思う・・・・。 【そして十二の短編】
家族をテーマにした連作。と言っても中心は「男と女」。 凄く良かった。(決して私好みの話ではないが)情緒的な描写はさすが。 特に感動させるわけでもなく、ふわっと終わる話ばかりなのに胸に残る余韻を持て余してしまう。


コーヒー・ブレイク11夜(11編) 文春文庫 2001/02/07
今まで読んだ阿刀田作品の中で一番面白いと思う。(これは個人の好みによるが・・・・) やっぱり阿刀田高は名手なんだな〜・・・。 「男と女」を書いているにはいつもと変らないけど、オチが面白いから良し。 でも、女性は現実味が無い。私が子供なだけか? ところで、読んでいて毎回思うのだが、阿刀田作品に登場する男性は現実的なのだろうか? そんなに他の女性と関係を持つ機会を狙っているのだろうか・・・・。どうなんでしょう?殿方の返答求む。


旧約聖書を知っていますか 新潮文庫 2001/03/24
旧約聖書ってどんなことが書いてあるの?と思ったらこれ!! 堅苦しい事は全部切り捨てて、エッセンスのみを抽出しているので大変読みやすいし面白い! 本書はあくまで表面のそのまた表面の事しか触れていないけれど 私のような全く信仰心がない上に全くの無知にはありがたい一冊。 ありがとう。阿刀田高さん! それにしてもイスラエルの神様ってなんて(略)なんだ〜〜〜!!!


新約聖書を知っていますか 新潮文庫 2001/05/01
「旧約聖書をしっていますか」の続編とも言えるエッセイ。 書かれる形式も違うし、やはり「新約」と「旧約」は違いますな。 新約聖書って歴史の教科書みたいな感じ。今までの聖書への認識が随分変わりました。 「おいおい(^_^;)」って思う出来事も、阿刀田氏の主観的分析でなんだか許せてしまうから不思議。 聖書の内容だけじゃなく、これによって発せられた芸術作品の解説も載っているので 大変読む価値のあるエッセイだと断言できます。


ギリシア神話を知っていますか 新潮文庫 2001/07/028
とても、とても身勝手で自由奔放な神様たちの話の入門書。 本書では個々の細かい話しよりも、「ギリシア神話」の世界全体を重要視していて 人物相関や、エピソードの関連性などがとてもわかりやすく書いてある。 阿刀田氏の解説のおかげで、ハッピーエンドの存在しないこの神話 (何かしら不幸が訪れる)も少しは明るく読める。 そして、何より「ギリシア神話」の奥深さを教えてくれる。 一見単純な内容も、どんなに身勝手な登場人物も 心理学用語になるほど人間の欲望と本質がこの神話の中には隠されている。


アイディアを捜せ 文春文庫 2001/12/11
アイディア発祥から、それを作品に昇華させるまでのプロセスを紹介。 抽象的になりがちなこの手の説明を、手際よくわかりやすく書いているのはさすが。 入門書に関して、阿刀田氏の右に出る作家はいないでしょう。 自身の作品例を取り上げているので、既読していると、 「おぉ、この作品はこうして出来たのか。」と感心、納得。 そんなサービスもあるので、物書きさんでない、私のような完全読者も楽しめる作品。 あまりに親切丁寧に書いてあるので、作品作りが簡単に思えてしまうが、実際はもっと大変だろう。 いや、それより、アイディアを誰にでも通じるように書くことの方が大変か。 作家というのは、一時一秒とも気の抜けない仕事ですね。