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高生部研の一年間の活動の中でもっとも重視されているもののひとつが、八月初旬に県下四地区でほぼ
一斉に実施される地域交流学習である。一九七八年に県北の美作地区で実施した部落実態調査がそのはじ
まりであるが、今日では地域の状況や高校生の問題意識に応じて各地区ごとに多様なテーマでとりくまれ
ている。ここ数年、各地区でとりくまれたテーマとしては、部落問題、民族問題、平和問題、過疎と高齢
化社会の問題、障害問題、ハンセン氏病の問題などがある。八二年、先の美作地区の地域交流学習の際
に確認された「地域交流学習の意義と目的」は次のようにのべている。
地域交流学習の意義と目的
一、部落問題についての科学的認識を深める。
二、地域の人びととの交流の中から、生活改善や部落差別解消に向けての努力や生き方を学ぶ。
三、自分と部落問題とのかかわりや、部落研・社研部活動に参加することの意味、さらには将来の生き方について考える。
四、参加者相互の交流を深める中で仲間づくりをすすめ、民主的なものの見方・考え方、行動のしかたを身につける。
部落問題についてのとりくみのなかで確認されたものであるが、今日でも基本的な考え方としてはその
意味は失われていない。地域交流学習の成果は、一九八一年の第一七回県集会以降、構成劇として同開会集会で発表されるよう
になってきた。夏休みに入った直後の事前学習、そして本番の地域交流学習、事後のまとめの会、さらに、
構成劇化のためのシナリオ検討会議、その練習と、生徒たちにとって七月下旬から一〇月初旬の県集会
の直前まで、夏休みの宿題や補修にも追われながらの、暑く、長いとりくみである。こうした過程を通じ
て研究テーマの学習と認識は徐々に深まり、学校の枠をこえての仲間づくりもすすむ。この学習と仲間づ
くりの成果が、県集会の開会集会で構成劇というかたちで表現されるのである。先に紹介した「赤い鳳仙
花」もこの構成劇のひとつである。
もちろん、地域交流学習の成果は県集会の各分科会でもレポート発表される。しかし、この構成劇の方
は会場に集まる千数百名の高校生の前で、BGM、効果音、スライド、舞台照明などを駆使しながら、
舞台経験などない仲間たちが、自分たちの学習と交流の成果を参加者みんなに知ってもらいたい、この点
をこそ訴えたいのだと、表現する。そこに、参加者一人ひとりと演ずる生徒たちのあいだに共感が広がる。
「学び」「調べ」たことを「表現する」という活動を通じて、生徒たちは自己の内面において認識をより
深め、多くの人びとに感動をもって訴えかける力をつけていくのである。私たち顧問団は、地域交流学習
から構成劇化までのとりくみのなかで大きく自己変革し、成長していった高校生の姿を数多く見てきた。
彼らを支えたのは、ともにとりくみをすすめてきた仲間への信頼感、自分があじわった感動を多くの観衆
の前で表現しきることができたという成就感などであると思う。
地域交流学習は美作地区での部落実態調査からはじまり、その後、部落問題や障害者問題を主たるテー
マにしてきた。この歴史に新風を送りこんだのが、倉敷中央高校社研部が所属する備南地区のとりくみで
あった。
県集会のレポートテーマに在日韓国・朝鮮人問題がはじめて登場したのは一九八三年の第一九回集会。
倉敷市水島にある朝鮮初・中級学校との交流にとりくんだ水島工業高校社研部の報告だった。その後、八五年から五年にわたって水島工業高校社研部による「在日韓国・朝鮮人問題」の研究報告がつづいた。
私たち中央高校社研部のとりくみは、この継続した地域交流学習と先駆的な水島工業高校のとりくみの
蓄積のなかから生まれたといえる。聞きとり調査という方法によって地域の中の「在日」の人びとと交流
を深め、また、韓国の人びととの交流を通じて学び、認識を深める。しかも高校生同士の仲間づくりをす
すめながら。この岡山県の自主活動の伝統をふまえながら、地域に根ざし、日本、韓国へと交流の輪をひ
ろげ、倉敷市水島という地域に、また日本に、在日韓国・朝鮮人という私たちと異なる民族の人びととい
かにして“共に生きる社会”をつくっていけばよいのか、さらに、隣国である韓国・朝鮮の人びととどの
ように友情と連帯の精神を築いていくかを真剣に考えようとしたのが、中央高校社研部のとりくみであっ
た。
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