Last Up Date 2003/02/10
第5章 小説
第3条 主題・題材・題名
第3項 題名・タイトル・題字

 なぜ、題名の項目をわざわざ作ったかと言えば、理由は簡単。「小説は題名が命」だからです(笑)。いえ、半分冗談。私 の経験から言って、題名はもっとも小説を象徴しています。これ以上のものはないでしょう。

 私は新人フェチで、ティーンズを中心に文学賞受賞作を買っています。そして、その作品を事前判断して読む順番を決めて います。いえ、読む暇がないので、面白くないのから消化していこうと思って始めたんですよ(苦笑)。この方法、実に簡単です。ライトノベルズに限り、とい う前書きをおいて、私が新人を判断する項目は二つ。「題名」と「挿し絵」です。
 え? と思うでしょ。でも、これだけで小説(ライトノベルズ)は8割方判断つきます。どういうことかと言えば、「題名」はその人の『センス』が一番よく 現れます。実名報道しますが(苦笑)、『第6回電撃ゲーム大賞〈大賞〉』受賞作品『リングテイル』があります。これ、最初の題名はなんだと思います?  「勝ち戦の君」ですよ? 文庫化された時、副題でしたけど。あまりのセンスのなさに私は最終選考群を見た時、「受からない」と思いました。結果は間違えま したが。同じ回で言えば、『若草野球部サブマリンガール』も「若草野球部ボーンヘッド」だったんです。これは「笑い」だったら受かると思っていたんです が、当たらずとも遠からずでした。また、『時空のクロスロード』だって「ピクニックは終末に」ですし(これも「笑い」だったら受かると思ったんですが、ま さか最終選考で弾かれたのを本にするとは思わなかったので)。こんな感じで、「題名」だけで随分内容まで推測可能なんです。もちろん、例外もありますが (というか、今のは例外ばかりを出していた気が)。
 では、なぜ「挿し絵」で分かるかと言えば、これも簡単です。いかに「出版社」が力を入れているか、が分かるからです。企業というものは無情です。売れる と確信すれば、売れるイラストレーターを持ってきますが、そうでもないのはそうでもない人を持ってきます。また、どうやら作家がイラストレーターを「希 望」できるらしいんで、その場合でも作家のセンスが分かるわけです。
 以上のことから、だいたい小説の「質」は外したことがありません。もっとも、それが売れるかどうかは別問題ですが。

 そうなんですよ。けっこう、売れるということは酷いものですよ。一番外したのは『ブギーポップは笑わない』です。これ は当時から面白いと確信していましたが、売れるとは思っていませんでした。マニア受けの作品だと確信していたのに。それが蓋を開ければ、電撃の主力作品に なってますし。これで時代って怖いなと思いました。

 他にも、某ファンタジー仏訳を冠する大賞の『ザ・サード』はやられました。確かに、『ザ・サード』は作家として能力は ありましたけど、あの作品が──特に続編が売れるとは思ってませんでした。よく見てみれば、富士見のサイトとかで宣伝しているじゃないですか。しかも、母 体を代表する作品の一つにされていますし。恐るべし、宣伝効果と思いましたもの。
 そんなわけで、この時ほど「売れる」と「面白い」は違うんだぁと実感しちゃいました。売れる要素は多分にあったのですが。

 いや、愚痴はいいんです。要するに作品を見るまでもなく、題名でレベルやセンスが分かってしまいます。ですから、多く の賞で題名を見れば、なぜその作品が大賞だったり、審査員特別賞だったりするのか分かります。
 では、どういう題名をつけたらいいのか。そんな方法はありません。題名とは、その作品──ひいてはその作家の集大成なのです。ですから、よりよい題名を 書きたかったら、全体のレベルをあげるほかないのです。

*このページに書かれていることは、壬桜華の私見であり、必ずし も絶対とは言えません。
最終的には、ご自身で判断してください。


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