Last Up Date 2003/01/06
第4章 原稿用紙
第2条 原稿用紙の書き方
第1項 会話文の書き方

 ここから説明するのは、「会話文の書き方」です。実用的な文章では、会話文というものはほとんど出てきませんが、小説 などではよく出てくる文章です。この会話文は出版では統一されているようですが、教育の分野ではいくつか教えているはずです。
 まず、問題にあがるのが「会話文の書き始めの位置」でしょう。会話文の書き始めは以下の三つの方法があります。

(1)
 そして、彼はこう言った。
「私には何の関係もないことだ。だから、君から恨まれる理由もない」
(2)
 悲痛な表情で父に、「どうして? どうして、あんなことをしでかしたんですか」
(3)
 不安げに辺りを歩き回る中川に、盛岡は落ち着かせるように言った。
 「お前が慌てても始まらない。賽は投げられたのだよ」

 (1)は地の文を改行したあと、次の行に会話文を書いています。これが一番標準の書き方で、多くの出版物はこれに倣っ ています。(2)は地の文から続いて、会話文を書いています。よく小説などで見られる手法で、スピード感を感じさせる手法です。(3)は(1)のように改 行後、一マス空けてから会話文を書いています(二マスの場合もあります)。ほとんど出版物では見られないのですが、これで習っている人が多くいるようで す。間違いではないのですが、一般的な方法ではありません。
 このどれもが正しいのです。ただ、より多くの人に見てもらう場合、(1)の方法で書いた方がより多くの人が読みやすい方法ではないでしょうか。
 また、会話文が二行以上に渡る場合にも、いくつかの方法があります。その方法は以下の二種類があります。

(1)
「君の言いたいことは分かった。しかし、そ
れは理不尽な要求だ。とても、できはしない」
(2)
「これが現実なんですか? こんな馬鹿げた
 現実があっていいんですか。こんなことの
 ために僕達は……」

 (1)は次の行の頭から書いていますが、(2)は二行目より行頭を一字空けて、行頭を揃えて書いています。こちらの場 合も(1)の方が一般的です。ただし、出版物の中には(2)のものもありますし、どちらが正しいとは言えません。
 さらに、会話文が終わったあとの地の文についても原則があります。

(1)
「よう。久しぶりだな」
 青年は親しげに手を振る。彼女は最初その青年が誰であるのか、まったく分からなかった。
(2)
「そうか……」
と呟くほか、老人は何も答えようとはしない。
(2’)
「押し通すっ」と、戦場を駆け抜けた。

 (1)の場合は、通常の原則に従って、一字空けてから書き始めます。これは通常の開業のルールと同じです。これは問題 ないでしょう。問題は(2)の場合、「〜と」や「〜のように」などの場合です。この場合は、行を変えたあと、行頭を空けずに地の文を書き始めます。また、 (2’)のように改行しない場合もあります。
 実は、(2)の場合、出版物の多くは改行後、一字空ける方法が主流のようです。ただ、原則としては一字空けないことになっています。もちろん、一字空け る方法もあるのですが。これについて、どちらに従うかはご自身でお決めください。なにぶん、どちらもポピュラーな方法ですから。

*このページに書かれていることは、壬桜華の私見であり、必ずし も絶対とは言えません。
最終的には、ご自身で判断してください。


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