特装本・稀覯本―開高健―


このコーナーでは管理人の所蔵する稀覯本、特装本を掲載しています。
また分かる範囲で詳細なども載せています。

これ以外に幻と呼ばれるものもあり険しい道です。






献辞・・伊奈三郎の霊に― 一九五〇年十二月下旬


ああ われらをなぐさめて
生きゆく力をめぐむものは
 死 なり そは われら
が生の目的にして 唯一の
希望なり 霊液のごとくわ
れらを昂ぶらせ 酔わしめて
 日暮れまで あゆみつづ
くる勇気を与うものなり

ボオドレエル「貧者の死」



―AKADEMIA MELANCHOLIA― 
あかでみあ めらんこりあ

 大阪市東住吉区駒川町二丁目五一(私家版)

発行年月日・・1951年7月
67ページ 2段23行*26字組
印刷所・・孔版印刷

題詞・・(ボオドレエル「貧者の死」)





 






<体裁>折本仕立て造本。 本文
和紙は土佐産村楮未晒礬水引きを
使用。 本文罫囲み二色刷り。 ス
ラブポプリン装表紙。 墨染め麻
布装・爪付き四方帙入り。 帙裏
に芹澤げ雕邨神絵を表装。



―「流亡記」特装本―  成瀬書房刊 限定200部 毛筆署名入り

菊判 スラブポプリン装表紙折本仕立(ひろげれば巻頭から巻末まで17メートル余になる)
本文用紙(土佐産楮未晒礬水引) 四方帙入り(墨染め麻布装・爪付き) 帙裏面は二色刷り 。

蔵書は25番本









夏の闇 ―私家版・限定特装本―

 「これは、『夏の闇』の特装版で、二五〇〇部製作され、
全国の書店を通じて予約を申込んだ読者に直接届けられました。
しかし、そのうち六〇部だけは私個人が買いとり、ちょっとした工夫をしました。
二五〇〇部のうち二四四〇部は奥付の検印紙に肉筆で”Ken”とサインしたのですが、

私個人の六〇部だけは漢字で「私」としました。

主人公が”私”だからそうしたのです。
だからこの本は私の、”私”の、”私”ということになります。
この三者の関係はあまりにも微妙であって、作者にもときどきつかみとれなくなるほどであります。

                 一九七二年五月二五日 開高健





―「夏の闇」特装本―私家版  新潮社刊 限定60部

パラフィン紙と薄茶の紙を纏った筒状の紙のカヴァー、黒い函(金文字で”Ken Kaiko”とある)

そして献呈先の芳名を記した短冊が一枚。和紙に、私家版作成の経緯についての記述がある。












―「珠玉」特装本―  文芸春秋刊 限定100部

装丁は夫人の牧羊子氏と三村淳氏、識語の「朝露の一滴にも・・・」と「健」のサインが見返しに印刷されている。 また「KAIKO」の金文字が入った外装箱も美しく、蔵書はその上に紙装の箱があり限定100部―特装版―とある。中身は通常版と変わりないが奥付が限定100部非売品になっている。









これらはまさに幻。

「あかでみあ めらんこりあ」

昭和26年7月に同人誌「えんぴつ」の解散記念として約120部発行。
「開高健展」の図録に書影 が見られます。
伊地知巧さんも「これぞ、開高健」の中で入手の苦労を書いておられます。
もしも今、市場にでれば50万円以上かも。


  「フィッシュ・オン−私家版−」

「太陽」に書影が見られる、表装に鮭の皮をあしらった有名な本。
私家版として30部発行されしかも通しNO入り、献呈者を控えたらしい。
もし市場に出れば処分者が分かるようにしたとか。
この本のエピソードも伊地知巧さんが「これぞ、開高健」の中で書いておられます。


「夏の闇−私家版−」

『夏の闇』の特装版は、2500部製作された限定本。
2440部は奥付に肉筆で”Ken”とサインされています。
しかしそのうち60部だけは開高さんが買い取り「私家版」として、”私”とサインされている。
外観は変らないが幻の60部。

※2006年6月入手しました。



「珠玉−特装本−」

「開高健賞」を受賞すると副賞として受賞者に与えられた。
これも「太陽」で書影が見られる。「開高健ノンフィクション賞」になってももらえるのだろうか。

※2003年5月入手しました。



−伊地知巧さんによる特装本−

「夏の闇」「フィッシュ・オン」「輝ける闇」

「フィッシュ・オン」のみ「これぞ、開高健」の中に書影が見られます。
あとの2冊は「私家版本作り」で述べられているだけで詳細は不明。
関西大学が所有しているらしい。