■ 傾城水滸伝 席次表・其の一 ■
『傾城水滸伝』とは?
文政八年(1825)〜天保六年(1836)に
曲亭馬琴(←言わずと知れた『南総里見八犬伝』の作者)によって書かれた、水滸の性別逆転物パロディ。
時は鎌倉時代、紀州熊野の寺院の地中から解き放たれた万葉の傾城(遊女)たちの亡魂が
女豪傑として転生し、琵琶湖北岸・賎ヶ岳にある江鎮泊に集結するというストーリー。

ただ、あの凝り性の馬琴作な割には、水滸で言うところの関勝・董平にあたるキャラクターが登場しなかったり、
また初登場と再登場で名前・渾名が変わってしまっているキャラクターがいたりと結構適当…。(汗)
今回一覧にするにあたり、その辺は私の趣味で「いい」と思った方の渾名を採用させていただきました。
そんなこんなで実は不完全な一覧だったりします。スミマセン…。
参考文献 : 「古典叢書 滝沢馬琴集II 第13・14巻」(本邦書籍)
No. |
宿星名 |
水滸伝 |
傾城水滸伝 |
− |
− |
托塔天王 晁蓋 |
夜叉天王の小蝶 やしゃてんのうのこちょう |
1 |
天魁星 |
呼保義 宋江 |
春雨の大箱 はるさめのおおはこ |
2 |
天罡星 |
玉麒麟 廬俊義 |
麒麟閣のお俊 きりんかくのおしゅん |
3 |
天機星 |
智多星 呉用 |
智計海呉竹 ちえのうみくれたけ |
4 |
天間星 |
入雲龍 公孫勝 |
指神子蓍 さすのみこめとぎ |
5 |
天勇星 |
大刀 関勝 |
− |
6 |
天雄星 |
豹子頭 林冲 |
虎尾の桜戸 とらのおのさくらど |
7 |
天猛星 |
霹靂火 秦明 |
迅雷の秦名 ときいかづちはだな |
8 |
天威星 |
双鞭 呼延灼 |
二鞭の芍薬 ふたつむちのしゃくやく |
9 |
天英星 |
小李広 花栄 |
女弓取の花的 おんなゆみどりのはなまと |
10 |
天貴星 |
小旋風 柴進 |
折滝の節柴 おりたきのふししば |
11 |
天富星 |
撲天G 李応 |
上不見鷲の巌居 うえみぬわしのいわい |
12 |
天満星 |
美髯公 朱仝 |
篠芒の朱良井 しのすすきのあからい |
13 |
天孤星 |
花和尚 魯智深 |
花殻の妙達 はながらのみょうたつ |
14 |
天傷星 |
行者 武松 |
女行者竹世 おんなぎょうじゃたけよ |
15 |
天立星 |
双鎗将 董平 |
− |
16 |
天捷星 |
没羽箭 張清 |
十町礫の清香 じゅっちょうつぶてのきよか |
17 |
天暗星 |
青面獣 楊志 |
青嵐の青楊 あおあらしのあおやぎ |
18 |
天祐星 |
金鎗手 徐寧 |
槍梅枝除夜 やりうめがえとしのよ |
19 |
天空星 |
急先鋒 索超 |
向不看の索城 むこうみずのなわしろ |
20 |
天速星 |
神行太保 戴宗 |
韋駄天の夏目 いだてんのなつめ |
21 |
天異星 |
赤髪鬼 劉唐 |
赤頭の味鴨 あかがしらのあじがも |
22 |
天殺星 |
黒旋風 李逵 |
旋風の力寿 つむじかぜのりきじゅ |
23 |
天微星 |
九紋龍 史進 |
浮潜龍衣手 ふせんりゅうころもで |
24 |
天究星 |
没遮欄 穆弘 |
天地金の末広 てんちきんのすえひろ |
25 |
天退星 |
挿翅虎 雷横 |
直蜚の稲妻 ひたとびのいなづま |
26 |
天寿星 |
混江龍 李俊 |
都鳥の琴樋 みやこどりのこととい |
27 |
天剣星 |
立地太歳 阮小二 |
大歳麻の二網 おおとしまのふたあみ |
28 |
天平星 |
船火児 張横 |
丸木船の横鯛 まるきぶねのよこたい |
29 |
天罪星 |
短命二郎 阮小五 |
気違水の五井 きちがいみずのいつつい |
30 |
天損星 |
浪裏白跳 張順 |
掻頭の下貝 かいつむりのしたかい |
31 |
天敗星 |
活閻羅 阮小七 |
鬼子母神の七曲 きしぼじんのななわた |
32 |
天牢星 |
病関索 楊雄 |
病葉の夏楊 わくらばのなつやぎ |
33 |
天慧星 |
弃命三郎 石秀 |
命不知の岩[木屠] いのちしらずのいわひば |
34 |
天暴星 |
両頭蛇 解珍 |
山又山の幸女 やままたやまのさちめ |
35 |
天哭星 |
双尾蝎 解宝 |
十万里山の狩倉 とまりやまのかりくら |
36 |
天巧星 |
浪子 燕青 |
百荻の青海 ももおぎのあおみ |
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