homePen EED Close Up 1

[Home]

 

-General/Specification-

EED 2000年1月18日にようやくPen EEDが入籍しました。ヤフーオークションで見つけたものです。EEDは好評であったPen EESにさらに明るいレンズを搭載して欲しいという市場の声に答えたモデルです。というかPen D3を自動露出化して欲しいという声に答えたモデルとも言えます。いったいどっちなんでしょうか?Penシリーズの中ではEMとともにその外観がPenらしくないモデルの筆頭と言えると思われます。外観もさることながら、その内部機構にも特徴を兼ね備えた異色のPenです。

Specification
発売年月:1967年〜1972年
レンズ: F Zuiko 32mm F1.7
シャッター:オリンパスプログラム式1/15〜1/500秒
シンクロ接点:X接点
焦点調節:目測式、0.8m〜無限 クリックストップ付き
ファインダ−:アルバダ式ブライトフレーム 0.7倍
露出計:Cds式 プログラムEE ASA12〜400
電源:1.3V水銀電池
フィルム送り:リアーワインデイング
大きさ、重さ:115x68x49.5mm 430g
発売価格:16500円


-Lens-

EED Lens EEDに搭載されているレンズは、Pen全シリーズの中でももっとも高速なF Zuiko 32mm F1.7です。4群6枚構成のこのレンズは実は、Pen D3に搭載されているレンズと同じと思われ勝ちですが、、小生は同じだと思ってたんです(^_^;、実は全く異なるレンズなんです。Pen D3では小形なコパル#000シャッターの内径寸法に納める為に、レンズの外径が規制されていたのですが、EEDではオリンパス自前のプログラムシャッターで、内径寸法が大きくとられており、レンズ設計上の自由度が増して、周辺光量が増加し、解像力も高められているそうです。Dシリーズにおいては、オリジナルペンの小形という美点を継承すべく敢えて小形な#000シャッターをコパルに設計製造依頼し、レンズサイドが泣いたわけですが、EEDでは別のアプローチがされたという背景が存在するわけです。つまり小形であることへのコダワリを捨てて、さらなる高性能を追求するという路線転換があったのです。Pen D3とレンズベゼルを見比べてみるとまったく同じ字体で、"Olympus F.Zuiko 1:1,7 f=32mm Lens made in Japan"と書かれています。ところが何故か、Pen D3の方は1:1,7の部分が赤い文字で書かれています。1:1,7といった感じです。一方、EEDの方は普通の白色の文字です。

 D3が登場したのは1965年(昭和40年)9月で、カメラ界はいかに他社よりも高速なレンズを載せたカメラを出すかで競っていたようで、そういった意味からD3のベゼルの1,7が赤く塗られているのではないでしょうか?つまり「ちょっと他とは違いますよ」というアピールをしてるんじゃないでしょうか。

 EEDの方は同じf1,7なのにごく普通の文字で記載されているのは、EEDが登場した1967年(昭和42年)、つまりD3登場から2年後ですけど、この時にはf1,7はもはや取り立てて高速という状況ではなかったという時代背景を表しているのではなかろうか?なんて思ってます。実際のところは、わかりません(^_^;

 焦点調整は直進ヘリコイド式の全群繰り出しが使用されてますので、ピント調整をしても前玉が回転せず、フィルタ−ワークが楽です。フィルター径はDシリーズやFシリーズと共通の43mmです。焦点調整に関してEEDはDシリーズに対して使い勝手がかなり改良されています。これは明らかにEE化による恩恵です。その辺は次回紹介します。


-
Shutter-
EED Shutter EEDに搭載されているシャッターは、オリンパスが独自に開発したプログラムシャッターです。レンズのところでも書きましたが、このシャッターの開発に際し、レンズ性能を追求するべくシャッター内径を従来のコパル#000よりも大きくしてレンズ設計の自由度を増すという配慮がなされています。ある意味で小型化の路線をやめて大きくても性能をつきつめる路線を選択したわけで、大きな路線変更と言えます。このシャッターの特徴は絞りとシャッター羽根が兼用だということです。このシャッターについての基本的なしくみを、レンズまにあ氏が教えて下さいましたので紹介します。

 普通のレンズシャッターの羽根は閉鎖−全開−ホールド−閉鎖という動き方をします。常に全開なんです。ところが絞り兼用シャッターは全開せず設定絞り相当の大きさまでしか開かずに、途中で閉じちゃうんです。そうすると、小絞りの場合はシャッターが動く時間も短縮されますので、普通のシャッターと同じ速度で羽根が動けば、結果的により高速シャッターが切れる(つまり露光時間が短縮される)んですね。絞りも構造上必要なくなります。レンズシャッターRFカメラ、ミノルタV3は小絞りでは1/3000秒を達成してました。逆により遅い速度でシャッター羽根を動かしてもそこそこのシャッター速度が確保できるので、最近のコンパクトカメラのプログラムシャッターはみなこれで価格を節約してます。ミノルタTC-1は全開シャッター最高速1/350なんですが、手動絞りと別系統に絞り兼用シャッターを併用していて、絞り優先AEでシャッター上限を超えてしまうと、シャッター羽根が全開せずに露光を制御する一種のプログラムに切り替わるようになっています.絞り開放のままプログラムに切り替わるとf22,1/750まで使えますから,絞り優先AE最小絞りf16,1/350よりも高輝度まで追従できるんです。

 オリンパス広報経由米谷さんに質問したところ、「複雑すぎてとても紙面では説明できません」なんてつれない返事が返ってきましたです。ガックリ、、ところがクラカメ専科にこのシャッターについての米谷さん直筆の記事が掲載されておりました(れんずまにあ氏が、教えてくださいました)。以下にその記事を紹介します。

 「この自動露出は明るさによって絞りとシャッターが連続的に同時に変わるプログラムシャッターを考え、ピン1本分で両方を動かす設計にした。随分進んだ考え方と思ったが、凝り過ぎた設計になってしまい、両方が同時に変わるので、精度が2倍要求された。何度も改良を重ねたが、どうしてもEE精度がでない。検査に合格した僅かなシャッターでペンラピッド EEDの生産試作を開始したが、量産できる状態ではなかった。」ペンラピッドEEDの製造は短期間で終わり、35mmフィルムを使用するPen EEDが本格量産されることになるまでの1年間が、このシャッター精度向上に注がれたそうです。

 でもって、EEDではAUTOにセットすると上記のように1/15〜1/500秒のプログラムシャッターとして機能します。一方AUTO以外の絞りにセットされると、シャッター速度が1/15秒に固定されてセットされた絞りで作動します。これはストロボ撮影用の使い方です。この辺は、当初あまり確かではなかったのですが、取り説を入手し確認したところ明らかになりました。物の本に絞り優先AEとして作動すると書かれていますが、これはどうも誤りのようです。

 シャッターレリーズのフィーリングなんですが、従来のEEシリーズの長くやや粘っこい感じと比較して、明らかに短く、そして切れの良い感じです。レリーズ音が独特で、プシューッといった何かサーボが作動するような音がします。恐らく絞りとシャッターを、露出計に連動させる為のメカニズムが発する音なのだと思われます。

 その後、当サイトのChatによくおいでいただいているakutsuさんより、貴重な情報をいただきEEDのAUTOの謎がかなり見えてきました。EEシリ−ズではシャッター用と絞り用の二つの段カムがあって、シャッターボタンを押し込むとまずメーター指針にカムがあたり絞りとシャッター速度が決定され、さらにシャッターボタンを押し込むことで、絞りが所定の値まで、絞られていきます。この所定の位置まで絞りを動かすことを、シャッターボタンを押し込む指の動作で行っているために、EEシリーズ独特の粘った、しかも深いストロークが必要となってしまっています。それに比べてEEDのシャッターボタンがストロークをあまり必要としないのは、メーター指針を段カムでスキャンするまでは、指によるストロークを使用しているものの、それ以降の絞り兼シャッター羽根を所定の位置まで動かす動作をゼンマイを使って行っているからなのです。段カムがメーター指針にあたったあと(つまり露光量を決定した後)はゼンマイによりシャッター兼絞りが駆動を開始し、ガバナーにて所定の露光量に到達すると、シャッターが閉じます。EEDがレリ−ズ後独特な音(シャーッ)を発するのは、このガバナーの作動音だそうです。EEシリーズのレリーズ感覚はお世辞にも良いとは言えませんが、EEDはかなり改善されていて、独特の音とともに、小気味良いレリーズ感覚ですよね!


[Page Top] [Index] [Home] Next>>