
十九歳の地図
和歌山から上京し、新聞販売店に住み込みで働きながら、大学進学を目指し予備校に通う吉岡(本間優二)は、都会の生活の寂しさと大学受験のストレスから、配達途中や集金で嫌なことがあった家に×を付け、×が3つになるとイタズラ電話をかける。そんな吉岡と同部屋の30男・紺野(蟹江敬三)を通して、生きていくことの難しさを、今野を反面教師として学び、苦しみながら自分を見失っていく。
いきなり登場してから
「口ばっかりなんだから」
「どうにかなんないのかしら、臭いわよ」
と言われてしまう紺野さん。汚いうえに、このロン髪。この頃の蟹江敬三はまるでカート・コバーンなのであった。
「♪すばらしい幸せがあるだろう。きみの瞳は〜♪」
と加山雄三の歌を歌って帰ってくるゴキゲンな紺野さん。ゴキゲンなため、四国時代の過去の栄光を話し始める。
「俺はもう四国には帰れねぇんだよぉ。ずいぶん女を騙したからなぁ。」
しかし、吉岡には全く信用してもらえず、
「ホントに女と付き合ったのかよ。紺野さんの言うことデタラメばかりだからなぁ。」
と、言われてしまう。
新聞代を回収できず、
「森孝男 ×3つ、4つ、5つ。」
と、制裁する吉岡。その帰りにバラックに囲まれた空き地で、立ちションする女を目撃。その女は、子供に「ションベン女」と言われ、石を投げつけられるのだった。子供は時には残酷なものだが、きっと自分も小学生だったらやってたと思う。
イタ電をする吉岡。
「おまえの家はなー。×印が2つなんだよぉー。」
と、言われてもイタ電された方も訳がわかんないのである。

給料をもらってゴキゲンな紺野さん。だが、紺野さんは同僚の大学生に借金しているため、すぐに取り立てにあってしまう。紺野さんは、当然返さずに逃げてしまう。
吉岡がどうしても回収できない家の新聞代を回収してくる紺野さん。
「スゲー、紺野さん。」
「コレだよ、コレ。」
と、痛くて途中でやめてしまった筋彫りを見せ、ゴキゲンな紺野さん。
調子に乗って、集金した金で
「ねえ、ベッピンさん。何処行くの。一緒にお茶でも飲まない?」
と、女子高生をナンパする紺野さん。しかし、笑われ、気味悪がられ、全く相手にされないのであった。貴重な蟹江敬三のナンパシーンなのである。
「愛するものが死んだのならば・・・奉仕の気持ちにならなくてはいけません。」
意外と紺野さんは読書家なのであった。

蟹江敬三の貴重な入浴シーン。マリアさん(紺野さんの女)の話をしても、
「ホントにいるのかよ。」
と、全く信用されないのだった。

借金を返さないため、大学生にボコられる紺野さん。
「ごめん、勘弁してくれよぉ。必ず返すからさぁ」
と土下座しても、
「情けねぇことしてんなよ。大人のくせに。」
と言われてしまう。情けないことに吉岡にかばってもらう。
「なんで、かばうんだよ。おまえらホモなんじゃねえのか。」
と、言われ切れる吉岡。誰だって、紺野さんなんかとホモ扱いされたら切れるのである。
「紺野さん、いっそのこと死んでしまえば。」
「30男が汚らしいよ。」
「紺野さん、あんまり人を騙すなよ。」
と、ボコられ布団にうずくまる紺野さんを慰めるどころか、とどめを刺す吉岡。
「騙したけど、たぶらかしてないよ。」
と、訳の分からない弁明をする紺野さん。
「お金盗んだろ」
と、追い打ちをかけられても、
「いいか、人は騙すことができても、たぶらかすことはできないんだよ」
と、食い下がる紺野さん。だが、
「どういう具合に生きていったらいいのかわからないな」
と、かなり落ち込んでいるのだった。吉岡が
「マリアさんに会わせてくれよ」
というと、
「よし、じゃあ拝ませてやる」
と、ゴキゲンになるのだった。

これが紺野さんの女神様、マリアさん。かつて空き地で見た、「ションベン女」なのであった。足の傷が気になる吉岡に
「これ、ビルの8階から飛び降りたの。なかなか死ねないのよ。」
と、告白される。
仕事は朝早いのに、朝が弱い紺野さん。吉岡に起こされても
「もう少し寝かせてくれよぉ〜」
と、甘えるのだった。
雨の日の朝、
「紺野君、新聞濡らさないでくれよ。あんたが濡れるのは構わないけど、新聞だけは濡らさないでくれよ。」
と、紺野さんだけ怒られるのだった。
配達途中、偶然マリアさんのアパートの前で、マリアさんを発見する吉岡。マリアさんには他にも男がいるのだった。

男が帰った後、今度は仕事をすっぽかした紺野さんが登場!マリアさんの部屋に向かうのだった。
貴重な蟹江敬三のベッド・シーン。我慢できない紺野さんは、玄関で始めてしまう。
マリアさんの布団の下に、金を発見する紺野さん。SEXしながら、その金を盗みポケットにしまうのだった。ボクも自分のお金をベットの下に隠して、これをやりました。ていうか、これやんなきゃダメだろ、男なら。
金を手に入れた紺野さんは、マリアさんの巨乳に顔を埋めるのだった。
吉岡が集金に行くと、
「南無●●●●●」
と、一生懸命な主婦。吉岡が帰ろうとすると、
「悩み事でもあるの?あたしの話聞いたら幸せになれるんだから。」
と、勧誘されてしまう。
「クソ、貧乏人め。×2つ。」
吉岡は集金が終わり、自室に戻ると、紺野さんがマリアさんを連れ込んでいた。吉岡が呆然と立ちつくしていると、紺野さんは吉岡をじっと見ながら続けるのだった。童貞の吉岡は見ていられなくなり出ていってしまう。童貞じゃなくても、蟹江とマリアのSEXなんか見れないよ。
部屋を追い出されて、行き場を失った吉岡は、もちろんイタズラ電話をする。
「おまえの家に爆弾仕掛けて、一家四人皆殺しにしてやるよ。血だらけにしてやるよ。」
「国防愛国隊に入っています。もちろん右翼です。おまえの家に火をつけようと思ってます。×印が3つも付いてるから、火だらけ、煙だらけ、血まみれだよ。」

マリアさんと田舎に帰り、一からやり直すことを決意した紺野さんは、とうとう犯罪に手を染めてしまう。なかなか踏み切れない紺野さんは酒の勢いをかり、凶行に及んでしまう。
盗んだ金で、マリアさんに洋服を貢ぐ紺野さん。
犯罪に手を染め続ける紺野さんは、夜中に強盗に入った八百屋で遂に捕まってしまう。逮捕され新聞に載ってしまった紺野さん。
「もともとダメな人間なのよ」
と、言われ誰にも心配してもらえない紺野さん。
警察に出向き、嘘の証言をする吉岡。警察が四国の兄に連絡すると、
「会いたくない。そんな奴は殺してくれ」
と言われてしまうのだった。
「でもそんなに心配することはないよ。紺野の奴むしろ元気で、留置場の中で歌を歌っている。」

警察の話通り、
「♪恋するこの胸は、炎と燃えている。大空 染めていく、夕日 色あせても、二人の心は変わらない いつまでも♪」
大好きな加山雄三の歌を歌う紺野さん。留置場の中に蟹江敬三の歌声だけが響き渡るこのシーンは、この映画クライマックスなのである。
その帰りに、吉岡はマリアさんのアパートを訪ねる。紺野さんの事件を告げるのだった。
コーヒーを股間にこぼし、成り行きでマリアさんにフェラされる吉岡。初めてのことなので満更でもない吉岡。
「おまえのために刑務所行きだよ紺野さん」
「そんな顔して、そんな足して、誰が相手にしてくれるんだよ。」
「ウジ虫みたいに生きてきやがって、それを売り物にしてるだけだろ。傲慢だよ、最低だよ、化け物だよ。そんな格好で生きてるぐらいならさっさと死ねばいいんだよ。キチガイ、汚らしいよ、見苦しいよ、死ね。」
と、思いつく全ての暴言を吐く吉岡だった。
ガス栓を加え、自殺を図るマリアさん。見かねた吉岡は
「やめろよ。死ぬなら1人で死ね。」
と、自殺を止める吉岡。
マリアさんの家を出た吉岡はもちろんイタ電をする。
「ダイナマイト爆弾で粉々だよ、俺は右翼だからな。」
「本当にやるよ。爆破なんて甘っちょろいよ。みんな粉々だよ。」