2002年北海道ドライブ旅行(後編)


2002年9月13日、朝。十勝支庁新得町狩勝高原。
今日も1番で朝食を食べ、慌しく出発。前夜の「サホロリゾートホテル」は浴衣というか寝巻 がセパレートだったのでよかった。

新得から道道を通って鹿追町へ。途中、登校の高校生たちとすれ違ったが、北海道の女の子は やっぱかわいいのかなあ、と相変わらずそんなことばっか考えてる私がいた。

鹿追から士幌までの国道274はまさに一直線自然とスピードが出る。こういう道を運転したかった けど、また地図アンドナビ係に。うーん、遠くに十勝岳だかなんだかの山も見えて気持ちいい。 士幌から今度は241号で足寄町へ。途中の「道の駅足寄湖」でチーズの試食。うーん、ちょっと しょっぱいかなあ。足寄町は日本一広い町で、松山千春の故郷である。ということはあの 鈴木宗男の故郷でもある。駅に千春の展示室があったらしいのだがそれを知ったのはかなり後。

足寄の中心を抜け、241号から道道に入る。山道を分け入っていくと舗装終わり。ダートの山道を 進む。この時は私が運転だったけど、ハンドル軽すぎて後輪が横滑りしないかと心配でした。 しばらくして駐車場に出る。ここからタオルを持って山道を歩く。

ここには「オンネトー湯の滝」という露天風呂がある。それに入ろうとしたのである。30分ほど 歩き、滝が見えた。ここは世界で唯一の天然マンガンが存在しているとか何とか。階段を登ると ちっちゃな湯船があった。しかしここは散策路のど真ん中で観光客が絶えず歩いている。そんな 中タオル一丁で男二人入るのにはあまりにも勇気がいる。誰か先客が居ればよかったのだが。 仕方なく、ズボンをまくり、足だけ浸かる。うーん残念だなあ、でもいい湯でした。

「オンネトー」という小さな湖を見物。ブルーのような神秘的な色をしてて、背後の雌阿寒岳 とも重なってめっちゃキレイ。やっぱ自然はスゴイ。相変わらずボキャ貧ですみません。

オンネトーから阿寒湖へ。阿寒湖はみやげ物屋が多く、マリモとかアイヌ民芸品を売っていた。 マリモって天然記念物じゃなかったっけ?アイヌの木彫りみたいなのは、小さなストラップでも 2000円とかしてた。さすがに買えん。なんだか草津のようなにぎやかさでした。ビジターセンター に行こうとしたけど、場所がわからなかった。「エコミュージアム」という美術館みたいなのは あったけど。しかし、これこそがまさにビジターだったのでした(後でわかったこと)。 おいおい、ちゃんと下調べしとけよ。

阿寒湖から山道を下る。途中、自衛隊の車と何度もすれ違う。なんとトラックの上に戦車が 乗っかってた。自衛隊とはこれが始めてでなく何度もすれ違っていたし、駐屯地とかが かなりな頻度で出現していた。そいうえば北海道では「石を投げれば、自衛隊に当たる」そんな 格言があるほど、自衛隊が多いって聞いたことあるなあ。

弟子屈(てしかが)町に入り、今度は摩周湖へ。入る川も出る川もないのにいつも水位は一定の 、神秘の湖です。崖が切り立っていて、人が近づけない。それゆえ、汚染されてない湖です。 しかし、近年、その透明度が落ちているなんて「素敵な宇宙船地球号」でやってたなあ。

この摩周湖も、さっきのオンネトーも観光バスとかレンタカーとかバイクとか、たくさんの観光客 が訪れている。彼らはこの景色を見て、もちろん「キレイだなあ」って誰もが思うはずだけど、 写真撮ってそれで終わりなのかなあ。ではこの美しさはどこから来るのか、そしてこの美しさを 守るにはどうしたらいいのか、なんて思って欲しいなあ。ただ「見る」だけでなくそれに「考える」 もプラスしてほしい。私も、そんな旅人になりたいと思っている。今はまだまだだけどね。 こんなこと言ってるそばから足元にはタバコの吸殻が落ちてたりするんだもん。

本当に自然を守るべきなら、人を入れさせない。それが一番で、私もそう思っていた。しかし、 ある人が「確かにそれもそうだけど、人が来なければ、観なければ自然の美しさも、その貴重さも それを守ることの重要さもわかってもらえない」と言っていた。あー、そうかも しれない。国立公園なんてそのためにあるんだものね。

いつまでも美しいままでいて欲しい。そう思いながら摩周湖を後に。JR釧網本線の川湯温泉駅 へ。歴史ありげな美しい駅舎である。今は無人となってしまったが、中には洒落た喫茶店が入って いる。運良く電車(ディーゼルだけど)が来た。女の人がマイクを持って現れて、列車の音を 録音していた。鉄道マニアかと思ったら、釧路のFM局の方らしい。ここでソフトクリームを 食べて、「硫黄山」へ。

森の中を抜けると、いきなり視界が開けて左には煙を噴出す山が。この硫黄山はいまでも地肌から 火山ガスが噴出してそのそばまで近づける。白根山のようなあの硫黄(正確には硫黄自体に臭いは なく、その化合物)の臭いが。噴出口に手を近づける。熱い。このあたりは火山ガスのせいで ほとんど植物が育たず、ハイマツやイソツツジのような高山性、つまり悪環境でも育つ樹木しか いないらしい。まさに我が青春の白根山と一緒である。

その後、川湯温泉へ。今度はちゃんと「川湯エコミュージアム」へ寄る。しかし、客はいたけど、 職員は誰もいなかった。誰かー、解説してくれー。

屈斜路湖半に出て「砂湯」という所へ。ここは、湖畔の砂浜を掘ると温泉が出てくる面白い場所。 実際掘ってみると、しだいに温かくなり、ぬるいお湯が出てきた。

途中、ライダーがキャンプしているとこを通って、今夜の宿、「屈斜路プリンスホテル」に 到着。以前はプリンスの客の前で「ウサギ」をやったりしてたのに・・・、出世したなあ。

ところで、北海道に来てよくライダーとすれ違ったけど、彼らの多くは後ろに三角の旗を立てて いた。あれって何だろう。そういえば以前、ユースで会った人たちがバイクで行ってもらったとか そんな話をしていたなあ。いいなあ、俺も欲しいなあ。

部屋は本館から離れてる場所にあってやっぱ価格の差を感じるも、夕食はバイキングで元を取り( 何ヶ月ぶりにケーキを食べた)、温泉の露天風呂(実際は壁しか見えない)を満喫し、北海道最後の 夜はこうして更けていくのであった。

余談ですが、夕食の前、ホテルの前の243号を進み、「美幌峠」に行ったのです。ここはガイドブック とかドライブマップに必ず登場する「眼下の屈斜路湖と遠くの山々が美しい展望」があるのですが、 我々が行ったときにはもう真っ暗で何も見えなかった。うーん、もったいない。しかし、峠をちょっと 越えて美幌町、つまり網走支庁にちょっとだけ足を入れたのであった。ちなみに、屈斜路湖周辺は この日、「ツールド北海道」が行われてたのでしたが、我々が行った時にはもう終わってました。 クッシー出ねえかなあ。


9月14日朝、釧路支庁弟子屈町屈斜路湖半。
例により朝8時過ぎ出発する北海道も今日が最終日である。今朝はそんなことを想うと青空 とは裏腹にちょっとだけさびしい出発となった。旭川空港からクルマに乗った時は「いよいよ 来てしまったなあ」だったけど、今朝は「いよいよ終わりかあ」だ。あと半日、残された北海道 ライフを楽しもう。

弟子屈から東に向かって走る。飛行機の出発時間の関係で10時半までに空港に着かなくては ならないが、まだ時間があるので標津町に行くことにした。

途中、ちょっとした峠を越えると、広大な根釧原野の大地が広がる。そして左の遠くには百名山 の斜里岳が、その奥の方には遥か知床の山々が。改めて、北海道の自然、景観の壮大さ、美しさ を感じるのである。この景色ももう見納めかも・・・。

空港のある中標津を過ぎてちょっとした坂を越えると、見えた!標津の街並みの向こうに広がる、 根室海峡の海が。そしてその先には、国後島が!

街中の空き地に車を停め、堤防を上がる。はっきりと見える、国後の姿が。その様々な背景は 置いといて、現在、あの島はロシア領といってもいい。つまり、私が初めて生で見る「外国」 である。この海には「見えない線」が引かれてるのである。なんかそう思うと複雑だなあ。

すぐ近くの「北方領土館」に入る。返還を望む立場から、様々な展示がしてあった。ビザなし 交流の写真があったが、おそらくちょっと前まではあったであろう鈴木先生の写真は一枚もなかった 。無料の望遠鏡で国後を見る。まさに手が届きそうである。

浜に降りる。水は冷たいが、昆布がたくさん打ち上げられてたので拾う。においはしない。 改めて、日本の果てに来たのだなあ。

海に別れを告げ、「標津サーモンパーク」へ。標津川にヤナ場みたいな堰を設置して遡上するサケ を捕獲する。そしてふ化、飼育してまた放流するそうである。上からは川一面に気持ち悪いほど 多くいるサケが見える。彼らはそんなこと知ってか知らずか、果敢に川を登ろうとする。そういえば 生きてるサケをみたのも初めてである。展示室は金がかかるので入らなかった。

ここからはもうラストドライブ。私が運転する。相変わらず広大な大地を走る。ところで、遠くの 斜里岳はそびえ立つように高いけど、実は1545mなんだって。赤城山よりも低いのである。 前橋から見る赤城山は全然高さを感じないけどね。斜里岳に限らず、北海道の山を見ると「高い なあ」って感じるけど、地図で確認すると、最高でも2000mくらい。この錯覚みたいなのは 何でなんだろう。

途中、「返せ!北方領土」なんて強気な看板を見ながら、10時10分、中標津空港前のレンタカー 会社に到着。メーターを計ったら803kmも走ったとのこと。あー、いよいよ終わりかあ。帰りたく ないなあ、なんて思いながら手続きへ。中標津空港はもっとちっちゃい。でも人は多かった。

例の金属探知ゲートでまた引っ掛かる。男の検査員が「ベルト取ってもらえますか」と言う。 ふざけるなよ。何だよ、そこまでするか。大勢の人の前でズボンがずり落ちないように手で押さえ ながら通過する。何だよ、最後で気分悪くなったなあ。

そんなこともありながら、飛行機は出発。帰りはほとんど寝てたので覚えていない。そして13時過ぎ 、羽田に到着。今度は建物から直接歩くのではなく、階段を下りてバスで乗り換える。そう、 古くはビートルズから新しく(?)は「ウルトラクイズ」のハワイに到着した時の、アレである。

そんなわけで、あとは別に書くこともなく家に着いたのでした。


毎年、様々なスタイルの旅人が北海道を目指す。今回初めてだったけど、彼らの気持ちがわかるね。 北海道には何か我々旅人を惹きつけるものがあるよ。4日間、実質は3日間だけで、廻った場所も 飛び飛びで、北海道はおろか、美瑛や富良野さえ完璧にマスターしていない。けど、まあ今回は 「北海道の入門編」的な性格に徹したので。「入門編」があるということは当然、その続編が あるわけで。全然北海道を解ってないよ、まだまだだよ。

つまり、前回の「瀬戸内海の旅」でも言ったように、全部を廻ってない。それこそが次回への きっかけを生むのだと思うし、今回訪れた所も何度でも行きたい、そう思えました。 うん、本当に北海道は何回行ってもいいと思う。それだけの魅力を持っています。ライダーから チャリダーからクルマ派から観光バス派のおばちゃん、一日数本の列車を待つ人、 食い物しか興味ない人から自然を満喫 したい人、野鳥の楽園を造りたい人・・・、北の大地は訪れた人すべてを迎えてくれる。

これを読んでる方には、旅好きな方もいると思いますが、自慢じゃなしに、本当に北海道は 一度は、いや一度とは言わずに何度でも行くべきです。私も、一回目ですっかりハマってしまい ました。

そんなところです。長ったらしい文章でしたが付き合ってくれて ありがとうございました。今度は真冬に行きますか?

2002.10.3 掲載

丘の上の向日葵へ