ショスタコーヴィチ関連文献目録

 旧ソビエトの生んだ20世紀最大の作曲家ドミトリー=ショスタコーヴィチに関する文献リストです。追々、コメント等を充実させ、本サイトの文章とリンクを貼るなどしたいと思っております。


編集方針
  1. 店主が現物を入手したものに限ります。
  2. 工藤さんのショスタコページ内の文献ページ*に、重要文献の多くについて的確かつ詳細な解説がなされています。これらの文献について、拙頁では、重複するようなコメントはしない方針ですので、もし先にこちらにお見えになった方は、工藤さんのページもご覧になることを強くおすすめします。
  3. ご推薦の本・お気づきの点などありましたら、店主ふる zuya3210@yahoo.co.jp までメールにてお知らせ下されば幸いです。


released on 26 Sep 1998
last updated on 11 Jan 2004
ショスタコービチ関連文献目録(発刊年逆順)

  1. M.アールドフ編『わが父ショスタコーヴィチ−初めて語られる大作曲家の素顔』,音楽之友社, 2003年 New
     ガリーナとマキシムが父や父の友人を語る。編者は丹念に関連する露語文献を傍証として添えているが、この中には初めての邦訳とおぼしき資料もありその点でも価値がある。

  2. L.E.ファーイ、藤岡・佐々木訳『ショスタコーヴィチ ある生涯』,アルファベータ, 2002年 New
     ショスタコの伝記だが、類書にないのは、ひとつひとつの事象について、既刊資料を丹念につきあわせ、異同のある場合は信頼できる資料を採用する、という手続きを全編にわたっておこなっていること。その手続きが明示的に書き込まれているので専門的研究者には必読であろう。

  3. 伊藤恵子『革命と音楽−ロシア・ソヴィエト音楽文化史』,音楽之友社, 2002年 New

  4. 亀山郁夫『磔のロシア−スターリンと芸術家たち』,岩波書店, 2002年 New

  5. A.イヴァシュキン、秋元訳『シュニトケとの対話』, 春秋社, 2002年(原著1994年) New
     DSはムラデリと一緒にサッカー観戦をしたことがある(78へぇ:p120)
    →Ivashkin(1996)

  6. 後藤 宣代「ロシア・アヴァンギャルド映画『新バビロン』とショスタコーヴィチ−20世紀における芸術コラボレーションの試み−」『政経研究』76号,2001年
     論文をとりあげるのは本コーナー唯一です。政治学的なアプローチは矢野暢氏の先例があるわけですが、後藤氏は、経済史とのつながりの中での文化現象としてのショスタコを論じておられ、今後の研究が楽しみです。後述の同氏の前作とともに、音楽専門家には目に触れにくそうなジャーナルなので敢えてここにご紹介した次第。

  7. 近藤 健児・田村 道美・中島 泉『絶版文庫三重奏』,青弓社, 2000年
    『絶版文庫交響楽』の続編と言うべき1冊。「ロシア文学」「絶版文庫を買う」の項が大変参考になります。読書家必携。

  8. 近藤 健児『絶版文庫交響楽』,青弓社, 1999年
    「ロシア文学」「音楽」の項が大変参考になります。絶版文庫本の購入方法も指南されており、やはり読書家必携の1冊。著者の近藤先生は国際経済学のご専攻ながら、紹介されている文献は驚くほど多岐にわたります。

  9. 後藤 宣代「20世紀の現代社会とソヴィエト・オペラ−ショスタコーヴィチのオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』の位置−」『文化経済学』第1巻第2号,1998年
     ムツェンスク郡のマクベス夫人(本頁、『真珠の首飾り』の項参照)の分析を通して「普通人の世紀としての現代社会におけるオペラの社会性」を考察したもの。考察もさることながら、グリックマン書簡を原語で引用し、スコアの改訂過程を明らかにした点や、ロシア文学史の豊富な知見の中からショスタコオペラの性格を浮き彫りにした点など、丹念な叙述を積み重ねた労作。

  10. S.ヘーントワ『驚くべきショスタコーヴィチ』筑摩書房,1997年
     ショスタコがサッカー狂だった、というのが類書にないユニークな記述です。初期のバレエ曲「黄金時代」にサッカーの試合が出てくる理由の1つを初めて知りました。今日観ることのできるグリゴローヴィチ演出の「黄金時代」にはサッカーのシーンはなく、オリジナルの演出やストーリーを是非一度観てみたいものだと店主は思っています。

  11. G.クレーメル『琴線の触れ合い』,音楽之友社, 299pp, 1997年
     ショスタコに関する言及は少ないが、音楽家へのインタビューについて論じる中で「ショスタコーヴィチはソロモン・ヴォルコフの著書"Testimony"…の基となったメモを取らせる以前は、ジャーナリストや外国人と話すことを避けていた。どうしても避けられない場合には、ソ連当局の耳に入ってよい、無難な答しか返さなかった」(p41)としている。

  12. N.カレートニコフ『モスクワの前衛音楽家 芸術と権力をめぐる52の断章』,新評論, 290pp, 1996年
     カレートニコフは1930年生まれの作曲家で、シェバーリンの弟子。ソ連現代音楽とショスタコーヴィチとの関係をかいま見ることができる。ノーノが訪ソしたとき、フレンニコフが邪魔したためショスタコに会うことができなかったなど。訳者杉里氏の解説も秀逸。

  13. 井上 頼豊・外山雄三・林 光『聞き書き 井上頼豊−音楽・時代・ひと』,音楽之友社, 293pp, 1996年
    『ショスタコーヴィッチ』(1957)の著者である井上氏は、日本ショスタコーヴィチ協会設立記念シンポジウムにおいて、いわゆる「古いショスタコーヴィチ観」への批判が渦巻く中、弁解めいたことを一言も発せず、毅然として、かつ淡々と御自身の考えを述べておられたこと、また、所蔵されていた貴重な資料のすべてを協会に寄贈されたことが印象に残っています。その井上氏が外山・林両氏との対談形式で、御自身の歩みを振り返った対談を収録した本書には、日本におけるショスタコーヴィチ受容の歴史が散見されます。

  14. Alexander Ivashkin: Alfred Schnittke, Phaidon, 240pp, 1996年 up
     バルト三国(たしかラトビア)出身の作曲家アルフレッド=シュニトケは、ショスタコーヴィチと浅からぬ交流のあった作曲家で、ショスタコの死後、二台のヴァイオリンのための「ショスタコーヴィチの思い出」という小品を書いており、この曲は、ショスタコのソナタとのカップリングでクレーメルが録音しています。この伝記にもショスタコーヴィチに関する記述がそこかしこに見られ、間接的にショスタコを知るよい資料となるでしょう。スーパーポリフォニックというか、ヘテロフォニック(Ives的な)というか、独特の手法を駆使して現代音楽界に多大なインパクトを与えたシュニトケは1998年、惜しまれつつ早逝。
     なお、本書の邦訳を秋元里予氏が完成したものの、版権の関係で出版することができず、代わりに同じイヴァシュキンの『シュニトケとの対話』(原著1994年)が同じ秋元氏の翻訳で春秋社から上梓されている。

  15. Susan Pack: Film Posters of the Russian Avant-Garde, TASCHEN, 1995年
    「ニューバビロン」「戦艦ポチョムキン」「馬あぶ」の映画ポスターが収録されています。なお、当時のポスターには、映画音楽の作曲家を特記する習慣が無かった(らしい)せいか、ショスタコの名前はどこにも見あたりません。

  16. 『ショスタコーヴィチ大研究』春秋社,1994年
     あらゆる意味で必読文献です。工藤庸介さんのショスタコページ*にてこの文献の存在を教えられました。

  17. Elizabeth Wilson: Shostakovich - A Life Remembered, Faber and Faber, 1994年

  18. Krzysztof Meyer: Dimitri CHOSTAKOVITCH, Fayard, 1994年 (in French)
     上の『大研究』の文献解題(梅津紀雄氏稿)によると、作曲家Meyerは、初めポーランド語で、1973年にショスタコービチに関する評伝を、1979年に資料集を、それぞれ著し、その後さらに、1980年に評伝の英語版、1983年に資料集のドイツ語版がそれぞれ出版されているということです。これらの版とこのフランス語版との関係や異同は不明。章構成を和訳したものを参考までに記しておきます。(店主のフランス語の知識は浅薄なので、とくに28章の接続法を使ったタイトルの訳には自信がありません。)なお、Meyerは、ショスタコの未完のオペラ「賭博師」を補筆しており、ドイツレーベルのCD「CAPRICCO:60 062-2」(1995年リリース)でこれを聴いてみたところ、たしかにショスタコの音楽語法に精通した人間の補筆という印象はあるものの、ショスタコ自身がもし筆を執っていたらもう少しアクの強い音楽になったのではないかとの感が否めませんでした。
    • 第1章:1909-1919<総論・幼年期・音楽との出会い・十月革命・最初のレッスン(複数)>
    • 第2章:1919-1924<音楽院の教授達・厳しい生活状態・映画館で働く>
    • 第3章:1919-1926<音楽院の仲間達・ピアノと作曲の研究・最初のコンサート(複数)と最初の作品(複数)・第一交響曲という卒業証書とその大成功>
    • 第4章:1906-1926<ロシアにおける芸術のアバンギャルド・共産政権機構の支配・文化的生活に向かって>
    • 第5章:1926-1930<ピアニストとしてのショスタコービチ・第一回ショパンコンクールへの参加>
    • 第6章:1926-1927<アサーフィエフとソレルチンスキー・実験的作品群:ピアノのためのソナタとアフォリスム、第二交響曲>
    • 第7章:1927-1930<「鼻」・オペラという舞台の誕生と運命>
    • 第8章:1928-1931<劇音楽と映画音楽・第三交響曲・バレエ「黄金時代」と「ボルト」・「作曲家」とソヴィエト当局との関係>
    • 第9章:1931-1936<ニーナ=ワルザルとの結婚・ゾーシチェンコへの熱中・オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の世界的成功>
    • 第10章:1932-1936<1932年以降の文化政策・ショスタコービチの位置・新しいオペラの計画:「司祭の物語」・ピアノのための音楽:(24の)前奏曲と第一協奏曲・チェロソナタ・バレエ「明るい小川」・トルコ旅行>
    • 第11章:1935-1937<「音楽の代わりの荒唐無稽」−ショスタコービチへの公式的批判・大恐怖時代・第四交響曲>
    • 第12章:1937<第五交響曲−ムラヴィンスキーとの共同作業と新たな大成功>
    • 第13章:1937-1948<ショスタコービチの教育活動>
    • 第14章:1938-1941<単純さに向かって:弦楽四重奏曲第一番・交響曲第六番・ボリス=ゴドゥノフの管弦楽編曲・ピアノ五重奏曲>
    • 第15章:1941-1942<独ソ戦の勃発・攻囲されたレニングラードでの生活>
    • 第16章:1942-1944<モスクワでの精力的な仕事:「賭博師たち」、6つのロマンス、ピアノソナタ第二番、交響曲第八番・新たなソビエト賛歌の作曲コンクール・ソレルチンスキーの死:ピアノ三重奏曲第二番、弦楽四重奏曲第二番>
    • 第17章:1944-1946<交響曲第九番・弦楽四重奏曲第三番・モスクワへの転居>
    • 第18章:1946-1948<「コスモポリタンと形式主義者」に対する闘争・PCUS中央委員会決議・「オペラ『大いなる友情』のエピソード」・論争と作曲家同盟第一回会議・ショスタコービチ批判>
    • 第19章:1948-1949<岐路・ユダヤの歌(複数)・文化会議を契機とした米国旅行・「森の歌」やその他の体制との妥協>
    • 第20章:1950-1954<バッハ年の催行:前奏曲とフーガ・スターリンの死:交響曲第十番>
    • 第21章:1953-1955<クレムリンの「三頭政治」と脱スターリン化・ショスタコービチの地位の強化:弦楽四重奏曲第四番、第五番、ヴァイオリン協奏曲の上演・夫人の死・母親の死>
    • 第22章:1956-1958<フルシチョフのもとでの「雪解け」の始まり・ロシア作曲家同盟の第二回会議・再婚・子供達・交響曲第十一番・オペレッタと「ホヴァンシチーナ」の編曲>
    • 第23章:1959-1961<霊感の危機の終焉:チェロ協奏曲第一番・弦楽四重奏曲第七番、風刺、弦楽四重奏曲第八番・ワルシャワの秋への協力・米国旅行:共産党入党・交響曲第十二番>
    • 第24章:1961-1963<PCUSの第二十二回会議に続く脱スターリン化・ストラヴィンスキーのソ連滞在・交響曲第四番の上演・交響曲第十三番・「カテリーナ・イズマイロヴァ」の上演>
    • 第25章:1962-1966<イリーナとの結婚・コンサート旅行・弦楽四重奏曲第九番、第十番・ステンカラージンの処刑・エジンバラ音楽祭とゴーリキ・ピアニストとしての最後の公的出演・心筋梗塞と回復期・生誕六十年記念>
    • 第26章:1967-1971<健康の問題・アレクサンダー=ブロークの詩によるロマンス・ヴァイオリン協奏曲第二番・十二音音楽への改宗・弦楽四重奏曲第十二番・2つの最後の交響曲>
    • 第27章:1971-1975<ブレジネフ時代・親友らの死・健康状態の悪化・晩年の作品・死>
    • 第28章:諸個人の回想がどのようなものであろうと、人類にとってそれはショスタコービチである
    • 付録1:(オペラの)リブレットの概要
    • 付録2:ショスタコービチの受けた学位、栄誉、賞、勲章
    • 脚注
    • 作品目録(ジャンル別)
    • 参考文献一覧
    • 人名索引・作品名索引
      (以上でMeyer仏語本の目次おわり)

  19. 音楽之友社編『ショスタコーヴィチ−作曲家別名曲解説ライブラリー15』音楽之友社,1993年

  20. I.A.クルイロフ、内海訳『完訳 クルイロフ寓話集』, 岩波文庫, 1993年
    「クルイロフの2つの寓話」op.4(1922)の原作となった「とんぼと蟻」「驢馬と鶯」が収録されています。「とんぼと蟻」は「アリとキリギリス」の翻案もの。「驢馬」は、鶯の美しい歌声をくさして雄鳥の啼き声の方がましだと言う。クルイロフはわざわざ「このようは審判者はまっぴらだ」と最後に注釈を付け加えています。ショスタコの作品には自身の運命を予言するかのような素材がいくつかあって怖いものがあるのですが、まだ齢18にもならない音楽院在学中のこの作品...

  21. Special issue on Dmitri Shostakovich, melos, nr 4-5/93, sommaren 1993年, ISSN 1103-0968
     さる専門家の方のご厚意で拝見したスウェーデンの(たぶん音楽関係の)雑誌のショスタコ特集号です。論文はすべて英語。当時の英語圏での研究水準が伺われる貴重な一冊。

  22. V.S.グリゴローヴィチ『ショスタコーヴィチ&ムラヴィンスキー−時間(とき)の終わりに−』(株)アイ エス アイ,1992年
     著者のグリゴローヴィチは「黄金時代」(ショスタコのバレエ音楽,作品21)などを演出した演出家(ユーリ)の方ではなくて、半生をオーボエ奏者として過ごした写真家(ウラジミル=セミョーノヴィチ)である。著作者からモノクロのネガを借り受けて日本で印刷されたという本書に収録されている写真は貴重なものばかりで、なかには見覚えのある写真もなくはないが、第4交響曲のレニングラード初演(1962)直後、起立した団員の間を歩いてくるショスタコーヴィチの表情をとらえた1枚はまさに白眉であり、この曲に込められた作曲家の思いや生きざまがずっしりと伝わってくる。

  23. 佐藤泰一『ロシア・ピアニズムの系譜』音楽之友社,1992年

  24. 日本ロシア音楽協会『СИМФОНИЯ』第1号,1991(以後、第2号(1992)、第3号(1992)、第4号(1992))
     いずれも、ロシア語の一次文献に通じた若手研究者による、ショスタコービチに関する非常に濃い研究論文が収録されている。音大の図書館あたりにあるのでは。幻のオペラ「ラ・ヨーク」の研究詳解など。

  25. D.Burge: Twentieth-Century Piano Music, Schirmer Books, 1990年

  26. Г.ヴィシネフスカヤ『ガリーナ自伝』みすず書房,1987
     ドイツ軍包囲下の「飢餓都市」レニングラードの記述は圧巻。これを読んでからショスタコの第7交響曲を聴くと心底泣けます。

  27. 矢野 暢『20世紀の音楽−意味空間の政治学』音楽之友社,1985年
     題名のイメージに反して、ショスタコに関する記述が過半を占めます。実証に乏しいが洞察は鋭い。よくこれだけの材料でこれほど説得力のある文章が書けるものだと店主は敬服しました。

  28. Д.&Л.ソレルチンスキー『ショスタコーヴィチの生涯−革命と音楽』新時代社,1984年

  29. Л.グリゴーリエフ他編『ショスタコーヴィチ自伝−時代と自身を語る』ナウカ株式会社,1983年

  30. M.ホフマン『ショスタコーヴィチ』音楽之友社,1982年
     パリのショスタコーヴィチ・センター所長のUTWILLER氏は、この本の日本語訳が出ていることに驚き原書を見せてくれましたが、とても薄くてこじんまりとした本でした。

  31. エセル リリアン ヴォイニッチ・佐野朝子訳『あぶ』講談社文庫,1981年
     「馬あぶ」op.97(1955年)の原作。充実した訳者解説によると、アイルランドの女性作家ヴォイニッチのこの作品は、1897年に米国で出版され、その後英語圏ではブームが去る。ロシアでは、1898年に最初の露語訳が出て以来、ソ連時代を通じて愛読されてきたという。

  32. S.ヴォルコフ著・水野訳『ショスタコーヴィチの証言』,1980年(下記 Testimonyの邦訳)

  33. S.Volkov: Testimony - the Memoirs of Dmitri SHOSTAKOVICH, Harper & Row, 1979年

  34. 東郷正延ほか編『ロシア・ソビエトハンドブック』三省堂,1978年 New
    「音楽」の項を森田稔氏が執筆。

  35. The Copyright Agency of the USSR: Dmitry Shostakovich - Complete Catalogue of Works, Moscow, 1977, 45pp.
     当時、日本ビクターのショスタコ新譜LPのいくつかについていた応募券を送るとタダで貰えた英語の小冊子です。原稿はタイプライターで打たれ、楽器編成が明記されているのが特長。当時未出版の作品には「manuscript」、草稿紛失作品には「manuscript not found」と書かれ、また作品番号付きのもののみが掲載されています。現在ではハルムの目録などが最新研究を反映している(工藤さんの頁を参照)わけですが、店主は未入手。一応、当時のソ連公式のカタログということです。

  36. 園部四郎『ロシア・ソビエト音楽史話』創芸社,1976年

  37. A.アナトーリ(クズネツォフ)『バービイ・ヤール』講談社,1973年

  38. 沖浦 和光・北沢 方邦編『講座 マルクス主義 5 芸術』日本評論社,1970年
     編者である沖浦氏自身による第4章「近代美学の展開とマルクス主義芸術論」の中で、スターリン・ジュダーノフ路線について、文学分野を中心に、その内容、歴史的経緯、文学史的意義などが総括的に論じられています。曰く、「人民性、革命性、現実性、現代性といった言葉を、メーデーのスローガンのように手をかえ品をかえつなぎあわせて社会主義リアリズム論を説いてみたところで、それは芸術創造にとってなんの役にもたたぬものであったのだ」(p162)。

  39. Л.コスモデミヤンスカヤ、中本訳『ゾーヤとシューラ』青木文庫,1970年
     映画音楽「ゾーヤ」作品64(1944年)の元となった、英雄パルチザン少女ゾーヤの母親による回想記。訳者の解説によると、「ゾーヤの話は、女流詩人マルガリータ・アリゲールの叙事詩『ゾーヤ』にえがかれたり、映画化されたり、芝居になったりした。…中略…のちにファデェーエフの小説『若き親衛隊』にえがかれる少年少女のパルチザンたちも、ゾーヤを模範にしていたという。」K.K.様よりご教示・ご寄贈いただきました。記して御礼申し上げます。

  40. プーシキン、稲田訳『サルタン王ものがたり』角川文庫,1969年
     作品36(1936年)の原作となった「司祭とその下男バルダーのものがたり」が収録されています。このほか、リムスキー・コルサコーフによって既にオペラ化されていた「金の鶏のものがたり」、表題作「サルタン王ものがたり」も含まれておりロシア音楽愛好家にとっては必携の一冊といえるでしょう。本書もK.K.様よりご教示・ご寄贈いただきました。記して御礼申し上げます。

  41. 井上頼豊『ショスタコーヴィッチ』音楽之友社,1957年

  42. エイゼンシュテイン『映画の弁証法』*角川文庫,1953年
     漢字の偏とつくりからヒントを得て映像芸術への弁証法の適用を試み、映画史上に残る代表作「戦艦ポチョムキン」*において「モンタージュ技法」*を確立した奇才エイゼンシュテイン監督の論文集です。
    「戦艦ポチョムキン」は作成当初は無声映画だったのが、戦後ショスタコービチの作品をコラージュした音楽が何者かによってつけられ、今日一般に上映されるのはこの音付きバージョンです。有名な「オデッサの階段」シーン*は、「ノスタルジア」(タルコフスキー監督)*「アンタッチャブル」(バルマ監督)*を初め、多くの映画にパロディ的に引用されているようですが、最近見た、ジェラール=ジュニョー監督の「パリの天使たち」(1991)*でのパクリは、じつに自然で秀逸でした。
     閑話休題。この興味深く貴重な論文集を店主は、1989年に出た金色カバー付きの限定復刊本(角川文庫リバイバルコレクション)で入手しております。

  43. ファヂェーエフ、黒田訳『改作 若き親衛隊』全5巻、青木文庫,1954年
     映画音楽「若き親衛隊」作品75(1947〜48年)の原作。長大な「解説」をぱらぱらと見たところによると、1943年にドイツ占領下のある街での若者による抵抗運動の史実をもとに、ファヂェーエフは1945年に第1版を書き上げ、大好評を博する。しかし、1947年12月3日の『プラウダ』により、「党の指導に関する描写の不足」を指摘され、1951年にこの「改作」をなしたという。どこかで聞いたような話です。作曲年を見る限り、映画制作の時点では結構微妙な時期だったようですが、このあたりの事情にお詳しい方、是非情報をお寄せください。なお、「ゾーヤとシューラ」の項も併せてご参照ください。

  44. レスコーフ『真珠の首飾り 他二篇』岩波文庫,1951年
    「ムツェンスク郡のマクベス夫人」が収められています。ショスタコービチによってオペラ化されたこの作品については、
    こちらのhisaeさんのページ内にて*、じつに詳細な解説に触れることができます。


ご推薦いただいた本

  • ヴォイニッチ『あぶ』佐野朝子訳 講談社文庫 1981年
     映画音楽『馬あぶ』の原作本です。残念ながら絶版ですが、気長に探せば見つかると思います。(K.K.様)2000/4/26拝受
    …さる大学の先生とおぼしき方からご本名にてメールをいただきました。『あぶ』が『馬あぶ』の原作とは、ご教示がなければまず一生気づかないところでしょう。ありがとうございました。ずいぶん探し回り徒労に終わっていたのですが、その後K.K.様から再度、インターネット古書店情報をご教示いただき、おかげさまで2000年5月27日、ついに入手できました。
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