山本先生の挑戦状

目次
山本先生の挑戦状
挑戦状に答える(1)
山本先生の提示史料
もうひとつの市民連行資料(スマイス調査)
再度挑戦状に答える。


 『神は沈黙せず批判』対して
山本先生より直々に反論がありました。


山本先生の掲示板
http://www3.rocketbbs.com/13/bbs.cgi?id=hiro15&mode=pickup&no=16048

と学会会長・山本先生の挑戦状
Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 山本弘 [近畿] 引用 

  半兵衛さんへ。

 (略)
 スマリオさん、こんにちは。

> ついでですが、小説中の南京論争についてかなり厳しい反論を載せているサイトを発見しました。

 読みました。この人の主張って、東中野教授の本の内容、ほとんどそのまんまで、何の新味もありません。
「こんなトンデモない否定論者はいない」と主張していますが、真田佑介のモデルが小林よしのりであることに気がついてない様子です(^^;)。
 ここで思想問題の議論は禁止なので、詳しくは触れませんが、この人の論法はそうとうにおかしい。一例を挙げると、日本軍が一般市民の中から便衣兵を正確に識別できたと主張しています。
 ところがミニー・ヴォートリンの『南京事件の日々』の58・63・86・99・117・127・128ページに、一般市民が兵士と間違えられて日本兵に連行されそうになった(あるいは連行されて殺された)というエピソードが出てくるんです。
 このグース氏、『南京事件の日々』から引用しているから、当然、この本を読んでいるはず。つまり日本軍による識別がいかにいいかげんであったかを知っているはずなんですが、そのことを故意に隠しているんです!
 また『南京事件の日々』には日本兵による強姦や略奪のエピソード(その多くはヴォートリンが実際に見聞したものであり、根拠のない伝聞ではありません)もいっぱい載っていますが、グース氏はそれも完全無視。引用しているのはヴォートリンの使用人が盗品を買っていたという箇所だけです。
 他にも、自説の正しさを主張するために、都合の悪い資料を隠している部分がいくつもあります。こういうアンフェアなことを平気でやる人物は、僕は人間的にまったく信用できません。

No.18555 - 2004/04/17(Sat)



私の返事

 ☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / グース(ほとんど本物) [ Home ] 引用 

  はじめまして。
 こちらの掲示板では南京関係は思想関係に分類されるらしく、話題とするのも禁止ということですので、該当レス(後半部分)に関しては私のHPで分析したいと思いますがよろしいでしょうか?
 何かご希望があれば伺います。

 一応、月曜日の22時まで待ちますので、訂正される部分があれば修正されても構いません。追加があれば追加されてもかまいません。ボートリン日記については山本さんが提示した部分をすべて引用して解説いたします。

 また、私が自説に都合の悪い史料を隠蔽しているということであれば、具体的にどの史料を隠蔽しているのか提示されないと「隠蔽」の事実が存在するかどうかすら判断ができないと思われますので、隠蔽史料があるというなら具体的に提示して下さい。
 南京関係の史料は旧軍関係の特殊なもの(戦友会などの内輪の刊行物など)を除き、出版されているものは一通り目を通していますので、山本さんが具体的な書名やページ数を提示できなくても、雰囲気を伝えていただければ大体さがせると思います。

 一つ質問ですが、トンデモ否定論は小林氏の否定論をモデルにされているというニュアンスですが、私が確認した範囲、戦争論、戦争論2、新ゴーマニズム宣言5、の三冊においては「否定派お得意の理論、殺されたのは全員便衣兵説」は確認できませんでした。
 私もコアな小林ファンではないので、小林氏の著作は読んでいないもののほうが多いのですが、全員便衣兵説が記載された小林氏の著作があれば教えて下さい。

No.18574 - 2004/04/18(Sun) 


 
と学会会長・山本先生のレス
 
☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 山本弘 [近畿] New 引用 

  グース(ほとんど本物)さんへ。

 あなたが本物かどうかは知りませんが、挑発に乗るつもりは毛頭ありません。

> 一応、月曜日の22時まで待ちますので、訂正される部分があれば修正されても構いません。

 冗談じゃないです。勝手にそんな期限なんか切らないでください。それこそ卑怯です。
 南京大虐殺の話を1日やそこらでまとめられるわけがないじゃないですか。どの本にどんなエピソードが載ってるかを調べ直すだけで何日もかかるし、本格的にやろうとしたら、本一冊分書くぐらいの労力が必要です。いや、一冊じゃ足りないかも。
 そんなことやってる時間はまったくないし、それだけの労力をかけてグースさんと議論して、勝つにせよ負けるにせよ、いったい僕に何のメリットがあるというのでしょうか?
 グースさんは僕の相手ができて満足かもしれませんけど、僕はネット上でつきまとってくるどこの誰かも分からない人に、時間をかけて相手してあげるほどヒマじゃありません。僕には他にやることがいっぱいあるんですから。

 何年か前には南京大虐殺についての本を書こうと思ったこともあったけど、やめました。
 僕がかかわりたくない最大の理由は、これが歴史論争じゃなく、イデオロギー論争だからです。
 確かに南京大虐殺本の著者の中には、真摯に歴史の真実を解明しようとしている人もいます。しかし、多くの人は(右であれ左であれ)自分の政治的信念を主張したいだけで、真実なんかどうでもいいように見えます。彼らは自分に都合のいいように真実を歪めます。
 資料から引用する際に正反対の意味にしまう人とか、
 重要な証拠を無視する人とか、
 資料を改竄する人とか、
 トンデモない珍解釈をする人とか、
 そのうえ、そうした行為をする人たちを擁護したり賞賛したりする人たちがわんさかいる。
 まさに『神は沈黙せず』のテーマである、「人は信じたいものしか信じない」の世界です。だからこそ、小説の中にその話を持ってきて、加古沢にそれを揶揄させたんです。
 僕はこの論争に絶望しています。決着がつくことは決してないと思っています。お互いにどんな証拠を提示されても動じない人たちなんですから。僕はそんなもんにかかわりたくないです。
 もちろんそれで「山本弘は議論から逃げた。卑怯だ」という評判が立つことは承知していますが、空しい議論に残りの一生を費やして疲れ果てるより、はるかにましですから。
 バードウォッチャーが鳥同士の争いに巻きこまれたら、しゃれになりません。

 他のみなさんへ。
 本当に何が正しいか知りたい人は、『神は沈黙せず』巻末に挙げた参考資料に目を通してください。ここで僕がぐだぐだ言うより、それがいちばんいいはずです。
 本当はあの倍ぐらい読んでるんだけど、執筆の参考にしたものがあれだけです。ちなみに東中野修道『「南京虐殺」の徹底検証』(展転社)がリストに入ってないのは、あまりにデタラメだらけのトンデモ本で、「参考」にならなかったからです(^^;)。 

No.18599 - 2004/04/19(Mon)





感 想
 別に挑発したり煽ったりしたつもりはないのですが残念な結果となってしまいました。『神は沈黙せず』では、正しい議論の見本とか完璧な論理という表現がみられましたが、山本さんご自身の反応はどちらかと言えばトンデモさんの反応です。質問と回答を表にして整理してみます。私の質問については簡素にまとめたものですので、詳細は掲示板からのレス引用を参照して下さい。

質問の内容
山本さんの返答と思われる部分
 
(1)山本さんが既に書いたレス(No.18555 )
の引用に関して、修正などがあれば22時ま
で待ちます。

 勝手にそんな期限なんか切らないでくだ
さい。それこそ卑怯です。
 南京大虐殺の話を1日やそこらでまとめ
られるわけがないじゃないですか。
 
(2)私が史料を隠蔽しているということです
が、具体的にどういう史料を隠蔽しているの
か教えて下さい。書籍名、ページが不明なら
概要を伝えてもらえればこちらで探します

 
 どの本にどんなエピソードが載ってるか
を調べ直すだけで何日もかかるし、本格
的にやろうとしたら、本一冊分書くぐらいの
労力が必要です。
 

(3)『神沈』のトンデモ否定論は小林よしのり
氏をモデルにしたというニュアンスですが、
「処刑されたのは全員便衣兵である」とする
主張は見つかりません。該当する小林氏の
書籍を教えてください。

 本当に何が正しいか知りたい人は、『神
は沈黙せず』巻末に挙げた参考資料に目
を通してください。


 これらの山本さんの返答については、私の掲示板でも山本さんの掲示板でも批判が寄せられています。すくなくとも「と学会」会長を名乗るのであれば、最低限第三者にも理解できるような返答をする必要はあるでしょう。
 こういう状態では作品中で「正しい議論の見本」とか「完璧な論理」なんて言ってる場合じゃないと思います。作品中で示された「完璧な論理」とやらですが、反論されて受け答えができずに狼狽するようでは「杜撰な論理」という以外にないと思います。





質問と回答の解説

 一番目は質問というよりも確認です。表現に不都合な点があれば修正しても構いませんよ、追加質問があれば受け付けますよ、という意味のレスです。さほど難しい文章でもないと思いますが山本さんは内容を理解されなかったようです。私の文章に問題があるのか、山本さんの理解力に問題があるのかは、第三者の判断にお任せしたいと思います。


 二番目の質問についてですが、私(グース)が「隠している資料がたくさんある!」だから私(グース)は信用ならないインチキであるというニュアンスになるでしょう。この場合当然ですが山本さんは「隠された重要な史料」をたくさん知っていることになります。
 これが事実であるならば非常に「おいしい」状態となります。
 隠された史料の提示で相手の主張を一気に覆せるわけですから。
 そこで、私は具体的にどういう史料が隠されているのですか? と、伺いましたが結果はみての通りです。隠蔽史料などは提示されませんでした。
 山本先生も忙しいでしょうから史料を調べるのも手間でしょう。書籍名が不明でもページ数が分からなくても、雰囲気(具体的な内容)を言ってもらえば私(グース)が調べますよ、と言っているのにも関わらずです。
 
 ある史料の解釈についてしばしば見解が分かれることはしかたありません。それを検証するのが歴史研究なのです。しかし存在しない史料を「有る」というのはウソになります。


 三番目の質問ですが、これは恐らく山本さん以外には答えようがない質問だと思います。私も一通り南京関係の研究書は目を通していますが「殺されたのは全員便衣兵だった説」というトンデモ説はみたことがありません。山本さんの著作で始めてみました。当然ですがこの論理が否定派お得意の理論というのはあきらかにウソです。
 
 山本さんのレスでは、「全員便衣兵説」は小林よしのり氏の説をモデルにされたというニュアンスですが、私の手元にある小林氏の著作では確認できませんでした。
 小林氏は東中野教授と親しく『南京虐殺の徹底検証』(展転社)を参考にしていますし、『再審・南京大虐殺』(明成社)についても『戦争論2』で参考資料としています。一般的に存在しないトンデモ説である「殺されたのは全員便衣兵説」などを主張するとは考え難いと思います。


 以上、山本先生のレス全般について簡単に解説してみました。次のページは個別の検証に入ります。



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