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■斎藤 綾子■(さいとう あやこ)

略歴 1958年東京生、武蔵野美術大学工芸デザイン科卒。大学在学中に月刊誌「宝島」に投稿した
短編が編集部の目にとまり、「性生活体験時代」と言うタイトルにて連載開始。81年その連
載を、奔放な性の自叙伝「愛より速く」として出版し話題を呼ぶ。
関連サイト ■愛より速く■
デビュー作の担当編集者・村松恒平氏のサイトの中のページ。装丁の舞台裏などが語られています。
コメント 斎藤綾子さんと言えば、そりゃあもう「エロの女王様」のような方なのですが…、ただエ
ロイだけではありません! 何にせよその道に邁進している人だけわかる「何か」が、確
実に、綾子さんには見えている気がします。確かに作品自体は、かなりどぎつい性描写が
されていますが、その裏に書かれていることを読み取るのは、受け取り手の力量でもある
かも知れません。でも、斎藤さん自身は「エロイ小説ですね」と言われるほうが、嬉しい
のかも…(笑)
(2003.10.29)

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■斎藤 綾子 著作リスト   ※ 共著作品は、リストから除外してあります。

評価作品名発行元発行年
1★★☆☆☆愛より速くJICC出版局19811990年思想の科学社にて再刊
2読書準備中結核病棟物語思想の科学社1990.09
3★★★☆☆ルビーフルーツ双葉社1992.07
4再読準備中スタミナ!毎日新聞社1995.06
5★★★☆☆ヴァージン・ビューティ新潮社1996.10
6★★★☆☆フォーチュンクッキー幻冬舎1998.02
7未読知らない何かにあえる島愛育社2000.07
8読書準備中良いセックス 悪いセックス幻冬舎2001.01
9★★★★☆欠陥住宅物語幻冬舎2003.03

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■斎藤 綾子■(さいとう あやこ)
愛より速く/斎藤綾子/新潮文庫/438円+税/1998.10発行

これも自伝的小説と言っていいのかな? 月刊宝島で連載されてい た小説をまとめたもの。

全部で19の作品が収められています。どれも非常に短い作品ばか りなので、斎藤ファンのワタシとしてはちょっと物足りない感じも します。もちろんどれも、いつも通りにエロイ話(著者の回想録) なのですが、時間系列を無視して(まあ、短編集だからね)作品が 収録されているのが、ちょっと残念な感じがします。

しかし、創作部分があるにしても、これを著者の体験談として読ん だ場合、本当に斎藤綾子って人はすごいよなあ〜と思います(笑)。 誉め言葉として「男ならなんでもいいのか!」と言いたくなります (さらに、女もありだしなあ…)。この本の中では、下は中学生か ら(ヒロインの年齢設定は女子大生)、上はもちろん中年オヤジま で、プレイの内容もそりゃあバラエティにとんでいます。

ハッ!もしかして、この本は、最近盛り上がらないカップルのため のAV(この場合はもちろん、アダルトの方の意味ね)のような役 目を果たす本なのか(笑)? いやいや、それはさすがに冗談ですが、 世の中色々な人生があるよなあ…と。

(読了:2003.08.11/★★☆☆☆)
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ルビーフルーツ/斎藤綾子/新潮文庫/400円+税/1996.11発行

久々に、斎藤綾子の作品を読み返したくなって、色々読んでみるこ とにしました。やっぱりきっちりエロイけど、これは恋愛小説だよ なあ…。

収録されているのは、6つの短編。(多分)もともと掲載された媒 体が色々だと思うので、短編集としての色は薄めかも知れませんが、 どれもエロくて120%の恋愛小説集だと思います。

婦人警察官でレズの正美、自分の小説そのままの奴隷のような生活 を体験させられてしまう綾子、お嬢様で結婚を控えているのに好き な彼女がいる真由美、大好きな彼女がいるのに男遊びがやめられな い亜紀、親友と男をキャッチボールすることを楽しむ薫、ひとつだ け傾向の違う作品として収録されている「神々の熱い夜」。どれも 読み手側の受け取り方次第だとは思いますが、その瞬間を真剣に、 熱く生きている女たちが鮮やかに書かれています。

また、すごいのが、おそらく斎藤さん自身の生活が、ストレートに 作品に反映されていること。う〜ん、いっそここまで恋愛至上主義 なのは、すごすぎて気持ち良いくらいです。仕事よりも、その他の 何か大切なモノよりも、恋愛が大事!って言いきれるのは、それは それで、一つの価値観として面白いよな…。

(読了2003.06.23/★★★☆☆)
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ヴァージン・ビューティ/斎藤綾子/新潮文庫/400円+税/1999.11発行

恋愛って、他人の目から見たらけっこうホラーな面もあると思いま す。これは恋愛のそんな側面を、斎藤流にすぱっと切り取った作品 集。

収録されているのは、7つの短編。いつものように、どの作品にも 「これって実体験?」と思わされる描写があって、読んでいるコチ ラがとってもドキドキさせられるのです。特に気に入ったのは、エ ロさが抜群の、1人のM嬢が真実の愛に巡りあう「揺れるモザイク」、 イマドキの女子高生たちをからっと描いた「ネットを越えて」、三 十三歳にしてブスでデブで処女(あらためて書くとすごいな!)の ハルが、偶然知りあった男にのめり込んでいく「春が来た」の3編 でしょうか。

あらためて気になった作品をあげてみて気づいたのですが、この本 の雰囲気(SMと言うこと以外に)村上龍の作品にけっこう近いか も知れません。「トパーズ/村上龍」と読み比べてみると、また面 白いかも知れないな…。

性が絡む作品って、男女それぞれの視線の違いがけっこう面白いと 思うので、男から見たSMと女から見たSMってのを、それぞれ比 べてみるのもまた面白いでしょう。近日中に、トパーズを再読して みることにしましょう。

(読了:2003.07.14/★★★☆☆)
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フォーチュンクッキー/斎藤綾子/幻冬舎文庫/495円+税/2001.08発行

今回も、豪速球。ド真ん中ストレートにエロイです!

収録されているのは、26の短編。高校生売春あり、不倫する若妻 あり、レズあり、とバラエティ豊かです。

斎藤作品は、どれもご自分の経験がどこかに透けて見える感じがす るのですが、こんなにも熱心にHに励んでいるただ中にも、ものす ごい観察眼が発揮されているんですよね〜。細部の描写とかが、とっ てもリアルというか生々しくて、でもそれがエロさではなくて、と ことんまで突き詰めると、なんだか顕微鏡をのぞかせてもらってい るような、まるで生物の授業を受けているような、そんな気にさせ られるのが不思議です。(その観察眼が、エロイパーツにだけ、向 けられているのも、またすごいと思うのですが…)

ただ、なんとなくもったいないなあと思うのは、斎藤作品は長編の 方がいいんですよね。短編で断片を鮮やかに切り取って見せるのは もちろん、それだけの力があるからだと思いますが、こんなにも濃 い恋愛話を短編にしてしまうのは、すごくもったいない…。多分、 純文学作品なら、この中の作品のどのエピソードをとっても、2つ や3つの長編になるのでは?という感じがします。

(読了2003.08.24/★★★☆☆)
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欠陥住宅物語/斎藤綾子/幻冬舎/1400円+税/2003.03発行

スーパーエロエロ作家(←誉めてます)斎藤綾子が家を買った?! しかし、その家はとんでもない欠陥住宅だった…。

そもそものきっかけは、珍しく長く続いた男との別離だった。恋愛 がふらふらと落ち着かないように、それに伴うトラブル続きで、な んとなく落ち込みがちな日々を送る綾子は「そうだ!自分の家を買 おう!」と思い立つ。口うるさいがゆえに、こういう時は役に立つ 初老の母親と下見に下見を重ねてようやく巡りあった、憧れの一戸 建て。ところが売買の契約を済ませてから、とんでもない欠陥住宅 だっとことが判明する。ようやく手に入れた自分の城を守るため、 綾子は裁判所に訴えでる。

いや〜、1冊で何粒も面白い本でしたね〜。久しぶりに斎藤綾子さ んの本を読んだのですが、ものすごくエロイ実体験的小説以外にも、 こんなに読ませる文章を書かれるんですね〜。ものすごく驚きまし た。

内容はもちろん題名通りに、自らが購入してしまった欠陥住宅との 戦いの日々も書かれているのですが(この部分もかなり親切丁寧) そのほかにも、自らの恋愛体質ゆえ男となぜかトラブルになり、逃 げるように繰り返した引越。そしてもちろん、登場する男達との熱 くてエロイ描写も楽しめます。

そのほかにも個人的には、キツイ母親と、未婚で長女である自分と か、重なる部分が多くて、もし親が年老いたらどうするか?など、 かなり色々なことをリアルに考えさせられました。

ちなみに表紙は安野モヨコさん。う〜ん、GOODです!しかし、 題名だけで真面目に「欠陥住宅」のことを知りたくて買った人は、 ちらちら登場するどぎつい描写にびっくりするだろうな(笑)

(読了2003.05.10/★★★★☆)
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