
Chrstmas!
2nd
By 蘭麻
アタシは泣いていた・・・。
悲しいわけじゃない、寂しいわけでもない・・・。
ただ、情けないくらい涙が止まらなかった・・・。
シンジのせい・・・。
そうよ、コノナミダハシンジノセイ・・・。
「アスカ? 涙拭いたら?」
ミサトが呆れ顔で覗き込む。
「いいのよっ!」
「アスカがいいんだったらかまわないけどね・・・」
やれやれといった口調でビール片手に苦笑してるのがわかる。
いいのよ、このままで・・・。
「でもねぇ〜」
「うるさいわね! ごちゃごちゃ言うんだったらミサトが切りなさいよ!」
そう、アタシは今玉葱を刻むのに悪戦苦闘している。
なんで涙がでるのよ〜。
シンジが切るときは涙なんか流してないのに、どうしてアタシが切ると止めどなく噴出してくるの?
「や〜よ。 化粧が落ちるもの」
どうやらアタシだけでなく、ミサトも涙の垂れ流し状態になるようね・・・。
そう、それもこれもシンジのせい。
・・・半分はミサトのせいでもあるけど・・・。
絶対ミサト特製カレーなんか食べたくないし。
かといってカレー以外のレパートリーは・・・。
「あたし? カレーなら作れるわよん(はぁと)」
何が(はぁと)なんだか・・・。
つまりカレーしか作れないって事よね。
でも、そのカレーは凶器そのものだから、こうやって悪戦苦闘しながらアタシが料理してるってわけよ。
シンジは・・・。
あれから毎日帰りが遅い。
ミサトが何してるのって聞いたけど。
「内緒ですよ」
って、笑ってた・・・。
アタシはなんとなく気まずくって声をかけられない状態・・・。
ほんと、何してるんだろう?
毎日日付が変わるちょっと前に帰ってくるのはわかるんだけど、すぐにお風呂に入って寝てるみたい。
そして、朝は朝食だけ作ってさっさと出て行く・・・。
やっぱり怒ってるのかな・・・?
学校でも話しかけてくれないし。
あんまり美味しくないカレーを食べて、寝るまでの間の時間を持て余す。
「シンちゃんにかまってもらえなくて拗ねてるんでしょう?」
濡れた髪をタオルで拭きながらミサトが居間に入ってきた。
「違うわよ。あんなやつの事なんかこれっぽっちも気にしてないわよ!」
その台詞にミサトがニヤリと笑った。
そのまま自室に入って行く。
お見通しって事ね・・・。
まあ、しょうがないわね。
一緒に暮らしてるんだもん。
同性として悟られるのは当たり前よね・・・。
でも・・・。
ホント、シンジ何してるんだろう・・・・。
もうすぐ帰ってくる時間ね・・・。
聴いてみようかな?
・・・駄目ね・・・。
ミサトにも言わないんだからアタシに言うはずないか・・・・。
そして、ベッドの中でいつものようにシンジが帰ってくる物音を聞いた・・・。
「ねえ?アスカったら聞いてるの??」
「・・・ごめん。 何か言った?」
「も〜〜、アスカったら・・・」
ふと気づくとヒカリのふくれっつらが睨んでいる。
「どうしたのよ?上の空で・・・。 碇くんのことでしょう?」
うっ・・・。
やっぱりこの親友にも隠せないか・・・。
アタシは洗いざらい打ち明ける事にした。
「アスカらしいわねぇ・・・」
優しい顔・・・。
アタシもこんな顔できたらもっとシンジと仲良くなれるのに・・・。
「碇くんのことはよくわからないけど、何かきっと事情があるのよ。
だからアスカもそんな憂鬱そうな顔してちゃ駄目。いつものアスカでいなさい」
いつものアタシ?
「そうよ、いつもの元気で明るいアスカ・・・。 ちょっと素直になれれば申し分ないけど」
そうよね、素直なアタシ。
今一番必要なもの。
でも、どうしてもシンジの前だと影を潜めてしまう・・・。
「とにかくやってみる事よ」
やってみる・・・。
そうよ!
やるわよ! アスカ!
思い立ったら吉日!
アタシは早速シンジの行動を尾行する事にした。
だって、いろいろ考えたけど思いつかなかったもの・・・。
何でいつも帰りが遅いのか、わかるわけないじゃん。
この目で確かめるのがアタシなりの解決方よ!
授業が終わり、鞄を掴むと廊下へ駆け出す。
階段を2段飛ばしで駆け下り急いで靴を履く。
相変わらずのラブレターの山を蹴散らし校門まで猛ダッシュ。
何処に隠れようかな・・・?
あの木の陰あたり・・・。
駄目ね・・・。
丸見えだもんね。
さてと・・・。
おっ!
あの自動販売機の陰。
うん。 ここなら大丈夫ね。
後はシンジの登場を待つだけね・・・。
遅いなぁ・・・。
・・・デートで待つのってこんな気持ちなのかな・・・?
デートならいいのに・・・。
何人かの生徒が通り過ぎ、やっと現れたのよ。
アイツが・・・。
鈴原と合田も一緒だわ。
3人で出かけてるのかしら?
あの3人の尾行なんてちょろいもんね。
曲がり角まで来たとき、シンジが他の2人に手を振って離れていく。
いつもの帰り道じゃない・・・。
その時のシンジの顔・・・。
なんだか嬉しそうだ。
あたしの中に不安がよぎった。
誰かに会いに行ってるの?
その時頭に浮かんだのは、もっとも思い出したくない人物・・・。
そう、ファーストの顔だった。
シンジの足どりは、街の中心に近づくにつれだんだん早くなってきた。
あたしの胸の鼓動と同じように・・・。
一軒の店の前でシンジは立ち止まった。
お洒落なカフェ・・・。
ここで誰かと待ち合わせしてる?
どうする?アスカ・・・。
胸の鼓動が一段と早く高鳴る。
「行くわよ・・・、アスカ!」
To be continue・・・
後書き
KENさんのバトンを引き継ぎました蘭麻です。
遅筆な私ですので、何とか締め切りに間に合わせようと誓いました。
書き始めるとのめり込んできた自分がいとおしく感じました(はぁと)
さあ、このお話どう進んでいくのか楽しみです。
じゃあNOBさん!
後は任せた!!(駆け出す蘭麻)
蘭麻