
Christmas!
Last Story
By
悠蔵
2015年12月24日…。
世間ではこの日をクリスマスイブという…。
僕にとって、これまでのその日は意味を成さなかった。
ずっと関係ない事だと思っていた。
しかしそれは…違った。
父さんにここに呼ばれ、エヴァで使徒と戦い、その中でいろんな人と出会った。
一生の友達ができた。
血はつながらなくとも、硬い絆で結ばれた家族ができた。
そして何より…
アスカに出逢えた。
いつも元気で、お転婆で…。
怒ってばっかりだったけど、さりげない優しさも彼女にはあった。
まだ出逢って一年も経ってないけど、彼女とはいろんなことがあった。
最初なんかすごかったなぁ。
空母の上で…ね。
いきなりビンタされたし。
一緒に住む事になったときはどうなるかと思ったけど…。
結局僕らは互いに傷つけあってばかりだったけど、その分だけ歩み寄れた気もする。
それは僕の思い込みかもしれない。
だから僕は決めた。
今日、この日を僕らの記念日にすると…。
そのために、自分を磨いた。
認められるはずのないアルバイトをしてプレゼントも買った。
僕にできる精一杯の事をした。
あとはアスカに伝えるだけ…。
ためらってなんていられない。
この日のために僕は…。
覚悟はできてる。
例えうまくいかなかったとしても…。
だから…、逃げるわけにはいかない。
ピッ…ピッ…ピッ…
「何?シンジ。」
ぶっきらぼうな受け答え。
何で…?
機嫌が悪いのかな…。
「何なのよ?」
イライラしてる…。
声を聞いてるとはっきり判る。
それでも言わないと…。
「アスカ…。」
「何?」
「今日、時間空いてる?」
「…何でよ?」
「アスカに伝えたい事があるんだ。」
「…。」
「7時にいつもの公園で待ってる。必ずきてほしい…。」
「…。ツーツーツー…」
切れた。
アスカ…。
そういえばここ二日、アスカは家にいなかった。
洞木さんのところに泊まってたらしい…。
なんでだろう…。
ふと時計を見ると、8時を回っていた。
アスカは…来ない。
来てくれないのか…。
雪の降る中、僕は待ちつづけた。
さっきまではいくつか人影もあったけど、今は僕一人だけ…。
当たり前か。
時計は11時を指していた。
「来ない…か。」
日付変更まであと60分…。
それが僕の中での区切りだった。
きっとそれ以上待っても…。
「寒い…。」
今まで言葉にはしなかった。
弱い自分のココロに隙を与えないためだった。
でも、その試みも限界にきていた。
それなりの装備できたものの、この寒さには耐えれるものではなかった。
だが、それでも待ちつづけた。
そこにほんの少しでも望みがあるなら…。
0時00分。
「シンジ…。」
アスカの声が聞こえたような気がした…。
極限の状態にいる自分への慰めのように…。
だが、それは気のせいではなかった。
「ずっと待ってたの?」
それは間違いなくアスカの声だった。
停止寸前の自分をたたき起こした。
「アスカ…来てくれたんだ。」
「話って…何?」
悲しそうに…、寂しそうに言葉を綴るアスカ…。
何でそんな顔するの?
嫌だ!
そんなの嫌だ!
笑ってよ…、アスカ…。
「話が…あるんだ。」
「…。」
「こっちを向いてほしい。」
アスカはうつむいていた…。
このままでは駄目だと思った。
これでは伝えたい思いの1/3も伝わらない…、そう思った。
「お願い…、大事な話なんだ。」
「…何よ…。」
アスカ。
こっち向いてくれた!!
「何よ…話って…。」
「うん。」
「寒いんだから、さっさとしなさいよ!」
「好きです…アスカ。」
「…。」
「僕は君が好きだ!!」
「…。」
悲しそうな顔…。
そうしてそんな顔するの?
僕の事…嫌いなの?
「シンジ…。少し前の私なら素直に喜んでた…。でもね、駄目なの…。」
「どうして!?」
「私、見ちゃったんだ…シンジが女の人と歩いてるの…。」
「えっ?」
「いつだったかなぁ…忘れちゃった…。」
「僕が…女の人と歩いてた…?」
「…そうよ。シンジ、楽しそうだった…。」
「アスカ…。」
「だから駄目…。シンジはその人と幸せになればいいの…。私なんて要らないのよ!!」
「…母さんなんだ、一緒に歩いてたの…。」
「えっ?」
「還ってきてたんだ、僕の母さん…。」
「じゃぁ…!」
「うん、心配させてごめんよ…。」
「信じていいの?まだ間に合うよ?」
「もう手遅れだよ…アスカ。」
「シンジ!!」
飛びついてくるアスカ。
笑顔だ…。
ずっと待ってたアスカの笑顔。
これだけで僕は…。
「そうだ。」
「どうしたの?」
「プレゼントがあったんだ。」
「…そっか。それでバイトしてたんだ。」
「やっぱりアスカだったんだ。」
「えっ?私、見つかってたの?」
「うん…。話してもよかったんだけどね…黙ってたんだ。アスカをびっくりさせたかった。」
「そっか…。」
「うん。」
「で、何くれるの?」
「あんまり稼げなくってね…これが限界だった…。」
「…指輪?」
「うん。」
「綺麗じゃない…。どうしてそんなに申し訳なさそうにするのよ?」
「ガラスなんだ…そこについてるの…。」
そう…。
空いてる時間全てをつぎ込んだけど、結局ダイヤは買えなかった…。
今の僕にできる精一杯。
それを物にして表したのがこの指輪…。
「いいじゃない。」
「えっ?」
「シンジの気持ちがつまってるんだから!!」
「うん…。」
「私、幸せだなぁ。あのまま誤解したままだったら…きっと後悔してたと思う。」
「僕も幸せだよ…。アスカに…あっ!」
「なっ、なに?」
「答え…聞いてない。」
「…聞きたい?」
「うん。」
「ふふっ…。好きよ、シンジ♪」
「あっ…ありがとう、アスカ。」
「なに泣いてるのよ。そんなに嬉しかったの?」
「うん、嬉しかったよ。これまで生きてきたけど、こんなに嬉しい事はなかった。」
「ほんと?」
「うん。」
「そっか。」
「そうだよ。」
「ふふっ…。」
「帰ろう、アスカ!!」
「うん、シンジ!!」
僕は幸せを手に入れた。
アスカは僕にとってかけがえのない存在なんだ。
そして、アスカにとっても僕はそうだった。
だから今、この瞬間…アスカは僕の隣りにいる…。
そう。
互いに想いを伝えあったこの時に…。
この出来事の後でこんな話を聞いた。
この第三新東京市にあった言い伝え…。
クリスマスイブの夜…深夜0時までに、想いあう二人が心から通じ合う…。
すると二人は幸せになれる…と。
聞いてからもっと幸せになった気がした。
もちろん、言い伝えにまかせっきりというわけじゃあない。
でも、応援されてる気がした。
きっかけはどうあれ、守ってきたこの街だから…ね。
臆病な僕。
ずるい僕。
卑怯な僕…。
それでも、アスカが好きで…愛する僕。
そして、そんな僕を愛してくれるアスカ…。
これ以上の幸せがあるのだろうか…。
本気で考えてしまう。
このときは、そんな事ありえないと思ってた…。
ま、何年か後に同じぐらいの幸せを味わう事になるんだけどね…。
じゃあ、この辺で失礼します。
アスカも待ってるし…。
「行くわよ、シンジ♪」
「うん。今、行くよ!!」
そして僕らは歩き出した。
二人、寄り添って…。
FIN.
あとがき
悠蔵です。
「そりゃ無茶でんがな!!」
そんなツッコミが飛んできそうな、そんな話になってしまいました。
ま、この際細かい事(?)は大目に見てやってください。
しかし難しかったです。
みなさん、どうでしたか?
やっぱり無茶でした?
私的には…、どーでしょう。
ほのぼのなLASが好きな私にとっては、えらい峠の後を引き受けたなぁ…って思いましたよ。
私好みにはしたんですけどね…。
では最後になりましたが、この場を提供していただいたKENさん。
私の参加を認めていただいたみなさん。
そして読んでいただいた皆さん。
ありがとうございました。
では、また会いましょう!!