温かいモノ・・・

 

By KEN


 

 

「はぁ・・・何処かにいなくなろうかな?」

 

 

最近、辛い・・・

思うときがある・・・

 

 

この涼しくなってきたこの季節・・・

僕は、一つ何かをやりたい事がある・・・

 

 

「僕が居なくてもみんな平気だろうしね・・・」

 

 

一度・・・

前の場所に戻って・・・

自分の将来の事を考えてみようかと思う・・・

 

 

父さんとは、話し合いたくない・・・

 

 

どんなに、みんなが僕の事を意気地なしと言っても・・・

僕の心は父さんを心から拒絶している・・・

 

 

だから、話したくも無い・・・

 

 

だから、前の住んでいた場所・・・

 

 

先生の所に行きたい・・・

 

 

ここよりは楽だろう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?シンジは何処に行ったのかしら?」

 

 

ホント、肝心な時にいないんだから・・・

あのバカシンジ・・・

 

 

「シンジ君なら、前に居たところに戻ったわよ」

 

 

アタシの後ろから声が聞こえた・・・

この声はミサト・・・

 

 

ミサトの言った事にアタシは身震いした・・・

 

 

「ど、どうしてよ?また、アイツ逃げ出したの?」

 

 

 

アタシが、ミサトに聞いてみる・・・

ミサトは暗い顔をした・・・

 

 

だが、何故暗い顔になったかはすぐ分かった・・・

 

 

アタシが今、『逃げ出した』と言ったからだ・・・

 

 

その言葉のせいだ・・・

 

 

「逃げ出したなんて、言われる筋合いなんかないって・・・シンジ君が言っていたわ」

 

 

ミサトは肩が震える・・・

 

 

「そりゃ、そうよね・・・。シンジ君よりも私達の方が逃げ出しているのに、シンジ君だけが悪者にみたいにされたら・・・」

 

 

ミサトは、ふっと、悲しく笑った・・・

 

 

少しでも笑顔で、悲しさを無くそうとしているのか・・・?

 

 

「そう・・・そうなんだ・・・。でも、その先生のとこだって、嫌な場所なんじゃないの?」

「ここよりは、マシな場所だって・・・」

「・・・・・・」

「そうそう、アスカ。碇司令から呼ばれているから、司令室に行ってね」

「なんでよ?」

「司令に逢えば分かるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セカンド・チルドレン、惣流・アスカ・ラングレー入ります」

 

 

アタシは司令室にいる・・・

やはり、部屋には、司令と副司令がいた・・・

 

 

「来たか・・・惣流君」

 

 

いつものポーズ・・・

いつもの威厳のある感じ・・・

 

 

話しにくい・・・

 

 

「では、本題に移そう・・・。惣流君、シンジの事は好きか?」

 

 

!!

いきなり、アタシは驚いてしまった・・・

 

 

「アタシは・・・アイツの事なんか・・・」

 

 

嫌い・・・

と、言おうとした・・・

だが、口からその言葉が出なかった・・・

 

 

「アタシは・・・」

「もし、シンジを好いてくれているのなら頼む!」

 

 

司令は、席から立ち

いきなり、土下座を始めた・・・

 

 

「シンジに帰ってきてくれと言って欲しい・・・。私では駄目なのだ」

 

 

そんな事言っても・・・

 

 

「アタシには出来ないです。それに、アタシにも責任があるし・・・」

「・・・・・・」

「それに、アナタも。今更虫が良すぎるのかもしれません。今までファーストばかりを構っていたから」

 

 

アタシも辛かった・・・

自分に親がいなかった・・・

誰も甘えさせてくれなかった・・・

 

 

でも、加持さんが、面倒を見てくれた・・・

相談にのってくれた・・・

 

 

だから、アタシはまだ、よかった方なのかもしれない・・・

 

 

だけど、シンジは、誰にも頼る事は出来なかった・・・

 

 

「アタシには理解者がまだいました。でも彼には、何もなかった・・・。それに、アタシ達が彼の人生を壊してしまった・・・」

「やはり、君も駄目か・・・。今更私が行っても駄目なのだ・・・。でも、また逢いたい・・・。なんとも勝手な親だな・・・」

 

 

司令は、ふっと笑った・・・

他人から見れば、勝手だろう・・・

 

 

だが、親子の関係に置き換えれば・・・

分からないでもない・・・

 

 

「まぁ、アタシは、断ったわけでは無いですけどね。行ってみますよ」

「!!・・・あぁ・・・頼む・・・」

 

 

アタシも自分の気持ちを言いたい・・・

だから・・・いいきっかけだと思った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、久しぶりだね。シンジ君」

 

 

僕を出迎える・・・

僕をお世話してくれた人・・・

 

 

「どうも・・・スミマセン。また、迷惑をかけてしまいますね」

「気にしないでくれたまえ。それに、私は君に謝りたい事がある」

 

 

先生は、少し暗い顔になった・・・

 

 

「すまなかった・・・。前、君が居たときは、どうでもいいように扱っていたのだと思ったよ」

「いいですよ。どうせ、他人。そうなってしまうのも仕方がありません」

「そう言われると、心が痛いな」

「すみません。僕は人を好きになれる人間ではなさそうなので」

「・・・君には好きな人はいなかったのかい?」

「分かりません。でも、特別に感じた人はいました」

「なら、君は普通の人だと思うがな・・・。まぁ、いいさ。よく帰ってきてくれたシンジ君」

「・・・はい。た、ただいま」

「おかえり」

 

 

僕の居場所はここなのかもしれない・・・

あの場所には、二度と戻りたくない・・・

 

 

だから、ここがいい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「未知なる土地よねぇ・・・」

 

 

アタシは、今、シンジの前に住んでいた場所にいる・・・

第三新東京都市とは違い、まだ、木々がたくさんあった・・・

 

 

「アタシなんかがここに来てよかったのかしら?」

 

 

今更ながら悩んでしまう・・・

 

 

「でも、行かないとね・・・」

 

 

アタシは歩き出した・・・

この場所に・・・

 

 

シンジの場所に居るところに向かうために・・・

 

 

「シンジ・・・一言でいいから、アタシの言葉を聞いて・・・」

 

 

アタシの心は少し弱くなったのかもしれない・・・

いえ、壁が薄くなったのかもしれない・・・

 

 

だから、人に頼らないと生きていけない・・・

 

 

その対象がシンジになってしまったのかもしれない・・・

シンジには、迷惑かもしれないけれど・・・

 

 

「ゴメン・・・シンジ。アナタがそんなに悩んでいたのは知らなかった・・・」

 

 

でも、ホントは知ってるけど知らないふり・・・

好きだと思っているのに・・・

アタシの我が侭を押し通そうとして・・・

 

 

シンジの都合を無視して、自分の意見を押し通してしまった・・・

 

 

だからだよね・・・?

 

 

アナタがここに帰ってきたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「温かい・・・」

 

 

僕は、この家がとても温かく感じられた・・・

別に、あの家が寒かったわけではない・・・

 

 

心が温かくなるのだ・・・

ここにいると・・・

 

 

思いやられる・・・

思いやれる・・・

 

 

素晴らしい家だと思う・・・

 

 

「シンジ君、君はいつまでもここにいてもいいんだよ?」

 

 

僕に優しくしてくれる

 

 

僕には、そんな言葉だけでも・・・

 

 

そんな思いやりでも・・・

 

 

僕は、ここが天国だと感じる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ君?」

 

 

僕の部屋のドアをノックする人・・・

 

 

「はい?」

「どうだい?今日は君が帰ってきた事だし・・・パーティーでもやろうかと思うのだが・・・?」

「いいんですか?」

「ああ。私がしたいんだ。構わないかい?」

「ええ」

「それで、その買い出しに行くのだが・・・。家で留守番をするかい?それとも、この街を歩き回ってみるかい?」

「そうですね・・・久しぶりにここの変わった場所を見てみたいし・・・」

「そうかい。じゃあ、六時には帰ってきてくれよ」

「はい・・・」

 

 

 

 

 

僕は、この温かい家を出た・・・

でも、温かいのは、寒くならなかった・・・

ずっと、心が温かいままだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントに・・・なんで、アタシはこんなに方向音痴なのかしら・・・」

 

 

アタシはあちこちを見回して・・・

地図を見て確認する・・・

この木の葉の舞い降りる未知の土地に…

 

 

「これなら、司令について・・・いえ!あの人とだけは嫌!」

 

 

司令と親子とか・・・

援助交際の関係みたいには思われたくないし・・・

 

 

それに、シンジに誤解されても困る・・・

シンジは、結構、勘違い症が激しいから・・・」

 

 

「さ、もう一回、探しましょう・・・あら?あれは・・・」

 

 

アタシの見つけたかった人物が目の前に居た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん・・・結構いい店とか出来ているね・・・」

 

 

結構変わった町並み・・・

なんか、温かくなった町並み・・・

ずっと、ここに居たい感じがする・・・

 

 

「これなら、結構料理がうまく出来そうだな・・・」

 

 

僕は手に食材をとりながら・・・

独り言を言った・・・

 

 

「アスカ達・・・大丈夫かな?家がもう潰れてないよね・・・」

 

 

出て行った身分でありながら場違いな事を心配している・・・

やっぱり、戻ってこなければよかったのかな?

 

 

でも、今更遅い・・・

あそこは僕には合わなかった・・・

 

 

だから、ここにいるんだから・・・

 

 

 

 

 

「あれ?あの子は・・・」

 

 

あの寒い場所に居た・・・

あの温かい子だった・・・

 

 

目の前にいるのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「シンジ!(アスカ!)」」

 

 

目の前にはアスカが・・・

 

 

いた・・・

 

 

 

 

 

目の前にはシンジがいた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの?こんな所にまで来て・・・」

 

 

僕がアスカの所まで近寄り・・・

聞く・・・

大方・・・

 

 

父さんが連れ戻して来いって事かなと思う・・・

 

 

「・・・もう、帰ってこないの?あそこには?」

「さぁ・・・心の動く方向に・・・かな?」

「茶化さないで!誤魔化さないで!」

「・・・僕の心を冷たくするんだよ?あそこは・・・」

「じゃあ、戻らないの?」

「今のところはね・・・」

 

 

 

やっぱり、駄目だった・・・

シンジの決意は固いもの・・・

 

 

「僕を好きになってくれる人なんていないもの」

「・・・じゃあ、好きになってくれる人がいればいいの?」

「・・・分からない・・・」

「アタシはアナタの事が好きよ・・・」

「!!??」

「好きだから・・・。だから、返事はあの場所で聞かせて・・・」

「・・・あそこには・・・」

「それは、アナタが決める事よ・・・」

「・・・・・・」

「じゃあね・・・」

 

アタシは逃げ出した…この秋の夕日の日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから・・・3年が経った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジは結局帰ってこず・・・

アタシはこのまま、ここで暮らした・・・

 

 

この第三新東京都市に・・・

 

 

 

 

 

司令は、酷くガッカリしたような感じだった・・・

 

 

今は、生気がまるで感じられない・・・

 

 

今、自分の奥さん・・・

 

 

ユイさんが、帰ってこようが、立ち直れないかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン・・・ピンポーン・・・

 

 

家の呼び鈴が鳴った・・・

 

 

もう、アタシだけの一人暮らし・・・

 

 

ミサトは、加持さんと結婚して・・・

 

 

何処か田舎と行ってしまった・・・

 

 

居辛くなったのだろう・・・

 

 

「誰かしら?」

 

 

アタシは玄関に向かう・・・

 

 

 

 

 

 

扉の向こうには・・・

 

 

「ただいま、アスカ」

 

 

目の前には・・・

アタシの好きな人がいた・・・

 

 

「未練がましくここに来ちゃったよ・・・。あの時の返事・・・今してもいいかな?」

 

 

あの時の返事・・・

その返事が三年の遅刻で、返される・・・

 

 

「ええ・・・今更・・・だけど・・・いいわ・・・」

「・・・好きだよ・・・アスカ・・・」

 

 

アタシの望んでいた答え・・・

 

 

「三年待たしたわりに、気のきかないセリフね・・・」

 

 

少しだけ強がり・・・

 

 

シンジは抱きしめる・・・

 

 

アタシを・・・

 

 

優しく・・・

 

 

「これが、僕だからね・・・」

 

 

そして、アタシにキスをする・・・

 

 

「うん・・・それで、いい」

 

 

アタシは、望んだ物を手に入れた・・・

 

 

アタシの大切なシンジを・・・

 

 

Fin

 

 

後書き

 

うぅむ・・・

訳分からなくなってきました・・・

どないしよう・・・

 

まぁ、面白いと感じてくれた人は・・・

掲示板にでも、一言面白かったと書いてくださると励みになります。

 

 

さらに贅沢を言うと、意見を・・・

 

 

KEN