
誕生日
By KEN
誕生日・・・
自分にとって、この日はどういうモノであろう?
大切な日?
何か、特別な事があるのか?
学校が休みでもなるわけでなく
ただ自分が生きた長さを示す日・・・
なら、何故その誕生日と言う日が大切なのであろう?
周りの人が勝手に騒ぎ立てているだけだ・・・
自分は勝手に騒がれているだけで嬉しくとも感じない・・・
だから、誕生日なんか嬉しいと思った日などない・・・
「誕生日ね、おめでとう!!」
何がおめでとうなのだろう?
ただ、歳をとっただけなのに?
何に対しておめでとうなのであろう・・・
自分が今まで生きてこれた事?
ホントにそういう風に思っているとは思えない・・・
自分の両親が自分を祝ってくれる・・・
友達が祝ってくれる・・・
アイツが祝ってくれる・・・
別に嬉しくないわけじゃない・・・
だけど、違和感がある・・・
本当に何に対しておめでとうなのだ?
「ほら、アスカ!行くよ!」
「分かっているわよ!」
・・・少しぼ〜っとしていたみたい・・・
そう言えば、学校に遅刻しそうで慌てて走っていた途中だった・・・
朝って結構いろんな事を考えてしまう・・・
自分は何故、ここにいるのか?
自分は何故、コイツと一緒に走っているのか?
別にこんな奴・・・置いて行っても・・・
ほっておいてもいいのに・・・
「どうしたの?今日って・・・なんかあったけなぁ・・・?」
コイツったら・・・今日を何の日か忘れている・・・
・・・アタシの誕生日だと言うことを・・・
!!
今、なんでアタシは誕生日の事を言ったのかしら?
別に祝ってくれなくてもいいって心の中で言っているのに・・・?
どうして・・・
平凡な一日・・・
誕生日なんて、国民全体の祝日でも、なんでもない・・・
別に他人からは特別ともなんでもない日・・・
モチロン、自分にとっても・・・
「おはよう、惣流さん。これ、受け取ってくれる?」
「え?・・・うん、ありがとう」
一人の女子がアタシに小さな小物をくれた・・・
彼女は知っているのだろう・・・
自分が誕生日だと言うことを・・・
「いいわよ、惣流さんはいい友達だしね」
「うん・・・ありがと・・・」
人に祝われると嬉しい・・・
それは、とても・・・
「アスカ、誕生日おめでとね」
「ヒカリ・・・」
ヒカリもアタシを祝福してくれる・・・
「ありがとう・・・」
やっぱり、祝ってくれるのは嬉しい・・・
なのに・・・アイツは・・・
なんで、アイツに期待するのかしら?
「学校で一日、終わったな〜」
アタシは校門の傍で空を見る・・・
もう、夕焼け空・・・
冬だし・・・
日が沈むのが早い・・・
「あ、アスカ!」
後ろから声を掛けられる・・・
アイツだ・・・
「何よ?シンジ?」
「後でアスカの家に行っていい?」
「?なんでよ?」
「ん、ちょっとね・・・」
「・・・分かったわ・・・。じゃあ、家について三十分経ったら来て」
「うん。ありがと」
シンジは、アタシの返答に満足したのか、
そのまま、足早に帰って行ってしまった・・・
・・・って・・・
家について、三十分って・・・
アタシが家に辿り着いてから三十分って訳じゃなかったわ(汗
アイツ、自分が家についてから、三十分って思ってる・・・
こうしちゃいられないわ、早くアタシも帰らないと・・・
って・・・なんで、アタシ・・・
そんなに早く帰らないといけないのかしら?
「ただいま・・・」
アタシは家に帰ってきた・・・
結局・・・急いでかえってきてしまった・・・
ホントは、家になんて帰ってきたくない・・・
どうしてかだって?
それは・・・
寂しいから・・・
そう・・・
アタシのパパとママは仕事でいつも家をあけている・・・
だから、いつも一人だ・・・
別に寂しいとは、今までは思っていない・・・
だけど、この時期になると、無性に両親の言葉を聞きたくなる・・・
「いつもの事なんだけどなぁ・・・どうしてかしら?」
そして、アタシは自分の部屋に行く・・・
着替える・・・
着替えて、自分の弱い部分を覆い隠そうと・・・
いつもの自分に戻るようにと・・・
ピンポーン・・・
家の呼び鈴が鳴った・・・
あぁ・・・アイツが来たのか・・・
碇・シンジが・・・
シンジはお人好しだけど・・・
頼りになる・・・
いつも、いい頃にやってくる・・・
自分が辛く、負けそうな時、助けてくれる・・・
今までそうやって、自分のバランスを保っていた・・・
でも、悪い気分がする・・・
シンジを道具に使っているのではないか?と・・・
それに、何故、アイツなのであろう・・・
別にアイツじゃないといけないわけではないのに・・・
「は〜い!今開けるわ!」
でも、今日は絶対にアイツが必要のようだ・・・
自分を保てられない・・・
一人だと・・・
ガチャ・・・
「どうしたの?シンジ?」
「い、いや・・・。あ、あのさ・・・アスカ・・・」
「な、何よ?」
「・・・誕生日おめでとう!!」
・・・今日・・・まったくそんな事気づいている素振りを見せていないのに・・・
「これ・・・」
シンジの手にあったのは可愛らしいネックレス・・・
星型の飾りがついている・・・
その星の飾りから淡い光をはなっている・・・
これは・・・
「誕生日プレゼントなんだ・・・だから・・・受け取ってくれるかな?」
シンジは照れたように言う・・・
少し頬が赤くなっている・・・
恥ずかしいなら、いいのに・・・
でも、アタシはシンジの掌のモノをとった・・・
少し、シンジの手にも触ってしまった・・・
いつもと変わらず、温かな手・・・
「・・・うん・・・。ありがとう・・・シンジ・・・」
アタシはそれを受け取った・・・
そして・・・自分の首にかけた・・・
「似合う?」
「うん・・・とても・・・」
何故・・・シンジに祝われて嬉しいのか・・・
分かった気がする・・・
多分、コイツが好きなのだから・・・
「じゃ・・・帰るね・・・」
あら?
結局、いつものシンジなのかしら?
「もう、帰るの?」
「ん・・・まぁね。あんまり迷惑掛けちゃ駄目だろ?」
「そんな事・・・」
「んじゃ、また明日・・・」
何よ・・・
勝手にこんなモノ、渡すだけ渡して・・・
そんな赤い顔して・・・
「シンジ!」
アタシはシンジの名前を大声で呼んだ・・・
「・・・なに?」
「アタシの事・・・どう思っている?」
「え?頼りになると思っているよ・・・。それに、少し優しいしね」
「・・・アタシの事・・・好き?」
アタシは、おかしくなってしまったのだろうか?
弱い自分・・・
その、自分がもう引っ込んでくれない・・・
今まで、我慢していたのが、いけなかったのかもしれない・・・
なんともないような振りをしていた・・・
だけど、限界だったみたい・・・
誰でも・・・うぅん・・・
シンジにアタシを見ていてほしい・・・
ずっと、隣にいてほしい・・・
「・・・好きだよ」
「アタシも好きよ・・・」
そう言うと、アタシはシンジの近くに寄って行った・・・
「ねぇ・・・ずっと、隣に居てくれる?」
「・・・どうしたの?・・・アスカ・・・なんか変だよ・・・」
「・・・これがホントのアタシ・・・。もう、疲れたの・・・自分を強く見せているのに・・・」
「・・・アスカ・・・」
シンジは、アタシに手を差し伸べた・・・
そして・・・
アタシを抱きしめた・・・
アタシはシンジの温かさに導かれて行った・・・
温かい・・・
自分が弱い事を別に隠そうとなんて、思う気持ちが消えて行った・・・
「一応、アスカを見てきたつもりなんだけどな・・・」
「・・・仕方無いわよ・・・これは、アタシの内面だもの・・・。内面なんか、その人が言わなきゃ・・・見せなきゃ分からないもの・・・」
「でも・・・少し、アスカが無理してるって思った・・・」
「・・・え・・・?」
そこまで、自分を見ていてくれたの・・・?
「アスカの部屋・・・いっつも部屋の明かりがついているところを見るんだ・・・」
そう・・・
アタシは寝るのが遅い・・・
それは、パパとママが帰ってくるのを待っているからだ・・・
「その時思った・・・誰かに助けを求めているのかなって・・・?勝手に想像だけどね・・・」
シンジは少し照れたように笑った・・・
「少しは僕も、アスカの事が分かるようになったのかな?」
「・・・ええ・・・十分よ・・・」
アタシはそう言うと、シンジを抱きしめる力を強める・・・
「寒い・・・?」
「うぅん・・・温かい・・・」
でも、鈍感なのは、治ってないみたいね・・・
変な所で抜けている・・・
「ほら・・・アスカ・・・家の中入ってよ・・・」
「・・・帰るの?」
「・・・まぁね・・・」
「うちに寄ってかない・・・?」
こんな事、言っていいのかしら・・・?
なんか、誘っているみたいで恥ずかしい・・・
実質、普通の意味で誘っているんだけどね・・・
「・・・じゃあ・・・少し寄って行くよ・・・。それに・・・」
「それに?」
「こんな可愛いアスカを少しでも長い間見ていたいしね」
「!!ば、バカ!!」
いきなり、そんな事言われて真っ赤になってしまった気がする・・・
お互いが好きだと分かって・・・シンジ・・・
態度が少し大きくなったのかしら?
それとも、少し余裕が出来たのか・・・
これでアタシをモノに出来たとか(笑
「もう・・・ほら、入って」
「あ、うん。お邪魔します・・・」
アタシ達は家の中に入った・・・
「ねぇ・・・シンジ・・・。ホントにありがとう・・・」
「・・・え?何が?」
「アタシの誕生日を祝ってくれて・・・」
「・・・他のみんなだって祝ってくれる人はいただろう?」
「アタシね・・・別に誕生日なんて、嬉しくは思わなかった・・・。だって、そうでしょ?誕生日なんて、歳をとったって実感させられるだけじゃない・・・。それに、死に近づいたって・・・思っちゃうし・・・」
「・・・まぁ・・・そうだけどさ・・・。この日にアスカが生まれてなければ、僕とアスカは出会わなかったと思うんだ・・・」
「・・・・・・」
そうかもしれない・・・
「だから、僕にとっては、この日を心から祝うよ・・・。何よりもアスカだけを祝う日だもの・・・」
「シンジ・・・」
アタシは、またシンジに抱き着き・・・
そして、シンジと・・・
キスをした・・・
アタシって・・・結構手が早いのね・・・
欲しいモノは奪い取る・・・
なんか、嫌な子に感じる・・・
でも・・・
とめられないみたい・・・
「アスカ・・・好きだよ・・・」
「うん・・・アタシも・・・」
今日・・・アタシは誕生日と言う日が大切な日だと実感した・・・
自分の生まれた日・・・
その日でなかったら、シンジと出会う機会はなかったのだから・・・
この日は・・・
特別なんだろう・・・
オマケ
「ふぅ・・・やっとくっついたわね・・・」
「あぁ・・・長かった・・・おかげ計画が3%ほど遅れている・・・」
「これから、取り戻していかないとね」
「そうだな・・・」
「あ、そうだ。キョウコ達に報告していかないと・・・」
「そうだな・・・ラングレーには長い事寂しい思いをさせたからな・・・」
「ホントですわ。シンジとアスカちゃんをくっつけるために、この日に限って絶対を家を留守にしてたんですからね・・・」
「ラングレー・・・いつも泣いていたからな・・・」
「それも今年で終わりよ・・・」
「そうだな・・・」
・・・そんな計画だったのか・・・(汗
Fin
後書き
アスカ嬢の誕生日記念SSですけど・・・
結局、バースデーケーキとか、そういうモノは出てこなかったです・・・
それは何故か!?それは、自分・・・
甘いモノは好きじゃないんです(汗
最近、やっと、チョコとクッキーぐらいしか甘いモノは食べれません・・・
KEN