誕生日とは・・・

 

ByKEN


 

 

 

 

 

人は、どうして歳をとるのだろう?

人は、なんで、歳をとる事を祝うのだろう?

 

 

結局、歳をとる事は・・・

 

 

人が死ぬ事を人に分からせているだけにすぎないのに・・・

 

 

 

 

 

なぜ、誕生日なんて、祝うのだろう・・・?

誕生日なんて・・・自分の寿命が刻一刻と、近づいている証拠なのに・・・

僕はそう決め付けている・・・

 

 

じゃあ、なんで、人は永遠を望もうとするのだろう?

誕生日を・・・寿命が近づく日を祝うのに・・・

なんで、人は永遠に生き続けようとするのだろう・・・?

 

 

人なんて、馬鹿な生き物だと思う・・・

嫌、どんな動物だって、馬鹿なんだと思う・・・

 

 

結局、生まれては死んでいき・・・

 

 

その後、死んだ自分はどうなっているのかさえ想像もつかないのだから・・・

 

 

 

 

 

それとも・・・僕がただ単に異質なだけなのか・・・?

僕が、こう寿命とか死ぬとかうだうだ言っているのが、異質なのだろうか?

 

 

生きようとする気力を持ち続けていられれば、そんな寿命とか死とかの考えは出てこない・・・

 

 

そう言う物なのだろうか・・・

 

 

 

 

 

僕は、違うと思う・・・

だって、結局人の心の奥底にある考えは一緒なんだと思う・・・

きっと、歴史に出てくる偉人・・・

 

 

そんな人たちだって不老不死になろうと思っていたのだから・・・

不老不死になれれば、僕は誕生日が来てもいくらでも祝うだろう・・・

 

 

心から、嬉しいと感じる事が出来るのかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春から夏へ・・・

 

 

夏から秋へ・・・

 

 

秋から冬へ・・・

 

 

そして・・・冬から春への・・・

 

 

季節の移り変わり・・・

 

 

 

 

 

だけど、季節なんてのは、時が過ぎて行く事を感じさせるだけのもの・・・

凄いマイナス思考な考えだけど・・・

僕は、そう思う・・・

 

 

よく、春には花見をしにいく・・・

だけど、僕はそれが悲しい物だと思ってしまった・・・

 

 

桜の散り様を僕達は見物しに行っているのだから・・・

人は酷い奴なのかもしれない・・・

確かに、元となる木はまだ何十年、何百年と生き続けるかもしれない・・・

 

 

だけど、その散った花は、もう二度と咲いてはくれない・・・

 

 

同じ物なんて一つもないんだから・・・

人も同じように、同じ・・・なんて、ないのだと思う・・・

 

 

もし、クローンなんていても、それは別のもので・・・

ただ、部分的一緒な所があるだけ・・・

 

 

だから、僕は季節の移り変わりなんて・・・

そして、誕生日なんていらない・・・

 

 

誰も祝わなくていい・・・

多分、僕の心の中では・・・そう思っているはず・・・

 

 

多分ね・・・

 

 

多分・・・

 

 

だけどね・・・多分、こう思っている原因は・・・

 

 

 

 

 

誰も僕の誕生日なんて、気づいてないからだ・・・

確かに誰にも言わなかった・・・

 

 

確かに・・・自分から・・・誕生日だなんて言わなかった・・・

 

 

だけど、一人くらいは気づいてくれると思った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の誕生日は6月の6日・・・

 

 

夏の始まり・・・

 

 

常夏の日本だけど・・・さらに暑い暑い夏の始まりの時期・・・

だけど、僕は今まで誰にも祝ってなんてもらってない・・・

もとより、期待もしていなかったけど・・・

 

 

誰も僕の事を気にせず・・・

 

 

ただ、この季節を過ごしていた・・・

 

 

それが、たとえ・・・僕の親戚でも・・・

僕がお世話になっている人も・・・

 

 

何も・・・いつもと変わらず・・・

 

 

だから・・・

 

 

多分、僕は誕生日なんて、一度も祝ってもらってないから・・・

 

 

 

 

 

自分から・・・自分の誕生日だって・・・言えばいいのかもしれない・・・

だけど・・・

 

 

僕は、そんな事言えない人間だ・・・

わざと他人に教えて、祝ってくれ・・・なんて、言えない・・・

 

 

言う気力さえない・・・

 

 

だから・・・

 

 

毎年、この日になると・・・

僕は、あぁ、ただ書類とかには、間違えないように変更しておかなきゃな・・・

 

 

としか、思っていない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあ、僕の家族だと言い張るあの人はどうなのだろう?

そして、僕の事を友達・・・だと言ってくれるあの子達は・・・

 

 

家では・・・

僕の居場所と呼べるような場所だと・・・

 

 

「ね、ねぇ・・・ミサトさん・・・今日」

「あ、ゴメンね〜シンちゃん。今日、私遅くなるのよ〜。だから、食事はアスカと二人で済ませてね」

「あ・・・はい」

 

 

やっぱり、変な事を聞いてみるものじゃないね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあ・・・あの人には・・・

僕は、電話機を手にとる・・・

 

 

程無くして、僕が話したいと思った人と話せた・・・

 

 

「父さん・・・」

「なんだ・・・」

「あのさ・・・今日・・・」

「済まないが、私はこれから会議があるのでな・・・」

 

 

そう言うと、父さんはくるりと僕に背を向け・・・

何処かへと歩いて行ってしまった・・・

 

 

 

 

 

やっぱり・・・肉親でも・・・

駄目なんだね・・・

 

 

きっと、父さんなら憶えていてくれたかな・・・って思ったんだけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な〜によ、シンジ!朝っぱらから!」

「え、あ、うん・・・おはよう」

「おはよう・・・で、誰に電話かけてたのよ?」

「ちょっと・・・ね」

「あ、そう」

「うん・・・ほら、もうご飯出来ているから・・・」

 

 

アスカの背中を押すように・・・

僕は、台所へと向かう・・・

 

 

誕生日なんて・・・

 

 

別に、祝日でもなんでもないんだから・・・

 

 

きっと・・・

 

 

他人には、関係のない日なのかもしれない・・・

 

 

それに・・・これ以上は、望んじゃいけないはずだ・・・

今では、僕の隣にいてくれる人が見つかったから・・・

これ以上の・・・欲張りはいけないんだ・・・

 

 

僕の誕生日・・・今日なんだ・・・って事は、誰にも言ってはいけないんだ・・・

アスカにでさえ・・・

 

 

嫌、アスカだからこそ、彼女には言えない・・・

 

 

これ以上・・・欲張りはいけないのだから・・・

 

 

そうだ・・・

 

 

やっぱり・・・僕は、誕生日の事を・・・

嫌な物と認識していた方がいいのかもしれない・・・

 

 

でもね・・・

 

 

たった一言「おめでとう」の言葉を聞けたら・・・

 

 

僕は・・・

 

 

誕生日の事をどう思うだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジのおかしな様子は学校でも同じ状態だった・・・

 

 

 

 

何がなんだか、分からないので、アタシはヒカリに相談してみた・・・

 

 

「でさ〜、今日のシンジおかしいのよ。何か知らない?ヒカリ?」

「う〜ん・・・今日って、6月6日でしょ?・・・・・・あっ」

「そうよ。だけど、別に特別な日でもないし・・・」

「・・・・・・アスカ・・・本気で言っているの?」

「え、ええ・・・」

「私も今思い出したけど、今日は・・・多分、碇君の誕生日よ・・・」

 

 

・・・そうなの?

アタシ・・・初めて知った・・・

 

 

「嘘・・・?」

「嘘じゃないわよ・・・この前、碇君の学生手帳見たもの・・・確か、今日だったと思う」

「うぅ・・・あんの馬鹿シンジ・・・なんで言わないのよ・・・」

 

 

シンジはアタシに何も言わなかった・・・

アタシは、自分以外の人には鈍感だ・・・

 

 

だから、言ってくれれば、アタシはいくらでも祝おうと思ったのに・・・

 

 

「ふふふ・・・付き合っているアスカにでさえ、言ってないとすれば・・・私にもまだ望みはあるかしら?」

 

 

ヒカリは、意地の悪い笑みを見せながら言う・・・

 

 

「ひ、ヒカリ・・・アンタ、鈴原の事好きじゃなかったの?」

「嘘よ嘘・・・アスカ経由で、碇君に鈴原の事が好きって伝わるかな・・・って思ってさ」

「・・・・・・」

「それで、碇君の反応はどうかな・・・って思ったんだけど・・・見事に脈なんてなかったし・・・」

「ま、まぁ、そうよねぇ。だって、シンジはアタシの事好きなんだから」

「でも!碇君の誕生日は知らないのよねぇ〜」

「うぐ・・・」

 

 

痛い所をつかれてしまった・・・

 

 

「バースデーケーキでも作ってあげようかなぁ」

「だ、駄目よ!」

「なんで?」

「あ、アタシが作るから・・・」

「出来るのアスカに?」

「・・・やれば、出来るわよ」

 

 

アタシは、少し無理を言っているのかもしれない・・・

だけど、やってみないと分からないのも事実だ・・・

 

 

「ふふふ、アスカならそう言うと思ったわ」

「え?」

「少し発破をかけてみたのよ」

「ひ、ヒカリ〜」

 

 

また、意地の悪い笑みを見せながらヒカリは言う・・・

なんだ、冗談なのか・・・

 

 

「でもね!私は、碇君の事諦めてないからね!」

 

 

少し強い口調で言う・・・

 

 

「だから、今日はアスカに花を持たせてあげるだけ・・・の事よ」

「ヒカリ・・・」

「どうする?私、ちょうど今、簡単めなバースデーケーキのレシピを持っているけど・・・アスカ一人で全部やる?」

「う〜ん・・・」

 

 

何故、ヒカリが手元にレシピを持っているかと言うと・・・

ヒカリは、お料理部に入っているため・・・

だから、毎日レシピ本はかかせない・・・

 

 

どうしようかなぁ・・・

 

 

確かに、全部何から何まで自分自身でやるのがいいと思うけど・・・

そんなに、うまく行かないと思うしなぁ・・・

 

 

「うん、貸してもらうわ」

「いいわ。・・・・・・じゃ、これね」

 

 

ヒカリが一冊のレシピ本をアタシに渡す・・・

何々・・・?ケーキレシピ特集編?

 

 

ぺらぺらとページを捲ると出るわ出るわのケーキのレシピ・・・

 

 

普段は、喫茶店とかでしか食べれないよなケーキのレシピも載っていた・・・

 

 

「私のオススメは・・・これかな?」

「これ?」

 

 

ヒカリが選んでくれたのは、チョコレートケーキだった・・・

 

 

「これ・・・?」

「そ。少しお酒をスポンジに染み込ませると美味しいわよ」

「なるほど・・・」

 

 

確かにシンジは甘すぎるお菓子とかは嫌いだった気がする・・・

だから、無難なとこにビターのチョコを使うケーキにしたのだろう・・・

 

 

「ありがと!」

「はいはい」

 

 

アタシは嬉々と、自分の席へと戻って行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、いいんちょ」

「あら、鈴原・・・どうしたの?」

「さっき、惣流に言ってた事ホンマか?」

「ふふふ・・・鈴原はどう思うの?・・・ホントだったら?」

「ワシは・・・」

「嘘よ・・・ぜ〜んぶ、嘘!」

「ほ、ホンマか?」

「だって、あれぐらい言わないと、アスカ行動にうつさないからね」

「・・・・・・」

「でもね、鈴原・・・」

「・・・?」

「少し本気かもしれないよ・・・私・・・」

「え・・・」

「だって、鈴原、私の事・・・いいんちょとしか呼んでないもの。・・・少し嫌だなって・・・」

「ほうか・・・・・・じゃあ、ほ、洞木・・・放課後一緒に帰らへんか?」

「うふふ・・・いいわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わり・・・

帰り際に、アタシはシンジに・・・少し用事があるからと言ってスーパーへとむかった・・・

 

 

はぁ、スーパーなんてあんまし来たことないから、まったくアタシにとっては、未知の世界だった感じがした

 

 

でもまぁ、なんとか必要な物は買えてよかった・・・

さてと・・・待ってなさいよ・・・シンジ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・」

 

 

アスカに用事があるからと言われ・・・

何もする事がなくなったので、近くの公園へと立ち寄った・・・

 

 

「きゃはは!」

 

 

蒸し暑い今の時期・・・

たくさんの子どもが公園で遊んでいる・・・

 

 

昔の僕は、どうだったんだろう・・・

 

 

あんまり、楽しい思い出はなかったからなぁ・・・

 

 

「今日は・・・何時に帰ろうかな?」

 

 

そうは言っても・・・

僕は、夕飯の準備がある・・・

 

 

遅くても5時には帰らないといけない・・・

 

 

「でもまだ・・・ここで時間を潰そう・・・」

 

 

公園のブランコに座り・・・

僕は、時間を潰した・・・

 

 

 

 

 

この、時間も・・・

ただ、無意味に過ぎ去っていくな・・・と思いながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ・・・案外やってみると、楽しいもんね・・・」

 

 

ボールに卵、小麦粉、砂糖などを入れてかき混ぜる・・・

 

 

「一応・・・家庭科とかでは、やったから、感覚はおぼえていたし・・・」

 

 

どんどん手順をこなしていくアタシ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お!いいじゃん!」

 

 

ケーキの土台となるスポンジは出来上がった・・・

あとは、デコレーションだけね・・・

 

 

チョコを溶かして・・・

チョコレートソースをつくり・・・

 

 

イチゴなどのフルーツをトッピングした・・・

 

 

 

 

 

「出来た〜!」

 

 

 

 

 

目の前にあるのは、レシピの写真と同じケーキ・・・

うぅん・・・多分、アタシの方が上手に出来てる!

それが、完成した・・・

 

 

 

 

 

モチロン、アタシは一度も失敗してないなんて言えない・・・

さっきは、大見栄をきって言っていたけど・・・

 

 

アタシの手は痛々しい状態となっていた・・・

 

 

イチゴを切る時に傷つけた指・・・

ケーキの土台となるスポンジをオーブンから出そうとした時慌てて素手で鳥だそうとした時出来た火傷・・・

 

 

でもね・・・

 

 

こんな状態になっても・・・

 

 

アタシは、諦めなかった・・・

 

 

自分以外の人にここまでやったのは初めてだ・・・

 

 

だから・・・

 

 

シンジ・・・早く帰ってこないかなぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピッ、ピピピッ・・・

 

 

「あ、携帯が・・・誰からだろう?」

 

 

通話ボタンを押すと・・・

 

 

「もしもし?」

『シンジか?私だ』

「父さん?」

『ああ』

「どうしたの?僕に電話なんて?」

『問題無い・・・。シンジ、今からネルフに来い』

「え、どうしてだよ?」

『いいか、これは命令だ。来い・・・』

「・・・・・・うん」

 

 

なんだろう・・・?

父さんの用って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、シンちゃん、来た」

「あ、はい」

「それじゃあ、みんな〜!」

 

 

 

 

 

「「「「シンジ君!お誕生日おめでと〜う!!」」」」

 

 

パンパーン!

 

 

鳴り響くクラッカー・・・

目の前には・・・大きなケーキ・・・

 

 

そして、高級レストランを思わせるような・・・

 

 

料理が並べられていた・・・

 

 

「え、あ、あの・・・?」

「な〜に、戸惑ってんのよ!今日は、シンちゃんの日なんだからさ!」

「あ、はい・・・。みなさん、どうもありがとう!!」

 

 

これが・・・誕生日に得られる喜び・・・

なるほど・・・

 

 

僕は・・・少し分かった気がする・・・

 

 

誕生日は、とても良い日だと言う事を・・・

そして、みんなの優しさを知った・・・

 

 

あの、小憎らしい・・・父さんでさえも・・・

 

 

僕のために祝ってくれた・・・

 

 

 

 

 

常夏の島、日本でもかすかに感じられる・・・

春、夏、秋、冬・・・

 

 

僕の誕生日は、夏・・・

 

 

これからは・・・

 

 

秋、冬、春を越して・・・

 

 

夏を来るのを待ち遠しくするかもしれない・・・

 

 

そして、移り変わる季節を持ってよく見つめるかもしれない・・・

たとえ、自分が死ぬ運命・・・寿命に近づいているでさえ・・・

 

 

僕は、・・・誕生日と言う物を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま〜!」

 

 

時間はもう、11時をまわっていた・・・

十分、誕生日と言う物を僕は満喫した・・・

 

 

「おかえり・・・シンジ・・・」

「ただいま・・・どうしたの?今日、ネルフにいなかったけど・・・」

「うん・・・ちょっと、調子が悪かったからね・・・」

 

 

アスカは少し寂しそうに微笑んだ・・・

今日、アスカの姿をネルフでは確認する事が出来なかった・・・

 

 

何処でも、アスカは目立つ存在だったから・・・

すぐ、分かると思ったけど・・・

 

 

「シンジ・・・誕生日・・・おめでとね」

「うん・・・ありがとう」

 

 

少し弱々しいアスカの笑顔・・・

少し、辛くなって・・・

 

 

「あ、ちょっと・・・飲み物とってくるから・・・アスカ・・・何かいる?」

「うぅん・・・」

 

 

 

 

 

僕はそう言うと、冷蔵庫へと行った・・・

 

 

 

 

 

ガチャ・・・

 

 

冷蔵庫を開けてみる・・・

そこには、見慣れない物があった・・・

 

 

「これは・・・」

 

 

チョコレートケーキだった・・・

中心部には、『シンジ、誕生日おめでとう』と書かれていた・・・

 

 

「あ、見つかっちゃったか・・・」

 

 

アスカがポツリと言った・・・

 

 

「アスカ・・・これ」

「うん、アタシが作ったんだ・・・シンジ、もうお腹いっぱいでしょ?別に食べなくていいよ」

「うぅん・・・食べるよ!」

「そう?じゃあ、二人で誕生日会しよっ」

「うん。ありがとう」

 

 

 

 

 

ケーキをダイニングに持っていき・・・

アスカは、ケーキに、蝋燭を立てた・・・

 

 

そして、マッチで一本一本丁寧に蝋燭に火をつけてくれた・・・

そして、電気を切り・・・

 

 

そして・・・

 

 

「Happy Birthday to you… Happy Birthday to you… Happy Birthday dear Shinji… Happy Birthday to you!」

 

 

アスカが、歌い終えると・・・

僕は、それを合図にするかのように・・・

 

 

蝋燭の火を吹いて消した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーキを食べ終えた後・・・

アスカは、小さい声ながら話してくれた・・・

 

 

「今日、初めてシンジの誕生日って知ったんだ。でね、急いで、ケーキだけでもって思って作ったんだ」

「・・・・・・」

「ちょうど、出来上がった時・・・電話があったの・・・碇司令から・・・シンジの誕生日会をするって・・・」

「うん・・・」

「でさ・・・思ったんだ・・・じゃあ、今までやった事はなんだったのって・・・」

「ゴメン」

「うぅん、シンジは悪くない。アタシがカッコつけてシンジに誕生日会しようって言わなかったから」

「・・・・・・」

「驚かそうって思ったからいけなかったんだよ」

「違うよ・・・それ以前に、僕が今日僕の誕生日だって言わなかったからだよ」

「・・・・・・」

「僕は、今まで誕生日なんてしなかったんだ。誰にも祝ってもらえなかったし・・・」

 

 

そう・・・

僕にとって、誕生日は悪い印象の物ばかりだった・・・

 

 

「だから、誕生日なんて、寿命に刻一刻と近まる嫌な日としか思ってなかった」

「そんな・・・」

「そして、今日・・・知ったんだ。誕生日は、とっても・・・心があったまる日だって」

「・・・・・・」

「だからさ・・・アスカ」

「うん?」

「これからは、僕の誕生日・・・一緒に祝ってくれないかな?」

 

 

そう・・・

 

 

ずっと、そうしていけたらいいな・・・

 

 

「いいわよ!盛大に祝ってあげるわ!」

「ありがとう・・・」

 

 

僕にとって、誕生日とは・・・

 

 

昔は、とても嫌な印象しかなかったけど・・・

今は、とても大切な日だ・・・

 

 

僕だけにしかない・・・

 

 

僕だけの特別な日・・・

 

 

それが、66日・・・

 

 

僕の誕生日なのだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらっシンジ!誕生日プレゼントあげるわ!」

「え、何?」

 

 

チュッ・・・

 

 

かすかに、僕の唇に温かい物が触れる・・・

一瞬、何が起きたか分からなかった・・・

 

 

あぁ・・・そうか・・・

 

 

僕は・・・―――

 

 

「アスカ・・・」

「どう?嬉しいでしょ?」

「はは・・・うん、嬉しいよ」

 

 

Fin

 

 

後書き

 

 

久しぶりの短編でございます。

なんとか、シンジの誕生日までに間に合わせれました・・・

はぁ、辛かった・・・

 

 

短編はホント久しぶりだから・・・

 

 

なんか、うまくまとまらなかったかも・・・

 

 

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KEN