シンジ・アスカの事情

第4話

BY KEN

ここは暗闇・・・

そう、上も下もない世界・・・

僕が今、いる世界・・・

 

 

夢だってことは分かっている・・・

でも、抜け出せない・・・

暗闇の最下層・・・

 

 

そこには、いつももう一人の僕がいた・・・

 

 

「クスクス・・・」

 

 

もう一人の僕は静かに笑い続けている・・・

そう、こわれた人形のように・・・

そして・・・最後にこういう・・・

 

 

「みんな・・・消えちゃえ・・・僕をいじめる奴は全員消えちゃえ!」

 

 

ハッ!

もう一人の僕は僕の目の前に一瞬で移動し、僕の首を締め上げる・・・

そして・・・

 

 

「みんな、死んじゃえ、死んじゃえ・・・まずは・・・お前からだ!」

 

 

 

 

 

「ううん・・・」

僕はいつもそこで目を覚ます・・・

そして、いつも最悪な朝が訪れる・・・

「また・・・あの夢か・・・ここのところ毎日だな・・・」

 

 

僕は、学校へ行く支度をし、キッチンへと下りていった・・・

「おはよう」

ここには、僕を迎え入れてくれる、暖かい人がいる・・・

僕は別に義務感で挨拶してくれるだけでもよかった・・・

それでも、僕を相手にしてくれると思えるから・・・

だけど・・・この人たちは僕を・・・多分、心から大事にしてくれるはず・・・

 

 

「おはよう・・・シンジ」

父さんが僕に挨拶を返す・・・

「おはよう、シンちゃん。朝ご飯できましたよ」

母さんも僕に挨拶を返す・・・

ここは・・・僕の居ていい場所・・・

心地の良い場所だ・・・

 

 

「ごちそうさま」

僕は朝食を終え、学校に向かった・・・

そして、通学中・・・思いがけない人から挨拶をされた・・・

 

 

「おはよ〜、碇〜」

惣流さんだった・・・

彼女が僕に挨拶をするなんて珍しい・・・

そして、不思議だった・・・

今まで、僕を嫌っていたはずなのに・・・

「あ、おはよう・・・惣流さん(ニコ)」

僕は慌てて作った、笑顔を惣流さんに向ける・・・

この笑顔は所詮・・・心からのものでない・・・

僕は、最近・・・心からの笑顔を見せていない・・・

「うん、よろしい。ほら!遅れるわよ、早く行かないと!」

「そうだね・・・じゃあ、行こうか」

惣流さんは時計を見、間に合わないと察知したようだ・・・

なので、少しペースを上げる事にした・・・

隣には惣流さんがいた・・・

とても、緊張した・・・

何故?女の子ならいつも話しているのに・・・

 

 

僕は少し、緊張になりつつも学校に登校した・・・

「んじゃ、後で」

惣流さんは靴を上履きに変え、職員室のほうへ向かって行った・・・

多分、今日の予定を聞きに行ったのだろう・・・

彼女は委員長をしているから・・・

 

 

僕は靴を上履きに履き替え、教室に向かった・・・

 

 

「おはよう」

僕はすれ違う生徒のみんなに挨拶をする・・・

少しでも構ってもらいたいから・・・

「おはよう〜、碇くん」

僕に挨拶を返してくれる人がいた・・・

それが、心地いい・・・

 

 

教室・・・

「起立!礼!着席!」

惣流さんが号令を掛ける・・・

いつもの一日の始まり・・・

それは、退屈なものだ・・・

 

 

 

 

 

放課後・・・

今日もつまらない一日・・・

代わり映えしない一日だったな・・・

だけど、難しいな・・・明るい僕を演技するのって・・・

 

 

「ねぇ、碇〜、一緒に帰らない?」

誰かが僕を呼んだ・・・

振り替えると惣流さんがいた・・・

「え?いいよ。でも、どうしたの?」

「え、別に〜。ただ帰りたかっただけよ」

「ふ〜ん、まぁいいや、じゃあ一緒に帰ろうか」

「うん」

 

 

僕たちは一緒に帰る事になった・・・

僕はそれが嬉しかった・・・

でも、惣流さんが僕を構ってくれる理由を知っている・・・

おそらく、父さんたちが頼んだのだろう・・・

だから、彼女は義務感でやっているのだろう・・・

でも、嬉しいことは確かだ・・・

 

 

「ねぇ、碇・・・なんか悩みごとがあるんならアタシにいいなよ。力になれることはするから・・・」

惣流さんは不意にそう言う・・・

珍しいことだ・・・

僕はそんなこと言われるとは、思わなかった・・・

「え?別にないけど・・・」

あるけれど、僕は隠す・・・

そう、これは僕の問題・・・

一生の問題・・・

 

 

「そう・・・なら、いいわ。だけど、なにかあったら言ってね」

「うん。そうするよ」

「よろしい〜。まぁ、悩み事聞いてあげる仲になるんだからアタシのことアスカって呼んでね♪」

「え?でも・・・」

「いいから、いいから。ほら、呼んでみ」

「えっと・・・アスカ・・・さん」

「さんはいらないわ!」

「アスカ・・・」

「な〜に?」

彼女は眩しい笑顔で僕に聞く・・・

きっと、彼女の本当の笑顔なのだろう・・・

だって、僕が考えるには『作って』いない、笑顔だから・・・

それに、夕日の光で輝く彼女の笑顔が素敵だった・・・

 

 

「いや・・・ただ呼んでみただけだよ」

「な〜んだ、結構動じないんだ・・・シンジって」

アスカは少し残念そうな顔をしている・・・

「シンジ?」

僕は彼女が僕を呼び捨てにしたことを疑問に思った・・・

「そうよ、アンタ、アタシを呼び捨てしてるんだから、アタシも呼び捨てにするの!」

成る程・・・彼女ならそう思うだろうな・・・

「そう、別に構わないよ」

「そう、それより学校でも呼び捨てにするのよ」

「え?え〜」

僕は少し同様した

だって、二人だけならまだしも、いきなり学校でなんて・・・

「ダメよ!これは、決定事項なの!」

アスカは胸を張って言う

「分かったよ・・・アスカ」

僕は観念しながらそう言った

「よろしい!・・・そろそろ、アンタん家ね・・・バイバイ!」

「うん、また、明日」

 

 

僕は交差点で分かれた・・・

そして、僕はなにか暖かい物が胸に宿った思った・・・

でも、僕は信じていいのかな・・・彼女を・・・

信じてみよう・・・初めて人を心から信じよう・・・

 

 

その夜・・・僕は『あの夢』を見なかった・・・

続く・・・

後書き・・・

うるる〜ん(涙)

ついに、名前で呼ばせる事ができた・・・

アスカ嬢、これは大きな前進ですよ!

もうすぐでLASです

 

 

だけど、次回はアスカサイドの今回のお話なので、大した変化はございません・・・

ですが、何故、アスカ嬢がシンジを気にかけ始めたかが分かります。

ではでは〜

KENより