
シンジ・アスカの事情 再会、そして・・・ 第2話 BY KEN
「そうよ・・・アナタの母親・・・・・・。あぁ、ずっと会いたかった・・・」 ユイはそう言いながら少しずつシンジとアスカに近寄っていく・・・ 「違う!」 そして・・・ユイがシンジに触れるか触れないかの瀬戸際でシンジが叫んだ シンジは嫌だった・・・こんなふうに馴れ馴れしく寄ってくるユイが・・・ 自分をどん底の深い闇に落としたユイを・・・ そう・・・シンジは気づいていた・・・母親が・・・ 母親だけが、自分に暴力をふるっていたことを・・・・・・ 「お前は僕の母親でもない!ただの血の繋がった他人だ!」 今となってはシンジの心の傷は修復不可能・・・ 彼は・・・もう、ユイの存在を封印してきた・・・ 「何を言っているの?私はアナタと・・・血の繋がった家族じゃない?」 ユイはそう言いながら、やさしく微笑んだ・・・ 「僕は・・・僕は・・・知っているんだ・・・」 「何を?」 またもや・・・ユイは優しく微笑みながら言う・・・ おそらく・・・彼女は気づいていないようだ・・・ 彼が・・・シンジが・・・自分から虐待をうけていたことを・・・ もう、当の昔に過去の記憶として封印していると思った・・・ 「僕は・・・昔、アナタから暴力を受けていることを知っています・・・」 シンジは言い切った・・・ その言葉を聞いたユイは・・・ふっと、シンジたちから視線を外した・・・ 「そ、それは・・・悪いと思っているわ・・・。ごめんなさい・・・」 「うるさい!・・・さっさと僕の傍から消えてよ! 僕をもう苦しめないでよ!」 シンジの目から涙がツウっと流れた・・・ 「!!」 ユイは悲しそうな顔をしながらこの場を立ち去った・・・ シンジとアスカは少し落ち着き、近くにあったベンチに座った・・・ 「いいの?・・・シンジ・・・」 隣にいたアスカが声をかける・・・ だが、シンジからの返答はなく、シンジはアスカの方に倒れてきた・・・ 「ごめん・・・少しこのままでいさせて・・・」 シンジの顔はアスカの胸に埋まった・・・ ポン・・・ アスカの手がシンジの頭に乗る・・・ 「いいよ・・・嫌なこと泣いて忘れちゃいなさい・・・」 アスカはそう言いながら、シンジの頭を撫でる・・・ そして・・・シンジはたまっていた涙を流した・・・ 「うん・・・ありがとう・・・」 少し、時間経ち・・・ 「ありがと・・・アスカ」 シンジはアスカの胸から離れ、アスカにお礼を言った・・・ どうやら、すっきりしたようだ・・・ 「いいわよ・・・。でも、どうしたの?急に・・・」 そう、さっきまでのシンジはいつものシンジではなかった・・・ 「さっきの人は・・・僕の母親なんだ・・・本当の・・・」 シンジはまた苦しさを耐えるような表情になりながら言った・・・ 「僕は・・・あの人に虐待を受けていたんだ・・・」 アスカは表情が少し驚きのものに変わった・・・ あんな優しそうな人なのにと・・・ 「理由は父さんが家にいなかったから・・・らしいんだ・・・ それが、ノイローゼの原因となって・・・そして、僕に・・・・・・ そして・・・父さんは、僕を孤児院と連れて行ったんだ・・・ もう、これ以上、危害がくらわないように・・・・・・・・・ やっと、忘れかけていたのに・・・なんで今になって出てきたりしたんだ?」 シンジは頭を抱えながら言う・・・ 「シンジ・・・・・・今度・・・その人たちに会いに行こう・・・」 アスカはシンジに語り掛けるように言う・・・ 「え・・・?・・・な、なんで?」 「逃げてばかりじゃ駄目!今度はこっちから行く番よ!そして、 自分の気持ちを、いうのよ!」 「で、でも・・・僕にはそんな勇気が出ないんだ・・・」 「大丈夫!アタシが一緒にいてあげるから!」 アスカは微笑みながらシンジに言う・・・ 「だから・・・自分の言いたいこと・・・言いなさいよ・・・」 「・・・うん・・・。ありがとう・・・アスカ・・・」 「いいわよ!アタシはアンタの恋人なんだから!」 「でも・・・その人たちって何処にいるのかしら?」 アスカが最も思っていた疑問を呟いた・・・ 「それは・・・多分、父さんたちが知っていると思う・・・」 「コウゾウおじさまが?」 「うん・・・多分ね・・・。昔、同じ仕事仲間だって言ったから・・・」 「そう・・・分かったわ・・・。じゃあ、いつ、行くか決めましょう・・・」 「来週の・・・土曜かな?・・・休みだし・・・」 「そうね・・・」 二人はお互いの帰る場所へと帰り、計画の準備をはじめた・・・ シンジはまず、コウゾウにゲンドウたちの家の住所を聞く・・・ コンコン・・・ シンジはコウゾウの部屋のドアをノックする・・・ 「入れ・・・」 部屋の奥から声が聞こえた・・・ シンジはドアを開け、コウゾウと向かい合った・・・ 「父さん・・・」 「何だ?」 「今度の土曜・・・碇・ゲンドウの家に行こうと・・・思うんだ・・・」 「・・・そうか・・・」 「だから・・・場所を教えてくれないかな・・・」 シンジはコウゾウに恐る恐る聞いてみる・・・ 自分の今の行為が・・・コウゾウたちを裏切るかもしれないと感じながら・・・ 「・・・いつかこういう日が来るかもしれんと思っていた・・・・・・」 コウゾウは苦々しく言葉を呟いた・・・ 「分かった・・・お前の好きにしろ・・・。だがな・・・シンジ・・・」 「はい」 「辛かったら帰ってきてもいいぞ・・・。途中で・・・」 「はい・・・ありがとう・・・父さん・・・」 この会話で今日の親子の会話が終わった・・・ 明日になったらお互いどんな顔で向かい合おうととまどりながら・・・ 「シンジ・・・アタシはいつも傍にいるから・・・」 アスカは眠りに入る前に一人、こう呟いた・・・ 彼女はこれから、シンジを支えて行こうと思った・・・ 彼は傷つきやすいのだから・・・ それぞれの思いが交差したなかで、今日の日が終わった・・・続く・・・ 後書き なんか・・・暗い・・・ 大丈夫かな? まぁ、これは家族愛回復・・・物語のようなものだし・・・ それに、一応、少しはLASを用意しないといけないしな・・・