輝きを胸に秘め 第二話:予兆 by.夢幻の戦士
僕は足早に彼の元に向かった。 こんな気持ちは何年ぶりだろう・・・ 彼、渚カヲルは、僕の親友であり、そして最高の理解者だった。 やがて見えてきた小さな修道院を改築した建物が見えてきた。彼の診療所が。 思い切って扉を開ける。 「まだ診療時間じゃありません。あと一・・・・・!」 日の光の中、彼の時間は一瞬止まった。 「久しぶり。カヲル・・・」 「シンジ?・・・シンジじゃないか!」 抱き合って喜び合う僕たちの時間は、あの思い出の中に戻っていた。 「一体どうしたんだい!連絡も無しに・・・もしかして、クビ?」 「いいや、君の元気な姿を見たくなってね」 「何だ、残念。君ほどの腕が有れば、引き手数多だろうに」 そう言いつつ、全く休もうとしないカヲル。 彼は、今の現代医療に憤りを感じ、医療の原点に戻ろうとこの島・西南島にやって来 た。 人口、約600人。決して大きくない島だ。 「そう言えば、結婚式が有るんだってね」 「相変わらず地獄耳だね。島の者同士の結婚なんだが、これが盛大でね。 何でも、花嫁が島の有力者の一人娘だって言うからね」 「花婿は?」 「本土の学校で同じ専攻を取っていた同級生らしい」 彼は至極嬉しそうな顔をした。 つられて僕も微笑む。 「せんせーぇ、荷物が届きました〜」 ふと見ると、赤い髪の女性が大きな荷物を床に置いていた。 日本人ではないらしい。 「お疲れさま、お茶にしようか」 「ヤリー♪ あ、先生、此方の男性は?」 「彼は僕の友人の」 「碇 シンジと申します」 「紹介するよ。彼女は僕の助手 兼 教え子の」 「惣流 アスカ=ラングレーです! よろしく」 「立ち話はなんだから、こっちでお茶でも飲もう」 いつもながら、彼の入れるお茶は美味しい。 何か秘訣があるのだろうけど、彼はそれを教えてくれない。 そんな時に、船で出会ったあの女性がやって来た。 「あ、貴女は」 「また会ったわね」 「知り合いかい?」 「ええ。船で一緒になった」 「星野 雲母(きらら)です。初めまして」 「折角ですから、どうですか?」 カヲルがお茶を勧める。 雲母は軽く笑って、同席した。 それからは小さなティー・パーティーが開かれていた。 会話も弾み、楽しいものだった。 同時刻・京都山中 「こりゃヒドイでぇ〜、ほんまに」 山の中腹に、かなりの数の警察官がやって来ていた。 一昨日、近所の山寺の住職が地中から顔を出していた白骨死体を発見したからだ。 その死体は五体をバラバラにされていて、死後2〜3年は経過していた。 「手掛かりは無いんか!?」 「鈴原警部補!」 呼ばれた男の名は、鈴原トウジ。28歳。 この男が、この白骨事件の責任者なのであった。 「どないしたん?」 「これ見て下さいよ。これ仏さんの所持品なんですが、こんな手の込んだ品なんて、 普通じゃ手に入りませんよ」 「んな事は見りゃ解るんじゃ、仏さんの身元は!?」 「観光協会に聞いたところ、この手芸品を製作・販売しているのは、日本でただ一箇所だそうです」 「さよか・・・で、場所は?」 「九州の西南島です」 ---------------------------------------------------------------------------- ---- 今回は、メインになるキャラ達の紹介と事件の予兆という形でしたが、 如何でしたでしょうか? 次回から、本格スタートになります(ハート) 基本的に、私のはハッピーエンドなので安心して見て下さい。 いよいよ次回は最初の事件、そしてシンジの医者としての腕が試されます。 全開で書き上げますので、お楽しみに☆
KENの感想 いや〜、まったく先の読めない展開・・・ 私には、シンジくんたちがヤバイ事件に巻き込まれそうで、心配です。 やっぱり、彼らは辛い想いをしないといけないのか!? 夢幻の戦士さんもこれから頑張ってください! 夢幻の戦士さんへの感想はこちら