
漆黒の闇…。 果てしなく広がる空。 その空を綺麗に彩る光り輝く儚い星々。 辺りは静寂と波の音が支配し人の心に安らぎ 或いは悲しみをもたらすだろう…。 浜辺には二人の子供が寝そべっていた。 少年は心から人々の存在を願った。 しかし少年の側に存在したのは栗色の髪の少女だけだった…。 少年は恐怖と悲しみ…様々な悲しい感情が心を染めていく。 …そして少年は… 人々はこの星に二人の少年少女を残したまま 遠い世界へと旅立ったのだろうか? この物語は二人が辿る辛さと安らぎを記されてるだろう…
THE END OF EVANGELION 絶望から始まるこの世界。 そんな終わりの世界で見つけた 想い 第一話 ―ケンカそして、お別れ―
ザァァァ…ザァァァ…。 静に波は行ったり来たり…。 辺りは波の音と風の音以外…静寂に包まれている。 綺麗な星空…。それは儚く輝いている…。 時折空は流れ星を撒き散らせ天空に一筋、二筋もの光を残していく。 海はまるで鮮血を思わせる様な真っ赤な色に変色していた。 最後の戦いも終わり、この星に存在していた人々は二人の子供を残し LCLへと還っていった…。 そしてこの世界に残った二人の子供は 悲しみと静寂を漂わせた白い浜辺に並んで寝そべっていた。 もう…終わったんだ。 何もかも。 僕は願ったんだ…他人の存在を…。 なのにどうして?気配がしない…誰も…居ない。 どうして僕の側には君しか居ないの? 君とふたりぼっちだなんて 僕はまた君に拒絶されるの? そんなのイヤだ…。 また拒絶されるくらいなら 僕は君を… 少年はその身体をユックリと起き上がらせそのまま側に居る 少女のお腹にまたぐのだった…。 終わったのね? 最後の戦いも…。 どうして生きているの私…? でも生きているのなら私は生きていこうと思う。 私はまだ死にたくない、一人はイヤ。 ママ…私、どうしたらいいの? ………誰か居る… 誰よ?私の側に居るのは…? 少女はその誰かを誰なのかを悟った。 そうシンジ…この世の生き残りの一人碇シンジだった。 少年にお腹をまたがれた少女は思う…。 …やつれた顔、ううん…悲しい顔。 無表情……あんたもう昔のあんたじゃないのね。 どうして私にまたがるの? …またあんたは私を…汚すの? イヤ…怖い……。 少女の考えに反して動く両手。 シンジは少女の白く細い首を両手でつかみ出した…。 「…ぅ………」 少女の表情が瞬く間に苦しみの表情に変わってく。 どうしてこんなことするのよ? あんた…私を殺すの? 一度二度じゃなく三度まで? 苦しいよ…。 死にたくない……。 僕はどうしてこんなことをするんだ? ……僕は……こんなことをする為に此処に戻ってきたんじゃないはず。 シンジの心にあの頃、この栗色の髪の少女との出会いがに映し出された。 そう、まるで映画館のスクリーンで見るような感覚で…。 …この子は惣流・アスカ・ラングレー…僕の友達…いやそれ以上…そう、家族だ。 初めて僕らが出会った場所は真っ青な綺麗に広がる青い海の上だった。 アスカはまるで太陽が輝くような黄色いワンピースを着ていたっけ? 僕は何時しか自分が持っていない物を持っているアスカに憧れたんだ…。 何時も口より先に手が出て…よく僕はビンタされてた。 アスカは強かった。でもそんな強さも僕が壊したんだ…。 僕は彼女の居場所を奪い…そしてアスカが使徒に心を犯されているとき…何もしなかった。 それ以来…僕らはお互いの顔を見ることも無く……離れ離れになっていったんだ。 それで僕は人を…カヲル君を殺し……… 精神崩壊を起こしたアスカにやってはいけないことをしたんだ…。 そうだ…僕はアスカに言わなければいけないことがあるんだっ…! 僕…僕はアスカに謝らなければいけないっ! たとえ許してもらえなくても僕は言いたいんだっ!アスカにっ!! シンジは眼を閉じ…アスカの首から両手を離そうとした…が しかしその手は首から離れる所か、よりいっそう力を増していった。 ダメだっ!手…手が離れないっ!! どうしてだよっ!僕はアスカを殺したくて戻ってきたんじゃないっ! そんなっ、誰か僕の手をアスカの首から離してよっ! ねぇミサトさんっトウジっケンスケっリツコさんっ加持さんっ…父さん………助けてよ。 アスカを助けてよ…母さん…。 アスカはシンジの例えようも無い悲痛な表情を見つめながら思っていた。 どうしてあんた今にも泣きそうな顔をしているのよ? それにこの手から注がれる気持ちは何? …こいつ…悲しいの?…それとも怖いの? あんたはどうして私を…あの時汚したのよ? 私はあんたを許さない…………! でも、今のあんたは…………可哀想……。 何でか解からないけど……。 そしてアスカは包帯だらけの右腕をぎこちなく、そしてユックリとシンジの頬に 右手を持っていった…。その右手の平は優しくシンジの頬を撫でていく。 シンジはアスカの母親の様な優しい手の平に頬を撫でられ、何時しか自分に掛かっていた 金縛りの様なものが消え去った。 そしてアスカの頬と口元に暖かなシンジの涙の雫が零れていった。 「グスッ…ぅぐ……ぅぅ…ぁ…」 辺りはシンジのすすり泣く声が静に闇の中に消え去っていくのだった。 「…きもちわるい…」 そう、あんたは気持ちの悪い変態よ。……でも、今は疲れるまで泣いてもいいよ。 ……今だけなんだからねっ!…私があんたにしてやれる最初で最後の優しさは…。 だから今は全てを忘れて思い切り…気がすむまで泣いてもいいよ…。 …でもね…あんた、この後のことを忘れないで…覚悟しときなさいよ……! 私はあんたを絶対許さない……!! シンジは力無くアスカの胸に顔を埋めすすり泣く…。 海はシンジをあざ笑うかのように波立たせ、風は二人を優しく包み込んでいく。 星は悲しそうに二人を見下ろし、まるで涙の雫の様に輝いていた。 しかしそんな波よりも…風よりも…星達よりもっと二人を見守るものが存在していた。 葛城ミサト…彼女の十字架の首飾りは二人を慰めるように暖かく見守っていた。 もし、今此処にその人が居たのなら真っ先に最後の戦いで心と身体に傷を負った 二人を抱きしめていただろう…。 「アスカぁ…グスッ…本当にごめんね。…僕はアスカに最低なことをしてしまった。 僕は君を汚した罪…世界中の人々を殺した罪から許されるのかな?…はは、許される わけないか?…僕は償いきれない罪を死ぬまで背負うよ…………」 「…何も言わないで……今は何も…。…今は思う存分泣きなさいよ…」 シンジはもう何を聞かれるか解かっているだろう…。 しかしシンジは答えられないかもしれない… あの渚カヲルを殺してからのシンジは普通ではなかった…。 恐らく精神に異常をきたしていたのだろう…。 「ひっく…もう…いいよ。このままだとアスカ、苦しいだろ?ごめんね。首閉めて。 どうかしてた。………さぁ、聞いてよ聞きたいこと一杯あるはずだ、今のアスカは」 シンジは立ち上がる。アスカもシンジが立ち上がったので まだ戦いでの激しい苦痛をその身に染み込ませながらも身体を起こし体育座りをする。 立ち上がったシンジは真っ赤な海を眺めながらアスカからの質問を待った。 体育座りをしたアスカは眼を閉じて何かを思いつめる…。 「あんたはどうして…その……わ、私を汚したの?」 「……やっぱり知っているんだね……」 「あんたと心が繋がったから…断片的だけど色んな事を知ってるのよ」 そう、アスカの心の中にはシンジの心が存在していた。 「………今から…話す事、これは言い訳にしか聞こえないけど…アスカ、聞いてくれる?」 「……ええ」 「……僕、使徒に心を犯されたアスカに…何もしてあげられなかった。僕はあの時アスカに 酷いこと…言ってしまったんだっけ…よかったね…って、無神経だった。つくづくそう思 うよ…。………色んな事があった……アスカの居場所も解らなかった。あの時僕はアスカが 何処に居るのかも解からなかったけど、ずっとアスカに会いたかった。…その訳も解からず…」 アスカは疲れきった表情で右隣に居るシンジを横目で一瞬見つめた。 「…私もそれは知ってる。…でもそこから僅かな時間の記憶が途切れてるの…あんたのね」 「…そうなんだ。……それから僕はただ真っ赤な太陽を見ていた。…そしたら近くから歌が 聞こえてきたんだ……歌を歌った人は渚カヲル…」 「誰よ…そいつは?」 「アスカが居ない時にフィフスチルドレンとして何処かからかやって来たんだ。僕の親友だった」 だった。アスカはシンジの最後の言葉を気にしながらも質問した。 「そいつとあんたで最後の使徒を倒したの?」 「違うよ…。最後の使徒は僕がひとりで倒した…」 「ふんっ!……またあんた一人で倒したんだ?そりゃ嬉しかったでしょうねぇ!!」 シンジはアスカの皮肉を込めた言葉に身体中が暑くなっていくのが解かった。 それと同時に自分の身尻から涙が零れそうになる…。 しかしシンジはアスカの言葉に何も言い返さずにさらにあの時を話し出した。 「カヲル君は僕を好きと言ってくれた。…家に帰るのもイヤでカヲル君ちに一晩過ごしたこ ともあった。……夜…カヲル君は僕にこんなことを言ってくれたんだぁ。"僕は君に逢うた めに生まれて来たのかもしれない" 凄く嬉しかった…。こんな最低な奴が人から好かれる なんて…思ってもみなかった…。それだけに僕はカヲル君に安らぎを感じていた」 横目でシンジをチラチラ見つめていたアスカは突然シンジの顔が強張ったので多少驚く…。 「そして……その日が来たんだ」 シンジは静に…だが力強く呟くと拳を握り締めた。 あの時の出来事がまるで再現されるかのようにシンジの心に映し出される…。 「………」 「その日は何も…何時もと何ら変わらない日常だった。……でも、突然呼び出しを食らっ て……使徒が本部に出現してたんだ。…しかも…弐号機を操って……」 「弐、ま、ママを?!…使徒がどうやって?」 そんな事はシンジにも解からない。 「…うん、使徒は弐号機に守られるようにターミナルドグマへと降下していったよ…」 アスカも存在しない部分の記憶を、シンジの心を引き出そうとするが 無理に引き出そうとすると頭が痛くなる。 アスカはそんな痛みを無くすためにシンジの話しに集中するのだった。 「僕は信じられなかった。…ミサトさんが僕に言うんだ…」 途中で言葉を途切らせたシンジをアスカはこう結論つけた。 「まさか…フィフス…そいつが使徒だったの?だから弐号機…ママを動かせたのね?」 「……カヲル君はエントリープラグに入らずエヴァを動かしていたよ…」 「…そんな………それからどうしたのよ?」 「戦った。……僕はあの時…アスカに悪いと思いつつも弐号機を攻撃したよ。…長かった …でも、戦いもターミナルドグマ…リリスの前で決着がついたよ………カヲル君が言って いた。…"君は死すべき存在ではない"…って………そして最後に”僕を殺してくれ"って。 ……僕は憎かった……カヲル君は僕を裏切ったんだ……」 シンジは最後の言葉と同時に顔を俯かせる。 そんな俯いたシンジの表情をより見えるようになったアスカは… 「…で、結局あんたがそいつを殺したんだ?」 アスカの問いかけを無視してシンジは呟きだした。 「……僕はカヲル君が憎かったから殺したんじゃない……それだけは信じて。……それか らなんだ僕が…僕で無くなったのは…。……僕は後悔した、全てに…そしてその後した事 に。……僕はカヲル君と出会った新しい芦ノ湖で泣いていた……でも、僕はアスカに会い たくて、助けてほしくて、ミサトさんに聞かされたアスカの……気が付いたらアスカの病 室に来ていたんだ」 アスカはシンジの助けてほしくて…と、言う言葉に怒りが込み上げてきた。 膝の中に顔を埋めて身体全体を震わせ、そしてすぐに顔をシンジに向けるのだった。 「それで…私があんたを助けられなかったからあんたは…私を汚したのね?!」 シンジはハッとなって砂浜に座っているアスカに顔を向ける。 顔を向けるとアスカはやつれた表情をしていたが、 その眼の奥底に凄まじい憎しみがこもっていた。 「ちが」「あははっ!無敵のシンジ様も本当にやってくれたわね?!……意識が無い私を オカズにして自分の欲望のままに!そしてあんたは私がエヴァシリーズに食われてる時、 何もしなかった!……最低よ……!…自分が傷ついて無気力になって…殺されるのを待っ ていた。…私が苦しんでいるのを知っていて………!」 …私もその前は自分の心の中に閉じこもっていた。…人の事は言えない。でもっ!こいつ はそんな私に最低なことをした!だからいいのよ!好き勝手言ってもっ!! 「ふふ、それにね。人一人殺したくらいで喚かないでほしいわ!あんたが人を殺したよう に私も戦自を虫けらの様に殺していったわよ!」 アスカは無理をして笑いながら言葉を吐き出した。アスカも辛いのだ。 「あ、そうだった。あんたは更に何億という人々を殺した…自分を好きだと言ってくれた 人と、そして関係の無い…罪の無い人を、世界中の人をあんたは自分の思い通りに殺した …。これが本当の大虐殺ってもんだわぁ!!」 何よこいつ?ちょっと私にこんなことを 言われたくらいで泣くの?本当に弱虫ね……。 しかし、シンジがこの後呟いた言葉は更にアスカの 心に憎しみと怒りを植えつけるのだった。 「アスカっ…僕の事は何とでも言ってくれてもいい…だけどっ!アスカ…アスカは自分が 戦自を殺していったって言うけどね…アスカは守りたいものが、信じるものを守る為に戦 ったんじゃないの?!……だから自分を傷つけるのやめてよっ…!」 「はぁんっ!!何が守るものよ!私には守るものがあったかもしれない!けど使徒に心を 汚され!あんたには身体を汚され!!…最後にエヴァシリーズには私の全てを食われっ! ……私はあんたの所為で全てを無くしたのよぉぉ!!」 「でもっ!アスカは最後の最後までエヴァをアスカのママを守っていたじゃないかっ!」 「はぁ?!!そうよ!私はママを守ろうとして…でも!そんなの死んでしまったら意味無 いわよっ!!」 アスカの脳裏にATフィールドが貫かれた瞬間を覚えさせた。 そしてアスカは左目の疼きに一瞬戸惑いを感じたがそんな疼きも怒鳴り声でかき消した。 「ぐすっ…ひぐっ…あんたが…あんたがあの時……来てたら……ママも私もぉ…ぅぅぅ… ぅぇっ………ううう…うわぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!何処か行ってよっ!!ひっ く…もうあんたの顔なんて見たくないっ!!早く消えてよぉっ!この強姦魔っ!!!」 シンジはアスカの泣き叫ぶ声に恐怖しながらも少しの言葉を呟いた。 「…ごめん。…もう、アスカには会わない……そうだよね?こんな変態と居たくないよね。 でも………僕は出来る限りアスカの力になりたいんだ」 そんなシンジの言葉にアスカは立ち上がれない身体を無理やり勢いを付けて立ち上がりシ ンジに飛び掛った。 「あんたぁぁ!!学習能力無いわねぇぇ!!……言ったでしょ!私の力になりたいなら! もう、近寄らないで!」 アスカはシンジに言葉を吐きつけながら、怪我をしている手で思い切りシンジの頬を殴り つけた。 ガツッ!! 「うがっ!」 アスカはシンジを殴りつけた勢いで、シンジはアスカに殴られた勢いで砂浜に倒れてしま った…。アスカは泣き顔を見られないよう砂浜に顔を隠す。 「わぁぁぁ〜〜〜〜〜!!は、早く…ひっく…私の目の前からぁ!消えて!!!」 「ぐす………解かった…よ。……僕はぁ…消えるよ……」 シンジは口から出てきた血を手の甲で拭いながら呟いた。 そして起き上がりアスカが伏せている姿をその目に焼き付けてゆっくり歩き出した。 涙が出てきそうだ…しかしシンジはそれを一心にこらえようとする。 アスカは密かに歩き去っていくシンジを見つめていた。 「ぅうぅ…ひっく…私もあいつに酷いこと言ってしまった。……あいつもやりたくてやっ たんじゃい…。私にもあいつの心があるのよ?……あいつは泣いていた。…ずっと。私に したことで」 波はザァァザァァ鳴り響き、シンジが歩き去る音を掻き消していた。 アスカには何も聞こえず。シンジにはアスカの泣き声が何時までもその耳に木霊していた。 そんな中二人は思う……。 心から謝りたい…と。 「もう……会えないの?あいつと……」 つづく 心の傷を負った二人は当ても無くただ その場にとどまる事しか出来なかった。 そんな中、最後の戦いでの出来事を思い出す シンジとアスカ……。 二人は孤独の世界で何を導き出すのだろうか? 次回 ―心の中で―
KENとEVAキャラの座談会!! KEN:うんうん・・・私には書けないな・・・。でも味わいがある・・・ レイ :そして、次回は私が・・・碇くんを・・・。くすくす・・・くすくす KEN:え?・・・多分違うと思う・・・ レイ :KENさん、私は知っているのよ・・・。あなたがLRSを書いていることを KEN:うっ!!で、でもここにはないだろ? レイ :そうね・・・。でも、直にLRSで溜まるわ・・・。このサイトが・・・ KEN:・・・・・・(汗汗)・・・・・・(どうしよう・・・アスカ嬢に怒られる) 素晴らしい作品を投稿してくれたNOBさんへの感想はこちらから!!