
漆黒の闇…。 果てしなく広がる空。 その空を綺麗に彩る光り輝く儚い星々。 辺りは静寂と波の音が支配し人の心に安らぎ 或いは悲しみをもたらすだろう…。 浜辺には二人の子供が寝そべっていた。 少年は心から人々の存在を願った。 しかし少年の側に存在したのは栗色の髪の少女だけだった…。 少年は恐怖と悲しみ…様々な悲しい感情が心を染めていく。 …そして少年は… 人々はこの星に二人の少年少女を残したまま 遠い世界へと旅立ったのだろうか? この物語は二人が辿る辛さと安らぎを記されてるだろう…
THE END OF EVANGELION 絶望から始まるこの世界。 そんな終わりの世界で見つけた 想い 第2話+前編 ―心の中で― ASUKA
雲の間を縫って朝焼けはその輝かしい光をアスカの足元を照らす。 しかしアスカはそんな太陽の動きにも気が付かず、木陰に背を預け泣きつかれた 身体を癒している…もっとも最後の戦いでの疲れにさらに疲労を蓄積しアスカは知らず知らずの うちに眠ってしまったのだろう。 量産機からの鮮血はもうその勢いを止め、一滴の血液も流していない。 「……ァ〜〜…お…」 何処からとも無くアスカの耳に声が聞こえてきた。 その声は優しくでも少し呆れきった声だった。 「…アスカァ〜…朝だよ。早く起きないと学校に遅れるよ〜」 襖越しに聞こえてくるシンジの声…それはアスカの心に染み渡っていく。 今日もアスカは思う「シンジだけね。…私と普通に接してくれるのって」と。 「ぅう〜〜〜ん……昨日は遅くまでゲームしていたから……眠いよぉ〜」 眠たい目をゴシゴシし、薄っすらと目を開け…アスカは自分の部屋を見つめる。 そしてまた目を閉じて暖かい布団の中へと身を包める。 「もぉ、後五分だけだよ」 「ぇ〜〜え…わぁってるわよ。…あ、シンジっ、お風呂沸かしといてっ」 …シンジからの返事はアスカの耳には届かなかった。 アスカは訝しげに思いベッドから起き上がり、 座ったままもう一度シンジに呼びかける。 「ねぇ、シンジィ…私の言ったこと、聞こえなかったの?」 …静寂…部屋は不気味なくらい静寂に包まれ、アスカを言いようの無い 恐怖と不安に駆り立たせた。 「ちょっとシンジっ……聞いているの…?」 と、ベッドから床へ…アスカは少しフラッとする感覚に戸惑うことも無く 襖へと近づいていった。 しかし襖へ近づくにつれて、アスカはそれを開けることに恐ろしく、またアスカは シンジの名を呼びかける。 「ねぇぇ…し、シンジィ…居るんでしょ?私の部屋の前に」 訳も解からない孤独にアスカは怖くて一気に襖を開けようとするが…。 ……此処を開けては駄目っ!…… アスカが心で呟いたその時。 襖がカタカタと震え出し少しずつユックリと開いていった。 「…シンジ?……シンジよね?……ねぇ、シンジでしょぉ??」 少しずつ開かれていった襖はアスカの心の声を無視して全て開かれた。 シンジの姿は見当たらないアスカは恐る恐る 何処か微妙な白黒に彩られている廊下へと出て行った。 部屋を出て…そこでアスカが見たもの感じたものは…。 「…シンジぃ……シ、え?…何これ?お線香の匂い?」 さらに廊下を歩きリビングにやってきたアスカ。 「…何か…ある」 アスカはその何かがぽつんと置かれたテーブルに近づいていった。 机にあったのはミサトとシンジの一人ずつが写っていたモノクロ写真だった。 そのそばでは薄い糸の様な線香の煙が悲しそうに揺ら揺ら舞い上がってアスカの身体を 包み込んでいた。 「………し、シンジ…そんな、どうして?だって今さっき私をお越しに来てくれたじゃない?それにど うしてミサトにもお線香が供えられてるの?」 そんな…シンジ死んじゃったの?…まだ私はあんたに謝ってないのに 「そうよ。私はあいつに謝らなければいけない…私はあいつにヒドイ事を言ってしまった」 アスカは思い切り立ち上がり隣のキッチンへと向かう。 「シンジぃ!!何処よ!何処に居るの?!」 やけに時計・冷蔵庫の稼動音が自分の耳にうるさく聞こえる。 気が狂いそうだ……アスカは片手で片方の耳を塞ぐとリビングとキッチンを隔てる 戸を開けていく。 「シンジっ!………………!」 キッチンのテーブルには一通の手紙が置かれていた。 その手紙を震える手で握りはしたもののアスカはそれを開けることが出来なかった。 「何処よぉ……」 キッチンにも居ないとなればシンジは洗濯物をベランダに干しに行ったのだろう、そう思い走り出す。 カーテンに外の光景を邪魔されアスカは乱暴にカーテンを端にやる。 そしてカーテンの向こう側を見た時、恐怖がアスカの心を襲い始めた。 「いや……何よあれ?!」 ベランダから空を見上げると宙を浮かぶ初号機が力無く沈黙して、 その周りを量産機が羽ばたいていた。 「シンジ………行かないでよぉ!!私はあんたに言いたいことが一杯あるのよ!!」 量産機は手に持つロンギヌスの槍を初号機の手の平目掛けて二本投げつけた。 暫くしてから初号機の周りに見たことも無い模様が浮かんで、そして大爆発が起こった。 「シンジぃっ!!」 大きく右眼を見開きアスカの眼に映し出されたのは キラキラと輝く木漏れ日だった。 「……夢…か。………木の葉と葉の隙間から零れる光……黄金色に見える…」 重たく感じる身体を起こし、木に寄りかける…。 相変わらず真っ赤な海を見ていると、どうやら遠くの空からドンヨリと 気持ちの悪い黒い雲が浮かんでいた。 「……そうよ…あいつが私を置いて一人で死ぬなんて…無いわよ」 でも、もしもシンジが………自分がしたことに…嫌気に耐えられなくて死んでいたら ……私はどうなるの? アスカはふと首を横に向け遠くの山を見つめる。 「…燃えてる……真っ赤な炎。………ママ、これから…私はどうしたらいいの?」 右眼にしか映し出されない事に違和感を覚え、ふいにアスカは左眼の包帯に手を添える。 「もうこの眼には…何も映る事は無いの?……あはは…私は最後の戦いに負け…眼を…光を失った…」 光と言う言葉を呟きアスカは一人の少女を思い出した。 「ヒック…ごめんねぇ…ヒカリぃ、私はぁ…何も守れなかった。私が不甲斐なかった為にヒカリを死な せてしまった。………ふっ、この潰れた眼は涙さえも出ないのね……ぅぅぅ…ぅぅ」 静かな風の音と共にそよ風がアスカの心を突き抜けていく。 「みんなに会いたいよ…ヒック、ぐすっ…」 真っ暗な左眼。右眼だけが涙の所為で潤み、アスカを余計悲しませる。 「ねぇ、誰かぁ…教えてよ。…ねぇ、加地さん!ミサト!………ママ、お願いだから私を導いてよ。私 どうすればいいのか解からない…」 泣き震えるアスカだが少し微笑むと呟いた。 「今の私に出来ることは………あいつに強姦魔って言った事、謝ることだけ。……でも、その後はどう するの?…私達は何も出来ずに死んでいくの?」 一瞬孤独に死んでいく自分を想像したくも無いのに心に浮かび上がりアスカは自分の身体を 庇うかのように両腕で抱きしめ、そしてまた恐怖に打ち震えるのだった。 イヤッ!死ぬのは絶対ヤッ!! 「どうして生きてかえって来れたのに死ななきゃいけないのよっ!?」 しかしいまこの場に自分しか居ないから本当に自分が生きているのかも疑問になる。 「ねぇ!誰か私を見てよっ!私の声を聞いてよっ!……もう悲しいのはイヤッ、助けてよぉ!!」 アスカは孤独と悲しみに襲われ、自分の膝に顔を埋め、さらに自分の頭の上に守るように両手を重ねる 。 この時、近くも無く遠くも無い砂浜から アスカの異常に気が付いて走ってくる姿があったのにアスカは気が付かなかった。 後編につづく
KENとEVAキャラの座談会!! KEN:少しずつ素直に・・・なれたらいいなアスカ嬢・・・ アスカ:誰かアタシを見てよ!声を聞いてよ!構ってよ! KEN:こちらのアスカ嬢も・・・この作品に感化されてしまった・・・ アスカ:誰か・・・誰か・・・アタシを見てぇ!! シンジ:あ、アスカ大丈夫? KEN:あ、馬鹿! アスカ:シンジぃぃぃ!! シンジ:うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!! KEN:だからやめておけって・・・素晴らしい作品を投稿してくれたNOBさんへの感想はこちら