冬の良さ…

 

By KEN


 

 

どんなに、頑張っても駄目な時はある・・・

どんなに、抵抗しても、押しつぶされてしまう・・・

 

 

人間なんて、弱いモノだ・・・

 

 

物事に抵抗すれば、抵抗するだけ、自分は弱るだけ・・・

 

 

そして、押し潰されてしまったら、もう後はない・・・

 

 

自分が消えてしまう・・・

 

 

 

 

 

「冬はいいな・・・寒さが・・・」

 

 

 

 

 

 

冬は、自分が・・・

人は一人だと感じさせられる時・・・

その正直さがいい・・・

 

 

春や夏など・・・

何か、ぼんやりしてしまっているよりいい・・・

 

 

だけど、冬は一人だと、孤独だと感じられる・・・

それに、他人の温かさにも敏感になれる時・・・

 

 

だから、自分には、いい時期なのかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィ・・・キィ・・・キィ・・・

 

 

ブランコが揺れて、聞こえる音・・・

僕は、一人公園にたたずんでいた・・・

 

 

別に、何をしに来たわけではない・・・

ただ、寄ってみただけ・・・

 

 

もう、4時くらいだと言うのに、日は傾いている・・・

それに、もう肌寒い・・・

これが、冬だと感じさせてくれる・・・・

 

 

僕には、心が落ち着く時・・・

 

 

面倒な事から解き放たれる時・・・

一時の自由を味わえる時・・・

 

 

自分の心が・・・

少しずつ、癒される・・・

 

 

 

 

 

「家にも帰りたくない・・・」

 

 

 

 

 

どんな子でも、思うことではないであろうか?

家にかえるのが面倒・・・

何もやる気が起きない・・・

 

 

誰だって・・・そんな気持ちは起きないだろうか?

 

 

みんなが違うと言っても、僕はそうだ・・・

 

 

やっぱり、人は一人になれる時が一番落ち着くのだろう・・・

 

 

みんなでワイワイガヤガヤと賑やかなのは、嫌いじゃない・・・

自分もその中に入って行けるようになったから・・・

 

 

アスカのおかげで・・・

 

 

だけど、疲れてきてしまうのも本音だ・・・

だから、自分はここに来る・・・

 

 

この平凡な、公園に・・・

 

 

滑り台・・・

砂場・・・

ジャングルジム・・・

ブランコ・・・

 

 

公園の定番と言った物がそろっているこの公園に・・・

 

 

昔からここに来ていた・・・

とても、心の落ち着く場所・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィ・・・キィ・・・キィ・・・

 

 

ブランコが風を受けて、小さく動く・・・

僕はその様子を公園のベンチから見ていた・・・

 

 

寂しい・・・

 

 

たしかに、一人と言うのは、寂しいのかもしれない・・・

だけど、誰も傷つかない・・・

それに、自分も・・・

 

 

だけど、寂しさを忘れる事は出来ない・・・

 

 

でも、ここを離れれない・・・

心の拠り所となっているのだから・・・

 

 

でも・・・

そろそろ、帰らないといけない・・・

 

 

父さんも・・・母さんも心配しているだろう・・・

 

 

時刻はもう6時・・・

あれから、もう二時間もここで、時間を潰していたのか・・・

 

 

僕は立ち上がる・・・

そして、家に向けて歩き出す・・・

 

 

キィ・・・キィ・・・キィ・・・

 

 

ブランコがまた、小さく動いていた・・・

この、軋む音が何か、寂しさと言うものを思い出させてくれる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも、学校に使う通学路・・・

見慣れた道路・・・

 

 

赤い郵便受け・・・

 

 

全てが薄暗い・・・

 

 

やっぱり、夕方だと感じさせてくれる・・・

 

 

「あれ?アスカじゃないか?」

 

 

そして・・・アスカもいた・・・

 

 

 

「あ、シンジ。何処行ってたのよ?探したのよ・・・」

 

 

アスカは僕を恨めしそうに見る・・・

何か・・・あっただろうか?

 

 

 

「なんか・・・あったっけ?」

「ウッソ?信じらんな〜い、今日はアタシと出かける行ったじゃない」

「・・・あぁ、ゴメン」

「いいわよ。デートは今度の休日にとっておくから」

「ゴメンね・・・」

 

 

 

僕とアスカは付き合っている・・・

アスカと付き合いだしたのも、去年の冬くらいからだった・・・

 

 

今日と同じように、公園に行って、ベンチに座っていた・・・

ちょうど、そこにアスカが来たのだ・・・

 

 

幼なじみだから、毎日と言っていいほど、逢っているけど、この公園に来たのは、初めてだった・・・

 

 

アスカは・・・僕を探していたのだと言った・・・

 

 

僕はなんで?と答えた・・・

アスカは少し、顔を赤くして、今日は自分の誕生日会を学校でやったから、帰りが遅くなった

そして、久しぶりに別ルートで家に帰ろうと思ったのだ・・・と・・・

 

 

その時、僕はアスカの誕生日だと言うことを忘れていた・・・

だが、仕方ないので正直に言った・・・

 

 

自分は、誕生日プレゼントを買ってないと・・・

 

 

アスカはそれを聞いて、少し悲しそうな顔をしながらあてにしてないと言った・・・

僕はいたたまれなくなり、アスカにこういった・・・

 

 

「何か・・・僕に出来ることがあったら言ってよ・・・」

 

 

そう言うと、アスカは笑顔に輝きを取り戻した・・・

多分、僕を困らせるようなお願いかと思った・・・

 

 

「・・・アタシと付き合ってよ」

「え?」

 

 

なんで・・・僕なんかと・・・

たしかに・・・ずっと、一緒に居た・・・

だけど、それは表向き・・・だけ・・・

学校でも大して話し掛けることなんてなかった・・・

言えば、ただのクラスメイト・・・それだけ・・・

 

 

「・・・駄目?」

「・・・本気で言っているの?」

「ええ、アンタの事が好きなのよ?で、返事は?」

「・・・僕も好きだよ・・・」

 

 

擬似的な恋人でいいかと思った・・・

僕はアスカの事を好きだが、アスカの今の発言は嘘に感じる・・・

 

 

でも・・・目がとっても真剣・・・

嘘をついているようには、見えない・・・

 

 

「じゃ・・・キスして・・・」

「・・・ねぇ、僕を困らせるために、自分を使わなくても・・・」

 

 

僕は、こういうのは嫌だ・・・

やっぱり、好きあってないとこういうモノはいけないんだと思う・・・

 

 

「・・・バカシンジ・・・」

「なんだよ?」

「・・・アタシが嘘言っていると思ってんの?」

 

 

僕はアスカを見る・・・

本気だと思った・・・

目が潤む・・・

頬が赤い・・・

 

 

本気に僕と付き合いたいと言っているんだと思った・・・

 

 

「・・・僕なんかでいいの?」

 

 

僕は・・・

 

 

「いいのよ・・・。アタシだって、それなりのプライドは持っている。好きでもない奴とは何もしない・・・。アンタだから、・・・言っているのよ・・・」

 

 

僕は・・・君が好きだ・・・

 

 

「分かった・・・。アスカ・・・」

 

 

僕は・・・君が好きだ・・・心から・・・

 

 

好きだよアスカ・・・

 

 

アスカを抱きしめる・・・

 

 

暖かく、柔らかな身体・・・

 

 

「僕も好きだ・・・」

「・・・やっと、言ってくれた・・・」

 

 

僕達は、お互いの唇を合わせる・・・

いわゆる・・・キス・・・

愛情の証・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ〜〜い、シンジ〜!」

「・・・あ、ゴメン・・・」

 

 

去年を事をぼうっと思い出していたようだ・・・

 

 

「・・・じゃ、帰りましょうよ」

「うん・・・」

 

 

僕たちは、家へと向かった・・・

僕とアスカの家は隣同士・・・

 

 

いつでも逢える・・・

 

 

 

 

 

「ねぇ、シンジ。進路決めた?」

「・・・まぁ・・・ね」

「そう、何処?」

「・・・こっから近いとこ」

「そうなの?アンタなら結構上の高校行けると思うのに」

「・・・あんまり、勉強は好きじゃないからね」

 

 

僕は苦笑した・・・

もう、4ヶ月もしたら、僕たちは中学校を卒業する・・・

そう、中学三年生、そして、中学生の過程を終えたことになる・・・

 

 

そして、みんな、それぞれの道を歩み出す・・・

 

 

「まぁ・・・アンタの決めた道だしね・・・―――」

 

 

アスカはそう言っていた・・・

最後の所は声が小さくなって聞き取れなかった・・・

 

 

「・・・アスカは何処に行くの?」

「あ、アタシは・・・シンジと―――」

「・・・いいの?」

 

 

僕と同じ高校・・・

いいのかな?

 

 

「ええ、アンタと一緒なら何処だっていい」

「・・・うん・・・」

 

 

僕は・・・小さな夢はある・・・

チェロをやっていきたい・・・

別に有名じゃなくていい・・・

 

 

チェロをこれからも引いて行ければいいんだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ・・・シンジ」

「ん?何?」

 

 

アスカが話し掛けてきた・・・

 

 

「寂しいって感じたことある・・・?」

「・・・うん。アスカは?」

「アタシは・・・最近ずっとよ・・・」

 

 

アスカは俯いてしまった・・・

そういえば、最近・・・

 

 

「アンタがさ・・・話し掛けてくれないから・・・」

「あ・・・」

「アタシの事、嫌いになったと思った・・・」

「ゴメン・・・考え事してたんだ・・・」

「考え事?」

「そう・・・

 

 

僕たちは・・・なんで、生きているんだろう・・・

 

 

人は一人だ・・・

 

 

なんで、寂しいなんて気持ちがあるんだろうって・・・ね」

 

 

 

僕の考えだった・・・

寂しいって、気持ちはいらない・・・

どうせ一人なんだから・・・

 

 

「バカ・・・それは、寂しさがあるおかげで、人の温もりを感じる事のありがたみが分かるからでしょ・・・」

「うん・・・今、アスカと一緒にいると、心が暖まるからね」

 

 

何時の間にか、ギュッと握られている手・・・

だけど、居心地の悪さなどなく・・・

ただ、感じるのは、安心・・・そして、温かさ・・・

 

 

 

「・・・好きって事がより一層、分かるからかもしれないね」

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついちゃったね・・・」

「うん・・・そうだね」

 

 

僕たちの目の前には、家が建っている・・・

誰でも分かるように、僕とアスカの家が・・・二軒建っている・・・

 

 

「じゃ、また明日・・・」

「うん、また明日・・・」

 

 

僕たちは別れて、各々の家に帰った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暖かい家・・・

とっても大切な自分の居場所・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・今日はもう・・・寝ようかな・・・」

 

 

時計をふと見た・・・

時間は、10時・・・

まだ、早い・・・

でも、今日は考え事をしたから、頭が大分疲れているかんじがする・・・

 

 

 

 

 

コン・・・コン・・・

 

 

僕の部屋のベランダの窓に何かが当たったような音がした・・・

 

 

カーテンを開けると、アスカがいた・・・

 

 

ガラッ・・・

 

 

窓を開ける・・・

 

 

「どうしたの?アスカ?」

「ねぇ、一緒に寝ない?アタシの部屋寒くて・・・」

「はぁ?」

 

 

そんなわけないだろうと言いたかった・・・

今時の家は冷暖房が完備されているから、寒くなんてないはずだ・・・

 

 

 

「いいから、いいから・・・じゃ、お休み・・・」

 

 

アスカはいきなり、部屋に入ると、僕のベッドに潜り込んだ・・・

彼女も結構準備がいいようだ・・・

すっかりパジャマ姿であったから・・・

 

 

 

 

 

仕方なく、僕もアスカの隣に寝る・・・

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

沈黙が続く・・・

 

 

「・・・・・・ねぇ、シンジ・・・」

「・・・なに?」

「アタシって魅力無いかな?」

「そんな事、ないよ」

 

 

アスカは唐突に話し掛けてきた・・・

そんな事はないよ・・・

僕だって、今理性を必死に保っているだけなんだから・・・

 

 

「シンジになら、アタシ・・・何されてもいいのよ?」

「・・・ありがと。でも、アスカを傷つけちゃうから・・・」

「優しいね・・・。でも、このままでも十分痛いんだけど・・・心が・・・」

「なら、僕にどうしろと?」

 

 

さすがに、今すぐ、アスカを抱けない・・・

キス以上はまだ出来ない・・・

 

 

「・・・抱きしめてくれるだけでいいわ」

「・・・・・・分かった・・・」

「ん・・・ふぅ・・・」

 

 

アスカは僕が抱きしめると嬉しそうに息を吐いた・・・

そして、僕に近づいてくる・・・

 

 

「おやすみ・・・シンジ」

 

 

僕にキスをするアスカ・・・

暖かい唇が僕の唇に押し付けられる・・・

 

 

少し間・・・こうしていた・・・

 

 

そして、どちらともなく、少し離れた・・・

でも、まだ顔は目の前にある・・・

 

 

「おやすみ・・・アスカ・・・」

「おやすみ・・・」

 

 

アスカは静かに寝息を立てて眠ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬は・・・好きだ・・・

心が癒される・・・

 

 

それに・・・

 

 

君の温もりを一番、感じられる時期だから・・・

 

 

 

 

後書き

 

なんか・・・

凄い・・・

こう・・・

冬って好きです・・・

やっぱり、温かい時期と違って、静かだからいいです。

 

 

KEN