誰が、私を……(前編)
作 R&R  

「…………」

あの戦いから1年あまりが経ったある日の早朝。

シンジは立っていた。アスカの部屋に。
 

シンジは懐から一枚の紙を出すとそれを彼女の枕元に置く

(僕は………アスカが………好きだ……だけど、彼女の心は………!)

立ったまま、シンジの瞳からスッと一筋涙がこぼれ落ちる
 

「さよなら………アスカ」

そして、彼はコンフォート17を……出ていった………
 
 

何故、シンジがここまで思いつめ、行動にいたっているのだろう?

それには約一週間近く続いたある出来事がきっかけだった
 
 
 
 

 
 
それは………アスカと加持のデート………
 

 
それだけならまだしも、アスカはこのことを毎日シンジに話していたのである………
 
 
この場に、ミサトがいれば確実に注意をしていたであろう……だが、運の悪いことに彼女は出張の最中……
 
 

 
 
シンジは戦いを経て、少しずつであるが強くなっている

だが、まだ内罰的な面が抜けきったというわけではないのだ

その点を、アスカは忘れていた……
 

 
彼女を想う彼にこれはあまりに辛い仕打ちであった
 

この立場が逆ならアスカがシンジに詰め寄って終わるだろう……

だが、シンジは……そんなことをする人間ではなかった

実際、この場面でシンジが思ったことは

(僕がいなくなれば……アスカは……加持さんと……)であったから
 

そして、シンジはそれを構想から行動に移してしまった………
 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
「う、う〜〜〜〜ん……よく寝たぁ………」

アスカが起床した模様

「で、でも随分よく寝たわね………」

と、アスカは時計を見る……と、時計の針は15:10とあった

「シンジ………でかけたのかな?」

別に、学校は夏休みのためいつまで寝ていても問題はないのだが………

が、いつもはシンジが起こすことが習慣となっていたので違和感を感じていた

と、アスカが枕元にあった手紙に気付く

「何………これ?」

アスカは封を開け読んでみることにした

 
 
 
惣流アスカラングレー様へ
 

これ以上、二人の仲を見ているのが辛いので………僕は消えることにします

僕は逃げる事しかできないから……だから、僕に出来ることは邪魔をしないようここから消えることだと思うから
 

………アスカ、こんな僕のことなんか早く忘れて加持さんと……幸せになって下さい
 
 

碇シンジ

 
 
 
 
 
「う………そ………」

それと同時にシンジの部屋に駆け込む

「シンジ!!」

部屋はそのまま。肝心のシンジは………いない

「シンジ……シンジ!!」

家の中をシンジの名を呼びつつ歩き回る……

そして、家にいないことがわかると家を飛び出す………

 
 

 
 
 
 
彼女は探し続けた……この第三新東京市を

日が傾き、落ちて、いつの間にか降り出した雨が彼女の体をぬらしても………
 

シンジがいつも買い物に行くスーパー

皆でよく遊びに行ったゲームセンター
 

停電の時、星を見た草原

ユニゾンの時、心を通わせた公園………
 
 
 
そのほかにもいろいろとシンジとの思い出がある所は全て行った………
 

 
 
しかし、シンジはそのどこにもいなかった………
 

 
 
 
一通り、行き尽くしたところでアスカの脳裏にある考えが浮かぶ

(家に、帰ってきてるかもしれない………)
 

いつものアスカならば、考えないであろう

だが、今現在思い当たるところが尽き果てたアスカにはこれしか思い浮かぶ術がなかった
 
 
(シンジ………きっと、帰ってきてくれるよね?

 見つからなかったのは…入れ違っただけだよね?

 家のドアの前に立って、「こんな遅くまでどこ行ってたんだよ!」って言ってくれるよね?

 帰ってきてくれたら……今までのことぜんぶ話すから……家にいて………おねがい………)
 

アスカは恐る恐る自宅のドアを開けた
 
 
 
だが、目に入ってきたのは真っ暗な部屋

シン……と静まりかえった部屋

誰も………誰もいない、部屋………

 
 
 
 
 
 
 
 
「ふっ……うっ……」

へたりこんで、嗚咽を上げるアスカ
 

ここで自分が泣くのは場違いだとは解っている

自分の所為で………自分の所為でシンジが出ていったのに自分が泣いてどうする………
 
 
だが、泣かずにはいられなかった………
 

「シンジ………ごめんなさい……ごめんなさい………」
 
 
謝っても届くはずがないだろう………

精神の中にいる誰かがこう冷たく言い放つ

だが、謝りたかった

届いてないとは解っていても、言わなければ……という想いがアスカの中を埋め尽くしていた
 
 
「シンジ……ごめん、なさい………シン……ジぃ………」
 
 
やがて、アスカは泣き疲れたのか、走り回った疲れなのかそのまま眠りについた
 
 
 
 
第三新東京市は、まだ、強い雨の中にあった………
 
 
 
 
 
続劇
 



あとがき

ども、R&Rです
 

ベタアマ作家、返上させていただきます(笑)

こういうのも書けるんだぞ……って誇示しとかないとね(笑)
 

まあ、夏休みって言うのは日本もアメリカみたくなったってことで……了解してください(爆)
 
 
ここで長々と書くとネタばらししてしまう可能性があるので多くは書かないでおきます
 

では
 

追伸:この作品を書くに当たって、設定の一部を貸してくださったKENさんに深くお礼を申し上げます


KENとEVAキャラの座談会!!

KEN:二作品目ですなぁ〜・・・R&Rさん(^^)
ケンスケ:辛いのは惣流だけじゃないよ・・・(TT)
KEN:およ!?どうしたんだい?ケンスケ?
ケンスケ:それは・・・俺だけの問題にしてくれ・・・(TT)
KEN:・・・・・・分かった・・・
素晴らしい作品を投稿してくれたR&Rさんへの感想はこちら