
Ocean By KEN
「あ〜、暑い・・・」 僕の目の前で、アスカは仰向けに寝転がり・・・ まるで、犬のような仕種をしながら、うちわで扇いでいた・・・ この暑い夏の週末、学校のない日はこんな状態だった・・・ 確かに・・・暑いかな・・・ 「でもね、アスカ・・・あんまり、風に当たりすぎると身体の調子をおかしくするよ」 「そんな事言ってもねぇ・・・」 相変わらず、うちわで扇いでいるアスカ・・・ ホント、なんでアスカはこうも暑がりなのだろう? 男より、女の子の方が肌の露出の高い服を着れるんだし・・・ それ、相応に、男より涼しい感じが得られるって思うんだけどなぁ・・・ 「ねぇ、アスカ・・・」 「何よ?」 「この後さ・・・どっか外出ようよ」 「・・・・・・アタシを殺す気?」 アスカはのっそりと、起き上がり・・・ 僕の方に、近づき・・・ 少し繭を吊り上げて・・・ 僕に、機嫌悪そうに言う・・・ 「そんなつもりはないよ。でもね、流石に外に出ないと身体が腐るよ」 「はぁ・・・?そんな訳ないじゃ〜ん」 「はぁ・・・それじゃあ、これどうしようかな?」 僕は、昨日のうちにある物をケンスケに手配してもらっていた・・・ ある、チケットをまるで、もったいぶるかのようにアスカにちらちらと見せる・・・ 「そ、それ何よ?」 「ん?今、人気の水族館のチケット。・・・はぁ、でもアスカが外に出るのが嫌だって言っているんだから・・・ 無駄になっちゃったな・・・どうしよっかな、これ・・・あ、そうだ・・・ノリカズ君にでも・・・」 「ちょっと、待ちなさいよ!行く!行くわ!ちょっと、待ってなさい!準備してくるから!」 アスカは、凄い剣幕で僕に言い、凄い速さで自分の部屋へと戻って行った・・・ フッ・・・計画通り・・・・・・ 「着いたぁ〜〜!」 アスカが、目の前に見える大きな建物を見ながら言った そう、水族館に着いたのだ・・・ 「結構・・・空いているのね・・・」 「そりゃ、そうだよ。ここは、いろんな水族館の中でも一際大きいからね」 「へぇ・・・」 アスカが納得したような声をあげる・・・ まぁ、詳しい理由は僕でも分からないんだけどね・・・ 「あ〜、涼しい〜」 水族館の中に入ると、流石は水の館だ・・・ とても、建物の内部は涼しい・・・ 「さ、周ろうよ」 「ええ」 水族館の中には、たくさんの水槽があって・・・ その中に入っている生き物達が僕たちを歓迎してくれていた・・・ 水族館のメインとなる魚や・・・亀・・・ はたまた、ジュゴンなんてのもいた・・・ 「へぇ〜、水に住む奴ならなんでもいるわねぇ」 「そうだねぇ」 「でも・・・これは・・・」 アスカは苦笑しながらその水槽を指差した・・・ そこには、なんと・・・ 桜海老のような物凄く小さい海老がいた・・・ そう、それはまるで、本当に桜海老のような・・・ だけど、そうかもしれないと思うのが恐い・・・ この海老達が、死んだら食卓に並べられると思うと・・・ 「なんで、こんなのいるのかしら・・・」 「う〜ん・・・でも、いつもは死んだ奴しか見た事ないから、少し新鮮だね」 一応、フォローの言葉を入れる・・・ 「ま、そうね」 アスカも苦笑混じりで言った・・・ まぁ、こういうユニークな所があるのもいいね(汗 「ここは、普通みたいね・・・」 「そうだねぇ・・・」 そこには、まるで小さい海と言う感じの大きな水槽があった・・・ そこには、サメ、エイ、淡水魚、熱帯魚、大亀と言った感じの動物がいた・・・ 「そう言えばさ・・・アスカ・・・」 「何?」 「僕ってさ、海に行った時の事とか思い出せないんだ」 「ん?」 「前に、何度か行った事があるんだけど・・・なんだか、記憶に残らないんだ・・・」 「どうして?」 「多分・・・・・・」 その頃の僕は・・・ ただ、生きているだけだったから・・・ 今と、何処が違ったかは、正直うまく言えないけど・・・ うん・・・ 一人だったんだ・・・ ずっとずっと・・・ 海に行っても・・・ 別に面白味もなかったからだ・・・ 「ま、今度行きましょうよ!アタシがアナタの記憶に海の楽しさってのを刻み込んであげるわ」 「うん・・・よろしくお願いするよ」 「よろしい。じゃ、今日はプチ海の楽しみを教えてあげる」 「ははは。うん、分かった」 アスカは僕を気遣ってくれたのか・・・ にっこりと笑顔を見せながら言った・・・ 楽しみにしているよ・・・ 「へぇ、ペンギンがいるじゃない」 「あ、ホントだ。・・・やっぱり、ペンペンと似ているね」 「そうねぇ・・・」 温泉ペンギンのペンペンも、やっぱりペンギンなんだって・・・ 僕はそう思ってしまった・・・ 「あれ?シンジ君にアスカさん」 「あら、ミナじゃない」 「こんにちは、美神さん」 「こんにちは、二人とも」 美神さんは可愛らしい笑顔を見せながら言った・・・ やっぱり、可愛いなぁ・・・ 「どしたの?シンジ君?」 少しキョトンとした表情を見せながら美神さんは言った・・・ どうやら、僕は見つめてしまっていたようだ・・・ 「・・・シンジ・・・」 絶対零度の声が僕の名前を呼ぶ・・・ 「あ、アスカ・・・ゴメン・・・その」 「フンッ!」 アスカはそっぽを向いてしまった・・・ 「どうしたの?二人とも?」 また、美神さんは首を傾げてしまった・・・ う〜ん・・・美神さんのせいだよ(汗 「それより、望月はいないの?」 「あぁ、ノリカズ君なら・・・あそこ」 美神さんの指差した場所は・・・ 休憩室だった・・・ 「私がちょっとはしゃいじゃって、ノリカズ君、疲れちゃって・・・」 てへっ誤魔化すような笑顔を見せながら彼女は言った・・・ 一体どんな事したんだろう? 「ま、まぁ、いいわ。あのさ、ミナここのギフトショップは見に行った?」 「え、うぅん。見てない」 「じゃあ、一緒に行きましょうよ」 「いいけど・・・」 美神さんは、ノリカズ君が座っている方向をチラチラと見ている・・・ 「いいよ。僕が、ノリカズ君に付き添うよ」 「いいの?」 「うん。流石にお土産の事とか考えると・・・男の僕じゃねぇ・・・二人で楽しんできてよ」 「じゃあ、お願いしようかな・・・ありがとう、シンジ君」 「いえいえ・・・」 僕は、ノリカズ君のいる休憩室に向かった・・・ 「あぁ・・・疲れた・・・」 今日は朝から疲れた・・・ ミナが俺にここのチケットを見せながら行こうって言って・・・ 結構、長い事ここにいる・・・ なんでかって・・・? そりゃ、俺達は、海になんて行った事がないも同然だから・・・ だから、水の中で生きる生き物ってのがとても新鮮だった・・・ 確かに、水族館は行った事があるけど・・・ なんて言うかな・・・ 今度の休み・・・ きっと、夏休みになっちゃう気がするけど・・・ 海に行く前の予習って言うか・・・そんなもんだ・・・ 一応、どんな生き物が住んでいるかって知っておかないとな・・・ 流石にサメとか危険な生き物には海では出会いたくはないけどな・・・ 「や、ノリカズ君」 「んん・・・あ、シンジ君か・・・」 「大分、お疲れのようだけど・・・」 「まぁ・・・ミナに朝から連れ出されたからな・・・」 頭をポリポリと掻きながら俺は言った・・・ 「朝から?」 「そ。朝は朝でマックに寄って朝飯・・・考えもなしに頼む人がいてなぁ・・・ハッシュポテトを何個買った事か・・・」 「美神さんが?」 「・・・あぁ。おかげで、付き合わされた俺は胃がもたれている・・・そして、飯食ったらすぐにここを周り尽くす始末」 「う・・・・・・」 シンジ君は少し、冷や汗の類の汗をかきながら俺を同情するような目で見ていた・・・ ある意味、ミナって人からかけ離れているかもしれない(汗 「で、ミナはどうしたんだ?」 「あぁ。美神さんならアスカと一緒だよ。あそこのギフトショップで買い物」 「そっか・・・」 僕は、ギフトショップのある方向を指差しながらノリカズ君に行った・・・ 「なら、まだまだ時間は掛かりそうだな」 「そうだねぇ・・・」 「じゃ、どうだ?これ聴いてみるか?」 ノリカズ君はCDプレーヤーを僕に見せながら言う・・・ 「いいの?」 「ああ。俺が選曲したんだ。ほら、シンジ君も音楽好きなんだろ?だから、さ」 「それじゃ・・・」 「まぁ、最近ミナに付きっ切りだからCD聴く暇もないからな・・・ちょうどいい機会だし」 「僕だよ・・・アスカ相手に苦労して」 「ははは」 案外、お互い同じような状態かもしれないね・・・ って言う事は、アスカも美神さんも同じような感じなのかな? 「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」 CDプレーヤーの電源をオンにする・・・ そうすると、CDが回転する音がする・・・ そして、その後・・・心地のいい音楽が流れている・・・ 「あ・・・Fly me to the moonだね」 「ああ・・・俺、割と静かな曲が好きだからそう言うの多いよ」 「そうなんだ」 僕もこの曲は好きだったりする・・・ なんとなく、心が和むから・・・ 「この曲は?洋楽みたいだけど?」 「え・・・ああ。それは、エアロスミスのI don’t want to miss a thingだ」 「ふ〜ん、初めて聴くよ」 「あれ・・・?この曲は?」 「この曲か・・・」 ノリカズ君は少し言いにくそうだ・・・ 「実はな・・・それは、誰が作曲したか分からないんだ」 「え・・・どういう事?」 「いや・・・偶然インターネットであちこち飛びまくっていたら、偶然見つけた・・・題名はOceanだったけな」 「うん」 「で、気に入ったからさ・・・夏って感じがするだろ?」 「うん・・・なんか、爽やかだね・・・」 「そう・・・思うな・・・俺も」 「俺、海に行った事ないけど、この曲聴いていると海ってのが感じられる気がしたんだ・・・」 「うん」 「だから、行ってみたくなった」 「そっか」 「ま、今日のCDはこんくらいしか入ってないな・・・また今度、持ってきてやるよ」 「お願いするよ」 僕はそう言うと、アスカ達がいるギフトショップを見てみる・・・ 「・・・まだ、掛かりそうだな・・・」 「そうだねぇ・・・」 「ホント、男と女って違うよな。男は買い物の時間なんてほとんどないのに・・・女は長いし」 「ははは・・・」 「確かに自分の物にってのは時間掛かるけど・・・」 「ノリカズ君の場合は何?」 「CD選び、それとゲームソフト」 「はは、僕と一緒だ」 僕も音楽とゲームには結構を時間を掛けて見極める・・・ まぁ、そんなに長く同じ場所に居座ったりはしないけど・・・ 「・・・ちょっと、行くか?」 ギフトショップを指しながら言う・・・ 「そうだね・・・行こうか・・・」 僕もそれに同意し・・・ あの二人を止め行くことにした(笑 「じゃあ、ミナも海に行った事がないの?」 「うん」 「あると言えばあるけど・・・なんかねぇ・・・」 「アタシもそうかな・・・」 「そっか・・・ねぇ、今度一緒に行ってみない?」 「そうねぇ・・・夏休みになったら一度みんなで行ってみましょうか」 「うん!」 「それじゃ、あの二人が痺れを切らす前に早く買っちゃおう」 「・・・・・・もうすでに切らしているのだが・・・」 「「えっ!?」」 目の前にいたのは、シンジと望月だった・・・ 少し疲れたような顔をしていた・・・ 待つのに・・・疲れる事ってあるのねぇ・・・ 「あ、おはよ。ノリカズ君」 「おはよう・・・まぁ、俺が疲れて寝たのは悪いと思っているけど・・・ほれ、時間見てみろ」 「え、うん・・・・・・あっ」 そう、ミナのしていた時計はもう夕方を指す時間を示していた・・・ そして、アタシ達がこのギフトショップに入ったのは、そう、ジャスト二次間前だった・・・ 「ま、ミナが今日の晩飯係りだから・・・別にいいんだけどな」 「うぅ・・・」 「ほれ、帰ろう」 「あ、うん・・・」 「また、今度来た時にすればいいからさ」 「約束だよ」 「ああ」 ミナ達の話はまとまったみたい・・・ 「はぁ・・・多分、俺達海に行ったら丸コゲになってるな・・・」 「そうだね・・・二人だけで買い物させたらどうなるか・・・」 お互い、ハァッと溜め息をつく・・・ 「・・・・・・んじゃ、シンジ君。さっき話した事はまた今度の機会で」 「うん、僕もそう思うよ。じゃあね」 「そう言えば、二人で何話していたの?」 「ん、ああ・・・ノリカズ君も海に行った事がないんだって」 水族館の帰り・・・ アスカが、聞いてきた・・・ 「へぇ・・・そう思うと凄いわねぇ・・・ミナもないのよ」 「そうなんだ。僕とアスカもそうだし・・・なんか似た者同士だね」 「あはは、そうね」 「ホント、今度4人で行ってみようよ」 「ええ・・・ホントにね」 そう・・・ 僕たちには海っていう物をしらない・・・ 何の楽しみ方も・・・ そして・・・ 海が、どういう物を僕たちにもたらしてくれるか・・・ だけど、僕は見てみたいんだ・・・ そして・・・僕は聞いてみたい・・・ あの波の音を・・・ あの、Oceanって言う曲のような波の音を・・・ Fin 後書き かけたんですけど・・・ イマイチの出来・・・ なんか、曖昧ですね(汗 凄い久しぶりだからね・・・(爆 KEN