さんの短歌(21)

三月の歌

2003.3.31  513

車椅子妻が押し呉る径行けば桜散り初め共に仰ぎぬ
散り初めし桜の花を惜しむよに車椅子止め妻と眺むる

空気さへ桜の色に染まりそな春日の午後は霞たなびく

2003.3.30  510

幼小に妻が通ひし学び舎に見事桜は重そうに咲く

2003.3.29  509

鶯の声聞かざれば淋しけれ梅の花咲く季(とき)は過ぎるに

去年(こぞ)われと鳴き声競いし鶯ぞ今年は来鳴かず春は過ぎつつ

2003.3.28  507

道行けば厳寒に耐へ今咲ける桜花には喜び溢ふる

2003.3.27  506

壷に有る妻が自慢の梅干を刺激を求めひとつ頬張る

2003.3.26  505

幼子に水疱瘡は辛きもの痒さにぐずり親も苦しき

2003.3.25  504

外は雨戦争報道恐ろしくテレビを切りて部屋に独り居

2003.3.24  503

水温み児等の楽しみ増へにけり窓より入りぬ歓声を聞く

2003.3.23  502

川沿いの公園行けば春陽浴び桜蕾は今開かんとす

純白の汚れも知らぬ花々は高き枝にぞ静かに咲けり
背丈の高いコブシの木には純白の花が春の風に静かに揺れている。まるで汚れも知らぬ乙女に似ている。

2003.3.22  500

師もなくば会にも入らず戯言を積み重ねたる歌五百成る

2003.3.21  499

寺の鐘しきりと鳴りて中日は参拝客の多く有るらし

2003.3.20  498

彼岸来て好天続き花々の蕾は一気に膨らみを増す
静岡で桜開花宣言

2003.3.19  497

検査日は憂鬱なれど「異常無し」の医師が言葉に見上ぐ青空
腹水の再検査にて検査室に。「異常無し」の医師の言葉にホッとする。外は真っ青な雲一つ無い晴天であった。来る時は気がつかなかった青空。

2003.3.18  496

腰痛も脇腹痛も治まりて“Tomさん効果”と皆冷やかしぬ

2003.3.17  495

駅頭に友を迎ふる嬉しさよ利かぬ右手に力の込もる
カナダより Tomさん来る。

2003.3.16  494

明日にはカナダの友と会えるかと興奮覚めず又寝返りを打つ

2003.3.15  493

未だ鳴けぬ鶯藪でチャッチャッとデビューの時を待ちかねており

2003.3.14  492

子等楽し赤く熟れたる苺摘みわれに食べろと持ち呉るゝなり
イチゴ狩りに行く。

2003.3.13  491

仏前にチンチョウゲの花生けられて香りは満ちる妻の気遣い

2003.3.12  490

荒波に出遭いし時こそ尊けれ思い起こせよ誓いの言葉
勇士君夫婦に捧ぐ

2003.3.11  489

春の陽は枯れ芝の上にも燦燦と緑の若芽育てと注ぐ

2003.3.10  488

親友の癌にて倒れ命尽く知らせ受けたる妻の面曇る
四人の幼い頃からの親友、佐藤トシさん逝く。先年の栗田恵子さんに続いて...。妻の気持も辛かろう。

2003.3.9  487

窓際に椅子を動かし脚伸びて春の日優し午睡愉しむ

2003.3.8  486

燦燦と春の陽注ぐ中庭に愛を誓いし二人は笑みて
今日は勇士君の結婚式。浮月楼の中庭で人前結婚式。初の経験。

2003.3.7  485

恐ろしき風も漸く収まりてかすかに聞こえゆ鶯の声
今日初めてかすかに鶯の鳴き声を聞いた。昨年は3月17日の事で有った。

2003.3.6  484

啓蟄の日は雨となり虫達は目覚めて顔を洗いおるらん

2003.3.5  483

「分りますか?」卒業生からの便り嬉しき名を見りゃ面の直ぐ浮かび来る

2003.3.4  482

雛飾り片付けられて寂しけれわれはベッドで午睡の内に

2003.3.3  481

お袋の願い叶わず四人目も桃の節句に産まれし末弟
昔、お袋の笑い話で有る。桃の節句に陣痛が来たので、これは女の子だと...お産婆さんに「元気な男の子ですよ」といわれガッカリしたと、笑った顔が懐かしい。

2003.3.2  480

腰痛と咳と微熱に苛まれ気を紛らわすPCもダウンす

2003.3.1  479

春弥生夜来風雨は吹き荒れてまだ熟れぬまゝ夏みかん落つ


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