さんの短歌(26)

八月の歌

2003.8.31 678

二三四位とゴ−ルに入る日本女子遠きパリより喜び届く

2003.8.30 677

吾が乗る車椅子をば吾が押す異な夢を見る寝苦しき夜に
われが乗る車椅子をばわれが押す 寝苦しき夜の異様なる夢 (あおぎり先生指導)

2003.8.29 676

夏休み終わり近付き幼日の寂しくなりぬ頃思い出す

2003.8.28 675

虫の音も日増しに高く聴こえ来て夏行き秋は確かに近し

2003.8.27 674

気が付けば法師蝉のみ鳴き競い夏の終わりを告げむが如し

2003.8.26 673

暑き日に訪い呉るゝ義姉あり七十七の齢(よわい)背負ひて

2003.8.25 672

旅の後祭りと続き疲れしか今朝の目覚めは重きに感ず

2003.8.24 671

祭り日に餅拾い来し孫達は餅の数をば得意気に比ぶ

数軒の露店並びし境内は幼き頃の思い出となる

2003.8.23 670

少子化に村の祭りも淋しけり太鼓の音は弱く響きて

2003.8.20〜22 669
家族旅行 昼神温泉と白樺湖.霧が峰

吾が部屋の風呂に温泉引かれおり妻娘の介助で浴びる幸せ

棚の下葡萄頬張る孫達の笑顔を見つゝ吾もつまみぬ

蓼科に老舗の蕎麦屋を訪へば昼を過ぎても満席なりき

得意気にペダルボートを漕ぐ孫に成長の跡垣間見るなり

フルコースこの手で食えぬ哀しさも妻の介助に忘れて美味し

風に揺るマツムシソウは蜜蜂と戯れている長閑な時間

昨年は馬に乗れなき末孫は今年は念願叶い嬉しも

高原に妻と眺むる山々に言葉少なくロマンに浸る
妻ともども高原かこむ山々のロマンに浸る言葉少なく (あおぎり先生指導)

2003.8.19 661

法師ゼミ遠くに聴きてはや夏も冷夏の内に過ぎ行くらむか

2003.8.18 660

エアコンの要らぬ冷夏は家計をば楽にさせると見てよいものか

2003.8.17 659

陽の照らぬ日々は続きて梅干の今年の出来を憂う妻あり
梅雨長くなかなか晴れず梅干の出来をしきりに妻心配す (あおぎり先生指導)

2003.8.16 658

何気なく使う電気も停電のニュースを見つつ考えてみる

2003.8.15 657

肌寒き二日続きの低温に長袖着込み通院を為す

2003.8.14 656

雨の日は軒先に落つ雨音のゆっくり早くリズム愉しも

2003.8.13 655

CDを棚に揃えて納むれど今はそれさえ取れぬ哀しき

2003.8.12 654

白球を一心に追う姿には一寸足りと邪念は見えず

2003.8.11 653

朝起きて前に垂れたる頭をばグッと上げれば上がれば嬉し

2003.8.10 652

台風が来れば被害の出る列島自然の猛威は如何ともせむ

2003.8.9 651

雨風の激しき音は恐ろしき夜半を過ぎて静まり安堵す

2003.7.25〜8.8 650
治験入院中の歌(2)


二週間過ぎてしまえば早きもの退院前夜は寝返りばかり

朝六時熱きタオルで看護師が顔拭き呉れて今日も始まる

白々と夜が明けくれば早々に鳴くセミの音は猛暑告げるか

冷房の故障だと云う午前中動かぬが得とベッドで過ごす

照れながら若きナースに介助されリフトバスにて入浴をなす
介助する若きナースに照れながらリフトバスにて入浴をなす (あおぎり先生指導)

文字盤に動く指にて示し呉る犬亀兎飼うと云う友

看護師の制止も聞かず喫煙に杖つき行きぬ老人のあり

テレビ飽き窓より空に目をやれば入道雲湧き梅雨明けとなる

真夜中のトイレコールは看護師も良い顔をせず心苦しき

若くして難病告知を受けし人涙で語る悔しさ辛さを

食堂の窓から見える遠花火に暇な病人数多集まる

世話し呉る看護師は皆顔なじみ「お帰りなさい」と云う人も有り

わが病室(へや)は以前と同じ場所なれど面子は全て替わりておりぬ


noriさんチ 玄関 へ   next   back   indexへ