さんの短歌(28)

十月の歌

2003.10.31 742

 久々に妻娘に買い物付きあいて外食し帰るは外飯親子
母親と娘が買い物等に出て外食をして帰るパターンを“外飯母子(がいはんぼし)”と云うらしい。ワイドショーで云ってた。これからは“外飯母子”が経済を活性化するとか…ホント?今日は、外飯親子であった。

2003.10.30 741

子等も出で採り入れ作業を手伝いし昔懐かし蒸かし芋の味

2003.10.29 740

夕餉前「水戸黄門」を見る習い時には児等にジャックされたり

臨終に母の手取りて頑丈な節の太さを思い出す今日
平成11年10月29日没)

2003.10.28 738

ザワザワと木々を揺らせて通り抜く風の姿を誰も見ぬとは

2003.10.27 737

硝子戸のモミジ模様に夕映えの移り行く彩楽しみて居る
改作:「玻璃戸越しもみぢ葉すかして夕映えの彩(いろどり)しづかに移りゆくかな」(あおぎり先生指導)

2003.10.26 736

雀らはせわしく屋根を行き交へど人には分かぬ生活のあり
われら知る由もなき生活あるらしも雀らせはしく屋根を行き交ふ(あおぎり先生指導)

2003.10.25 735

両陛下笑まいて手振り沿道の村人衆に応えたるとふ
天皇皇后両陛下は国体開会式にご臨席のため中田島街道を通られた。みんな歓迎に出掛けた。

2003.10.24 734

霜降も早や過ぎ冷気強まりて朝寒(あささむ)の日は暖の恋しき
改作:「霜降もはや過ぎしかな起き出でてこの朝寒(あさざむ)に暖を恋ひをり」(あおぎり先生指導)
「霜降も早や過ぎ冷気強まりて」は説明的ですし、それを受けて「・・・朝寒(あささむ)の日は暖の恋しき」と言うのも短歌の表現としては無駄ですね。さらに、「朝寒(あささむ)の日は」という言い方は短歌らしくありません。

2003.10.23 733

西風は木枯らしのよに吹き荒れてテラスのトタン剥がれ音立つ

2003.10.22 732

日は落ちて夕餉の仕度整ふか魚の焼くる匂い立ち込む
日は落ちて夕餉の仕度ととのはむ秋刀魚の焼くる匂ひ立ち籠めて(あおぎり先生指導)
(「魚」より「秋刀魚」とすることで具体的イメージが湧くし、季節が秋だと解かりますね。また、漢字が続くのを避けて「ととのはむ」と平仮名としました(事象はほぼ明らかですから、はっきりとした疑問形より肯定的推量がいいでしょう)。さらに、結句は意識的に字余りにして、語感にゆとりとふくらみを持たせました。このあたりは好みの問題もありますが。。。)

2003.10.21 731

 隣家の籾摺る音は軽やかに響きて秋は深まりを増す

2003.10.20 730

友からのメール開ければ御尊父の悲しき報に涙止まらず
治験にて一緒だった、嶋根さんのお父様が亡くなったとの事。退院の時、挨拶に部屋を訪ねた時はすこぶる元気だったのに…冥福をお祈りします。

2003.10.19 729

懸命に泥団子煉る児等の背に秋日優しく照らしておわす
懸命に泥団子練る児等の背を秋日やさしく照らしておはす(あおぎり先生指導)

2003.10.18 728

しとしとと朝より冷たき雨降れば身の置き場なく病めるは辛し
今日は11月中旬の気温、18度。

2003.10.17 727

しんとして独り留守居の昼下がり危な気もなく蜘蛛は窓這う
留守居する午後しんとせり蜘蛛さへものびのびとして玻璃窓這へり(あおぎり先生指導)

2003.10.16 726

病院に車走らす道すがら落ち葉舞い散り秋深まりを知る

2003.10.15 725

深呼吸すれば奥歯に沁み込みて秋気は強く部屋にも入りぬ

2003.10.14 724

秋晴れの空にも負けぬ児等の眼はあくまでも只青く澄みたる

2003.10.13 723

新聞を千切りてクラフト為す児等の創造力に目細め見る
新聞を千切りてクラフト為す児等の創作力に目を細めをり(あおぎり先生指導)

2003.10.12 722

ゆっくりと時の流るる昼餉時轟音残し機は低く過ぐ
ゆっくりと時の流るる昼餉どき轟音残し戦闘機ゆく(あおぎり先生指導)

2003.10.11 721

れ程の頑固者とは知らねどもこの性格を治す術なし
呆れるほど頑固親爺と皆言へど直さねばならぬ性格ならず」(あおぎり先生指導)
(この添削歌のように言い切ることで、頑固さがことさら浮かび上がりましょう。)

2003.10.10 720

 楽よりは苦の数多し三十五年よくぞ耐へたる妻居て嬉し
今日、結婚35周年。珊瑚婚式。

2003.10.9 719

僅かなる感動に触れわが胸は熱きを覚え涙の出づる
最近、歳のせいであろうか?病のせいであろうか?少しの感動にも異常に反応してしまい、涙を流してしまう。

2003.10.8 718

日の入りの早まる庭をせわしなく鈴を鳴らして猫走りゆく
最近、急に日暮れがはやくなった。
改作:「さ庭辺の暮れやすき候いづこへか鈴音かるく猫走り去(い)ぬ」(あおぎり先生指導)

2003.10.7 717

進行を止める術なき病とは重き荷物ぞ運命(さだめ)とは云へ

2003.10.6 716

 線路沿ひ赤き群れなす曼珠沙華電車の風に身体揺らせる
通過する電車にどよめき揺るるかな曼珠沙華の赤緞帳は(あおぎり先生指導)

2003.10.5 715

妻の手で短髪頭を刈りて呉るバリカンの音冴えて清(さわ)やか
改作:「短髪の頭(づ)に沿ひ妻のあやつれる電動バリカン音さはやかに」(あおぎり先生指導)

2003.10.4 714

夜祭に好みの玩具買ふて来し夜遅くまで児等の眼は冴ゆ
磐田の祭りに孫達みんなおよばれ。興奮さめやらず10時過ぎやっと寝る。

2003.10.3 713

 「こころ」から「てるてる家族」と移り来て妻と朝ドラ観る日の増へし

妻を呼び「てるてる家族」並び観る懐かしき唄口ずさみつゝ
連ドラの<てるてる家族>を妻と観る戦後の唄を口ずさみつつ(あおぎり先生指導)
初句「妻を呼び」は、実際そうだったのでしょうけれど、毎日そうだというわけでもないでしょうし、それに短歌としては、わざわざそれを言う効果はないようです。歌としては、ほのぼの夫婦像が浮かんできて、いいと思います。

2003.10.2 712

 コオロギの鳴く声聴けと虫篭を両手でかざす児の瞳(め)輝く
コオロギよ、声を聴いて!と虫篭を両手でかざす 児は瞳(め)輝かせ(あおぎり先生指導)
「児」はお孫さんなのでしょう。そのかわいらしさがよく詠まれています。

孫達の摘みたるオバナを瓶に差しパソコンしつゝ秋を感ずる

2003.10.1 710

秋の夜のBGMを奏でしは命を削る虫らの運命(さだめ)
虫達の運命(さだめ)と云ふかこの夜のBGMは哀愁を秘む
(別詠)美しきBGMと聞きゐるが虫らは生命(いのち)を削りつつ鳴く(あおぎり先生指導)
前の歌では、虫の音が主題ですから、「秋の夜」は言わずもがなでしょう?また、「奏でし」という過去形が合いません。現に奏でているのでなければ印象半減です。そして、BGMを奏でる行為が「虫らの運命(さだめ)か」なのですね。そのあたりがすっきりしていません。後の歌では、BGMが虫の音だと、すぐにはとれません。ですから、前半と後半がバラバラの印象です。BGMと言われる限り、noriさんは何か仕事でもしておられ、何となしに虫の音を聞いておられるのですね。

noriさんチ 玄関 へ   next   back   indexへ