さんの短歌(33)

2004. 三月の歌

2004.3.31 908

昨年の五月に消えし少女にも十歳となる誕生日来る
昨年の5月20日、下校途中に忽然と姿を消した友梨ちゃんも今日10歳の誕生日という。親の気持ちを察するに余りある。元気な姿で帰って欲しいと祈る。

2004.3.30 907

ぬかるみぬダイヤモンドに白球を追ってハツラツ球児輝く
雨の中、ぬかるんだグランドも諸共せず白球を追い続ける選手のユニホームは泥で汚れてはいるが、何故か光っている。

2004.3.29 906

児等が喰う夏蜜柑を見るのみでジュワッと唾液湧き出づるなり

2004.3.28 905

 屋上に上りて遠くを眺むれば霞に呑まれ鉄塔も消ゆ

2004.3.27 904

報復に報復行動重ねても溝深まりて和平遠のく

2004.3.26 903

陽光がフロント硝子に反射して部屋にも入りて眼を細めおり
湯を上り廊下に出れば涼しさに額の汗も治まりている

2004.3.25 901

開花待つ桜花には冷んやりとそぼ降る雨の非情なりけり

2004.3.24 900

児等の居ぬ吾の部屋にはコツコツと別空間で時は過ぎゆく

2004.3.23 899

大人まで笑の渦に巻き込みしいかりや遂に天に召さるる

2004.3.22 898

荒れ狂う春の嵐に負けもせず児等は健気にスイミングに行く

2004.3.21 897

沈丁花真白き花は香り満ち庭の隅々清めるがごと
吾が妻も還暦迎ふ喜びに三十数年の来し方想ふ

2004.3.20 895

肌寒き曇り空なる春分に孫等が作りしおはぎは嬉し

2004.3.19 894

霞み立つ田畑に遊ぶ鳥達の動きもどこか長閑なりけり

2004.3.18 893

耳澄ませ遠くに鳴ける鶯の声聴き初めし彼岸に入りぬ

2004.3.17 892

難病を諸共せずに生き抜かむその筆遣いに力見るなり
展示さるスモン患者が詠みし歌胸はつまりて暫し佇む
静岡市で開催中の「難病者共生週間作品展」に出掛ける。小生も短歌10首ばかり出展。

2004.3.16 890

マラソンの代表選手発表に高橋といふ名は無き寂びし
会見に臨む高橋涙無く師を労われる余裕さへ見せ

2004.3.15 888

季節のみ先歩きして桜花は早くも蕾今裂けむとす

2004.3.14 887

三年前入園したる幼子も今日は目出度く卒園迎ふ
友莉子、菜々美、卒園なる。

2004.3.13 886

曾祖母の宝にしたる数珠壊し激高呼んだ幼日を恥ず
子どもとは云え大変な悪戯をしでかしたものだ。数珠を壊してビー球代わりに遊ぶとは…

2004.3.12 885

朝刊のポストに落つる音を聴くああ今日もまた眠りは浅し

2004.3.11 884

凶悪な罪を背負ひし少年も二十歳を過ぎて今何思ふ
神戸の幼児連続殺傷事件を起こした少年は六年の時を経て医療少年院を仮退院した。今、青年となった彼は何を考えているだろうか。

2004.3.10 883

夕刻の鐘の音すれど児ら遊ぶ歓声続く春の日高く

2004.3.9 882

緩やかに時の過ぎ行くリハ台に嫗は軽く鼾かきをり
リハ台=リハビリをする台

2004.3.8 881

クシャミなるものは処構わずに10連発とは閉口したり

2004.3.7 880

車窓より北を望めば真黒なる雲は垂れたり雪降らすごと

2004.3.6 879

今朝からは眼はショボつきて涙出づ遂に発症しか花粉症を

2004.3.5 878

気持ち良く眠りておわす菰解かれ啓蟄の日は虫の受難なり
今日は24節気の「啓蟄」。

2004.3.4 877

肺機能の検査結果は哀しくも標準値の半分となる

2004.3.3 876

五節句の二つ目となる桃の節句はひな祭りとふ女の節句

2004.3.2 875

デイルームに明るき声の響きあり男雛女雛も微笑みおわす

2004.3.1 874

春告げる二月堂のお水取り千二百年余の歴史有りとふ
奈良東大寺二月堂の「お水取り」は、今年(2004)で1253回目となり、開行以来一度も欠かされたことがない行法「不退の行法」です。

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