
第3回目「ローボールテクニック」
ローボールテクニックはいわゆる「おとり広告」に使われてきた手法です。
ボールを取る気のない相手に低くてゆるいボールしか投げないからと言って、捕球
体勢を取らせます。初めはボールをキャッチする気のなかった相手も一度構えてし
まうとボールが横にそれたり、ジャンプしないとキャッチ出来ないようなボールで
もキャッチしようとしてしまう。一度キャッチするという意思を持った相手は多少
の無理ならしてしまうのです。このような心理を突く手法をローボールテクニック
と言います。
新聞の折り込みチラシでAという商品を数量限定で特売すると宣伝します。それを
見た人が店に買いに行くとすでに特売分は売れきれてありません。しかし、1度A
を買おうと思った人は通常の値段でも買って行く可能性が高いのです。
また、最近では携帯電話の販売にもこの手法が使われている気がします。電話本体
の値段を0円や1円などという値段で表示しておく。この値段なら買ってもいいと
思い買いに行くと事務手数料が必要ですと言われる。事務手数料のことを知らなか
った人でも、この時点でそれなら買うのを止めるという人はほとんどいません。
車の値段も本体価格しか表示しないものです。しかし、実際にはオプションを付け
たりもしますし、登録料や保険などの諸経費もかかってきます。初めに150万円とい
う価格を示されると買おうとは思わない人でも、本体価格98万円の広告を見てしだい
に値段が150万までつり上がった場合には買うという気持ちを抑えきれなくなります。
このように一度意思がある方向に進み始めるとその後に条件が厳しくなったとしても
引き返すことは難しくなります。モノを買うという行為には限りません。1杯だけ飲
もうと誘われてついて行くと、実際には2件も3件もはしごをして飲みつぶれるまで付
き合わされたという経験はありませんか?
「ちょっとだけだから」と頼まれても実際にちょっとだけで済むことは少ないと思い
ます。
「ちょっとだけならいいか」と軽い気持ちで引き受けたりすると、後でとんでもない
ことになるかもしれませんよ。