天国の花通信                       78
 
                     
ヘブンズフラワーメール
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Heaven’s Flower Mail       
 
          …被害者家族への手紙(つづき)…

 
 
知的理解と情緒的共感
 人がものみの塔に入る動機は様々であり、一様な対応はできません。夫との関係に問題
があったという方もあり、子育てに不安を感じていた方、夫の転勤などで孤独を感じてい

た方、あるいは純粋に真理を求めていた方など多様です。しかしいずれの場合でも、本人
に(漠然としたものであっても)不満,不安、孤独、心の乾き等の動機があるはずです。引
きこもりの場合、たいていは親に対する恨みを口にし、時としてそれが不登校や暴力とし
て噴出します。形は違えどそこには「何々してくれない、してくれなかった」という気持
ちが潜んでいるのです。Aさんの奥さんも決して今の状況が好ましいと思っているわけで
はないのです。「どうしてこんなことになったのだろう。」と困惑しながらも、組織の指
示を堅く守ることがAさんのためなのだと自分に言い聞かせているのです。
 Aさんの不安や焦燥感はよく分かりますが、まずあなたが長時間かかっても、本人を立
ち直らせるという決心と一貫した冷静な対応を続けることが必要です。あくまでも、治療
を必要としている病人を療養させるような気持ちで、知的理解と情緒的共感を示すように
すべきでしょう。
 子供さんのためには、とにかく両親が夫婦として仲良くあることが重要な要素です。奥
様にとっても、家庭が唯一の居場所であり、安心してくつろげる場所である必要がありま
す。
 その際それを妨げるものもまた家族愛であると言えます。多くの方が、自己愛との区別
がつかずに、一方的なコミュニケーションに走りがちです。そうしたウエットな愛情が相
手を所有し、コントロールしたいという欲望につながり、それが激しい攻撃性となって現
れることが多いからです。
 
 具体的には、家庭がより親密で打解けた場所になるよう、手を抜かず丁寧にコミュニケー
ションをはかることです。アッシジのフランシスコを描いた映画「ブラザー・サン、シス
ター・ムーン」という映画の中に主人公が唱えるキャッチフレーズがあります。「多くを
せずとも丁寧に、心を込めれば報われる。」というものですが、どうぞ覚えてこれを繰り
返し自分に言い聞かせてください。本人の抵抗感を、時間をかけて少しずつやわらげてい
くようにすることです。
 
 ご主人の中には、ともすると(男性の特性か)エホバの証人に関する本などを読んで、わ
が意を得たりとばかり{正論}をぶつけたり、間違いを指摘したりする方がいますが、これ
は間違いです。
 
 それはただ本人を追いつめ、恥じをかかせる結果になり、考えさせる機会にはなりません。
ご相談を受けているご主人の中には、奥様と往復書簡を交わしている方もいます。これは
とても有効なのですが、これは知的理解という車輪の一方であって、情緒的共感というも
う一方の車輪がないためにうまく走行できないでいるのです。
家族の信頼関係回復のためには、両方が必要です。聖書や、ものみの塔の教えも学ぶこと
が必要ですし、救出カウンセラーの本などもよく理解することが必要になります。しかし,
もっとも大切なことは,本人の話を聞くことです。
 
具体的な行動
 
 その際注意しなくてはならないのは、まずあなたの方から、まめに(くどくならない程度に)声をかけ
るということです。もちろん,最終的な目的は,ものみの塔の間違いに気づいてもらうことなのですが、

ここではある選択をしなければなりません。あなたがもし、どんなに時間がかかっても,自力で救出し
ようと考えているなら,抵抗の少ない資料から提示して,徐々に核心をつくものへと移っていくことが必
要です。
 しかし,これはあくまでも,本人に考えさせるためのものであって、あなたが勝利感に酔うためではな
いことを覚えていなければ何にもなりません。
 一方、もしあなたが奥様と、ある程度の信頼関係を回復した後に、救出カウンセラーに会ってほし
いと思っておられるのでしたら、核心的な資料を突きつけることは控えるべきです。カウンセラーと
対話するときに免疫がついてしまって,耳を閉ざしてしまう恐れがあるからです。
 
 また,宗教的な話に応じようとしない場合は、世間話しや趣味の話し,あるいは時事的な話題や,社
会的な関心事について話し合うことができます。話し合う際に大切なことは、前にも述べたように、他
者として扱うこと。他者に対して外でしているように、表情や口調にも気をつけるべきです。奥様と知
り合ったときのことを思い出してください。あなたは独り言を言うような態度で相手と話しをしていたこ
とはないはずです。
 いかに本人を気遣う言葉であっても、苦虫を噛み潰した表情での紋きり型の切り口上では、愛とし
て相手に伝わりません。また,本人の話しをすぐに遮ったり、むげに否定したりすることも禁物です。
皮肉やあてこすりではなく、あくまで正攻法で相手の話しを聞くことです。話しを聞くとは、あなたが
言いたいことを言うためではなく、相手がいかに理不尽な事実誤認をしていようとも、なぜそれを信
じるようになったか,十分な理解を示すためのものなのです。「何が正しいか」ではなく、本人がどう
感じているのを十分理解するために、「聞く」のです。
おそらくこれがあなたにとって一番難しいことかもしれません。
 
 聖書あるいは,ものみの塔の教えなどについて話し合うときにも,同様に断定的な言い方や、ネガ
ティブなきめつけはすべきではありません。「誰が読んだってこうじゃないか」といった言い方です。
むしろ「なるほど,ものみの塔ではそういう解釈をしているのか…、僕にはこういうふうに読めるんだが、
そこはどうなのかな」というソフトな言いかたで対する方が良いと思います。大切なことは、一度はじ
めた働きかけは必ず継続することです。
 
 また、聖書やものみの塔の教えに対するあなたの関心が本物かどうか,相手はかなり冷静な目で見
ているということも知っておくべきです。
 本当に真剣に取り組もうとしているのか,一時の気まぐれではないのか、あるいは背教者が背後に
居るのではないかと疑われるような対応はすべきではないのです。「ものみの塔の教えが真理なら、
僕も信者になる。」という言葉は心底,命がけでいう言葉なのです。 相手は,救われるべき被害者で
あり,助けを必要としている人であるということから視点を外さないようにし、相手のありのままを受け
入れることが大切です。しかし、こう申し上げるとたいていのご主人は、「何でも受容しなくてはなら
ないのか。今度は子供を集会に連れていくという要求をしてきたが…。」と困惑されるようです。しか
し「耳を傾ける」ことと、「いいなりになること」とは全く異なるという点を覚えているべきです。もしご夫
婦間で現在、<子供を集会へ連れていかない>という合意が成立しているのであれば、原則として
それを譲る必要はありません。
 
 ご存知のように、現在の法律では夫婦の営みを合意なしに強いればレイプとされ、追い
かけまわせばストーカーとして、怒って殴れば家庭内暴力として逮捕される時代です。日
本の男性はこのような仕組みについて真剣に受止める必要があります。宗教の選択という
事柄も、どこまでも本人と話し合い,合意を得ていくという方法しかないのです。ご相談
者のうち、かなりの割合で初期過程において暴力がみられます。これは解決をもたらさな
いばかりか、信者本人に組織の教えを確信させるための手段として、むしろ組織にあなた
が利用されることになるのです。   
 
 カウンセラーや家族会との関係
 
 もっと多くのことが関係していますが、一度に学ぶことは困難だと思いますので、最後に本人と対
応することの他に、どんなことが必要かについてお話ししておきたいと思います。

 引きこもりにせよ,エホバの証人の問題にせよ、本人が家族との絆を取り戻し,家族を通して社会へ
の接点を回復していく必要があることは同じです。本人を助けたいあまり、その回復のための手段と
手順を取り違えるといっそうこじれた問題を引き起こすことになるので注意が肝要です。
 
 その一つは,家族が救出を焦るあまり、個人→家族→社会という手順を省いて,いきなり社会との接
触を強いてしまうことです。自分に手が余ると感じ,学びも家族の信頼回復も飛び越して,完全にカウ
ンセラーに委ねようとするのです。結果を焦るあまり、カウンセラーの「はしご」をする方がいますが、
これはいただけません。選択前にいろいろなカウンセラーの話しを聞いてみることは悪いことではな
いのですが、いったん奥様に最適な(性格や相性)カウンセラーを決めたなら、信頼して素直に指示
に従うべきです。
 親族や友人が、どこからか仕入れてきた、うさんくさい噂話しのようなものを鵜呑みにすることは愚
かなことです。餅は餅屋なのです。不安に思うことや、分からないことは積極的に尋ねてかまいませ
ん。
 カウンセラーにはそれに答える義務があります。
 
 ある元証人は、カウンセラーと話し合い、間違いに気づいていましたが、ご主人の前では決して
組織を辞めると言明しませんでした。ご主人との関係改善がなされておらず、「帰るところがない。」
とカウンセラーに訴えたそうです。
 これでは何のための救出かわかりません。そもそも,何からの救出を試みているのでしょうか。当面
は、ものみの塔からの救出かもしれませんが、実際には、ものみの塔の介入によってこじれた家族
や社会との健全な関係改善を目指しているのではないでしょうか。誰のせいでこうなったのかとか、
誰が悪いのかといった「犯人探し」は何の役にもたちません。自分に思い当たることがあったなら、
それは謙虚に反省し改めなくてはなりませんが、後悔ばかりして自己憐憫に陥っているのは誤りで
す。あなたがしっかりしなければ、「盲人が盲人の手を引く」結果になりかねません。
 
 もう一つの問題は、無関心と問題の棚上げです。救出しなくてはならないと認識したら、いたずら
に救出を先送りしたり、棚上げしたりすることは問題をますます深刻にします。私は一人のご老人を
知っています。彼は元気な時代、妻や子供の信仰に激しく反対していましたが、病気をし、年老い
た今は、まるで家畜でも叱りつけるかのように扱われ、不本意なまま大会に連れていかれたりしてい
ます。ホームレスにならないだけ幸運と言えますが…。
 まさに初期対応が明暗を分けるということです。手をこまねいていると、<こじれたシステム>が悪
い意味で“安定化”してしまうのです。本人は家族による十分な保護と、専門家による治療なしでは
立ち直ることが難しいのです。
 
 別の問題は、男性にありがちな“孤軍奮闘”です。先に述べたように、この問題は一人で解決する
のは難しいのでぜひカウンセラーや、家族会の先輩、元証人の助けを進んで受けることです。孤独
でいたのでは、孤立無援感や焦燥感がつのり、ストレスによって気力が奪われてしまうからです。同
様の経験を持つ家族会とも集い、セミナーなどにも参加して、同じ目的を持つ人たちと連携すること
が、長期戦になった場合でも精神的な安定を維持しやすくなると思います。家族にも理解してもらう
ことが必要です。誰かが消極的では、事は成りませんし、逆に誰かが熱心過ぎて家族会の活動や、
自分のカウンセリングに没頭しているようでは、本人は「置き去り」になってしまいます。
 意思強固なのはいいのですが、自分で治してみせると 張り切って医者に見せないというの
はただの頑固者です。治療は焦らず、あきらめず、カウンセラーや家族会との学びや交わ
りも継続して行うことが大切です。
孤立無縁で頑張って、あなた自身が絶望感や諦めをつのらせることはぜひとも避けたいも
のです。聖書にこう書いてあります。
   「人の望むものは、人の変わらぬ愛である。」(箴言19:22)
 
 
     Information
★さる4月20日(土)福岡市において、第11回「カルト問題全国集会」が開催されました。
講師はウイリアム・ウッド師、ジャン・ドゥゲン師、横山英子師(元証人)。さらに、最

近組織を出られたばかりの元長老が、ご自分の体験を話してくれました。今年から、各地
を廻る“巡回制”になりましたが、これまでの中で福岡は、最も出席者の多い集会になっ
たようです。4月29日には名古屋で集会が持たれるようです。お問い合わせは「タンポポの
会」の磯崎さんまで。рO572−23−9813
なお福岡での集会のビデオが欲しい方はお分けします。
 
★中澤啓介師の「マタイの福音書注解」の中巻が五月中旬に発刊!
 発刊に関連して、講演会が開催されます。「マタイの福音書研究の成果ー2
1世紀への適用」と題して、5月27日(月)1:3Pmお茶の水クリスチャ
ンセンターにて。お問い合わせは、市川北教会(047−338−5354)
 

        お祈りください。
●私のところには、様々な方からお便りが来ます。草刈先生からはご家族の写真入りの
JW宣教」というニュースレターをいただき、死の淵から甦った「奇跡の人」は元気で活
躍されていることを知り、励まされます。また、埼玉のウッド先生も「真理(TRUTH)」を
毎号送ってくださり、汲めども尽きない井戸のように、実話や例えばなしのすばらしさに、
感心しています。JWTCでは新学期が始まり、私もテープ受講の恵みにあずかっています。
神戸の岩村師の「目薬」もいつも読み応えがあります。「JWの夫たち」も充実しています。
また、名古屋のご夫妻からは「タンポポ通信」をいただいています。長野からは、エホバの
証人による被害者の会から「ソフィアニュース」を、埼玉のJWILからも「恵みレター」が
送られてきます。このグループは最近ホームページを立て上げました。一度覗いてあげて
ください。
 
http://homepage3.nifty.com/sharon-kubomi/index.html
 
先日は何と北海道の元証人から、「近くに引っ越した姉妹がいますよ」と連絡をいただ
きました。また、このサイトも協力者の方が管理してくださっています。

 
私の教会には、元長老が求道者として毎週来ておられます。また聞いてみると、小倉の竹
田さんの所には何人かの傷ついた元証人や、交わりを求める二世などが集まるようです。
小倉と直方はそんなに遠くないのですが、距離の問題というより、それぞれに神様が与え
た働きがあるということでしょう。地方にいて、晴れやかな場に出ることのない小さな者
でも、神様はまさに「大河の一滴」として用いてくださるのです。
 
★エステル会へおいでください!
・統一協会やものみの塔などのカルトから抜け出た方、心の癒しや暖かい交
わりの場所を必要としている元信者の方。

・カルトや異端の人々とどのように対応してよいのか学びたいと思っておられ
る方、キリスト教会のクリスチャンの方、共に学びましょう。
・家族が、統一協会やものみの塔などのカルトに入信して困っておられるご家
族のみなさん、ご相談に乗ります。遠慮なくお問い合わせください。
 
毎月第三水曜日Pm1:00(ご相談は、日時を問わずいつでも応じます)
 直方クリスチャンセンター
福岡県直方市溝堀1−2−2
рO949−24−8942
 
生武 のぞみ
電子メール アドレス :
nozomi-i@msj.biglobe.ne.jp
 
●エホバの証人に疲れた人のためのページ

http://www.stopover.org/index.shtml
 

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