諸人こぞりて

 

1 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:18
五月雨に濡れた猫


2 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:19
1.さやか

(…貴方は自分の我侭で全てを捨て様とした。
 私が、何度止めようとしても、
 貴方は己の小さな正義に頑固にしがみついたままだったじゃない?
 その結果が今の全てを失った貴方の様…
 どうして貴方は私の忠告を受け入れることが出来なかったの?
 貴方が、常々口にしている人間像は只の空想だったの?
 …でも、もう手遅れだわ。忠告は全て今罰として現実になったのよ。)

(違うッ・・・違うッ・・・私は悪くないモン・・・間違ってなかったモン・・・)

また、いつもの夢。毎晩リピートされる夢。
どんなに否定しても決して終幕を迎えない夢。

傍らでちょこんと丸まっている猫を抱き寄せて頬擦りする。
涙で濡れるのも嫌がらず猫はじっと大人しくされるがままだ。
温もりを感じると、さやかの涙は余計に止まらなかった。



3 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:20
2.武道館

5月21日武道館でのコンサートもフィナーレにさしかかった時、
それは起きた。耳を劈く様な轟音。崩れ落ちる天井。
星屑の様に舞い落ちる割れたガラスの破片。全てが壊れ、降りそそいだ。
歓声が悲鳴に変わり、熱気は悲劇に変わった。



4 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:21
3.まき

(・・・この日が来なければ良かったのに・・・)
思いは、唐突に打ち破られた。壊れていく武道館。
数瞬。決断した。壊れかけていた、まきの心が輝きを取り戻した。

幼い日に自ら封印した能力。錆付いていたかも知れない。
まきは殆ど全ての命の炎を其れにつぎ込んだ。

(誉めてくれても、貶してくれても構わない。
 生まれ変わっても、ずっと一緒に居させてく・・・)



5 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:21
4.こねこ

気がついた時、最初に目に飛び込んできたのは
一匹の子猫だった。まるでさやかを心配するかの様に傍らに控えていた。

ステージ衣装のまま、どうしてこんな所に倒れているのだろう?
あの武道館での光景は・・・

歩き出した、さやかに猫は、しつこくついて来た。
(ふぅーん。ぽえーんとした顔だけど案外押しが強いんだ・・・)

TVのニュースで武道館の事件を見て、
さやかは初めて現実感をもった。
悲しみは一度堰が切れると一向に止まる気配すらなかった。



6 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:23
5.こころのささえ

「きゅ〜ん」
慰めてくれるかの様に擦り寄ってくる猫、その一風変わった鳴き声、
決して整ってはいないけれど、可愛げのある顔。
ふにゃふにゃした中にも芯を感じさせる態度。

壊れかけたさやかの心は救いを求めていた。
さやかは猫の名前を「まき」にしようと決めた。

                    おわり



7 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/05/16(火) 15:34
しんみりとする話だ・・・ごまと幸せにな。


8 名前: 名無しさん。 投稿日: 2000/05/16(火) 16:07
いいね・・・