続・続・太陽にほえろ!

2003/6/7


 惰性で続けている太陽にほえろシリーズですが、今回が最終回です。






ボギー(世良公則)


 新明解で「ボギー」を引いたら、見出しが立てられていませんでした。


 しかたがないので、新明解の姉妹辞書『三省堂国語辞典第5版』を引いてみました。



三省堂国語辞典
ボギー(名) 〔bogy=おばけ
 〔軍〕(敵味方)不明機。
 (三省堂国語辞典第5版)




 おばけ…。


 なお、ボギー刑事のニックネームの由来は「おばけ」ではなく、ゴルフの「ボギー」です。


 …というのは嘘で、アメリカの俳優ハンフリー・ボガートのニックネーム「ボギー」からです。(ボ〜ギ〜、ボ〜ギ〜〜、あんたの時代は良かった〜♪)









トシさん(地井武男)

 別名、スッポンのトシさん。


すっぽん【鼈】
(一)日本南部の泥沼や川にすむ、カメの一種。甲らは丸く柔らかで、かみついたら離れない。吸い物にして、美味。〔スッポン科〕 (第5版)



 ここで突然、新明解グルメのコーナー。



 新明解第5版で「すっぽん」を引くと、「吸い物にして、美味」とありますが、「すっぽんの吸い物」が美味だなんて、なかなかの食通だと思いませんか?

 さすがは、はまぐりを「食べる貝でもっとも普通」と言いきる山田主幹です。





 以上、新明解グルメのコーナーでした。







マミー(長良直美)


 マミーも新明解には見出しがありません。仕方がないので、「ママ」を引きます。


ママ〔ma(m)ma〕
(一)「おかあさん」の児童語(に基づく愛称)。「教育ママ
(二)酒場などの女主人。 (第5版)



 2番目の語釈の「酒場などの女主人」って、なんだか表現が古いです。 


 ためしに三省堂国語辞典で調べてみると、「バーなどのマダム」となっていました。(カタカナにしただけかよ!!)

 なお、三省堂国語辞典の「マダム」には、この辞書には珍しい長い用例がのっています。


   バーのマダムといってもやとわれマダムです


 たまに三国さんもヒットが出ますので、目が離せません。


 ついでなので、三省堂国語辞典ネタをもう一つ。「かいじゅう【怪獣】」の用例に「怪獣ママゴン」が載っています。


三省堂国語辞典
かいじゅう【怪獣】(名)
@ぶきみな感じの大きなけもの。
A漫画(マンガ)・映画・テレビなどで作り出した、ぶきみで大きな動物。「怪獣ゴジラ」「
怪獣ママゴン〔=子どもに対して強い影響力を持つ母親のたとえ〕 (三省堂国語辞典第5版)




 「カネゴン」なら知っているし、絵も書けますが、「ママゴン」というのは知りません。辞書に載っているくらいですから、昔は有名だったのでしょう。(そういえば、カバゴンという教育評論家のような人もいました。)










ブルース(又野誠治)


ブルース〔blues の日本語形〕
 〔アメリカの黒人の音楽から始まった〕もの悲しい感じの四分の四拍子の楽曲。 (第5版)




 結局どんな音楽なのかよくわかりませんが、ブルース刑事は少なくとも楽しい感じの刑事ではないようです。








マイコン(石原良純)


マイコン
 マイクロコンピューターの圧縮表現。 (第5版)



 圧縮されてますので、解凍しますと、



マイクロコンピューター〔microcomputer〕
 集積回路により極めて小型化したコンピューター。マイコン。〔その中枢部はマイクロプロセッサー・記憶装置などから構成される。各種の機械に制御用として組み込まれることが多い〕 (第5版)




 これに限らず「コンピューター」関連の用語は第4版から格段に詳しくなりますが、これは第4版の序にあるとおり、「自然科学の専攻者中 関心の最も社会万般に向きたるを一人 選び起用」した結果であることは明らかです。

 それにしては、computerの日本語表記が、第3版までは専門家っぽく「コンピュータ」となっていたのに、第4版から「コンピューター」と最後の「タ」の後に長音符「ー」がついているのはなぜでしょう。



 せっかくなので、三省堂国語辞典でも「マイコン」を引いて、比較してみましょう。



三省堂国語辞典
マイコン(名) 〔←マイクロコンピューター〕〔理〕
 
チューインガム一枚ぐらいの大きさに、ふつうのコンピューターと同じ性能をつめこんだ、小型のコンピューター。機械や装置(そうち)に組みこんで使う。 (三省堂国語辞典第5版)




 「チューインガム一枚くらい」とか「性能をつめこんだ」とか、表現が俗っぽいですが、こっちのほうが新明解よりイメージは伝わってきます。新明解の語釈と比較すると、理系の人が書く文章と文系の人が書く文章の差がはっきり現われているといえましょう。









デューク(金田賢一)


 duke(デューク)とは「公爵」のことです。



こうしゃく【公爵】
 爵の第一位。(第5版)



 めちゃくちゃシンプルです。 では、「爵」を調べてみましょう。



しゃく【爵】
〔もと、スズメを象(カタド)った酒器の意で、後、礼器として用いられた。礼器は並べる順が重視される所から順位の意に移り、古代中国の諸侯が世襲した公・侯・伯・子・男の五つの身分を指したものという〕 外国の貴族制度にならって明治政府が制定した、華族の世襲的階級。昭和二十年廃止。「位・栄・襲」 (第5版)




 めちゃくちゃ詳しいです。爵の字の由来、爵の字の意味の変遷など、古代中国の話がえんえんと続きます。この際、スズメはどうでもいいような気がします。









DJ(西山浩司)


ディージェー【DJ】
〔← disk jockey〕 ディスク ジョッキー。 (第5版)



 単なる言い替えなので、「ディスクジョッキー」を引いてみると、



ディスクジョッキー
〔disk jockey〕 レコードを次つぎとかけながら、話し手が軽いおしゃべりをする放送番組。また、その担当者。DJ。 (第5版)





 三省堂国語辞典も見てみましょう。


三省堂国語辞典
ディスクジョッキー(名) 〔disk jockey〕
 レコードをつぎつぎとかけながら、話し手が
みじかい話題を入れる、放送番組(を受け持つ人)。DJ。 (三省堂国語辞典第5版)




 新明解は「軽いおしゃべり」、三国は「みじかい話題」。

 新明解の方は、山田主幹の主観(DJ=取るに足らないつまらないおしゃべり)が自然に出てしまったものと思われます。





 今回は気がつくと国語辞典対決になってしまいましたが、国語辞典は比較することで面白さがクローズアップされます。みなさんも複数の国語辞典を引き比べてみてはいかがでしょうか。






 

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