大人と小人

2004/4/21



 遊園地の入場券売場によく「大人1000円、小人500円」などと書いてありますが、「大人」「小人」は何と読むのでしょうか?



 普通、何となく「おとな」「こども」だと思っていますが、「小人」はどう読んでも「こども」とは読めません。普通に読めば、「こびと」です。



こびと【小人】
童話の世界によく登場する背の低い人(たち)。「白雪姫と七人の―」(第五版)




 七人の小人が遊園地に500円で入れるというわけではないので、「こびと」と読んではいけません。




 では、「しょうじん」でしょうか?



しょうじん【小人】
@誘惑にすぐ負けて初志を見失いがちであったり 初めから人生に大きな目的を持ち合わせていなかったり する人。(第五版)




 どうやら「誘惑にすぐ負けて初志を見失いがちであったり 初めから人生に大きな目的を持ち合わせていなかったりする人」は、遊園地に500円で入れるようです。




 …そんなわけないので、「しょうじん」と読んでもいけません。





 では、何と読むのでしょう? 答えは、「しょうにん」。



しょうにん【小人】
入場料金表などにおける、「こども」の漢字による表記。しょうじん。〔主として小学生を指す〕(第五版)




 読みとして、「しょうじん」でも間違いではないようです。





 では、「大人」は何と読むでしょう?




おとな【大人】
[一]@一人前に成人した人。〔自覚・自活能力も持ち、社会の裏表も少しずつ分かりかけて来た意味で言う〕 A老成していること。[二]〔子供などが〕事情を聞き分けて、静かにしている様子。(第五版)




 「社会の裏表」云々という部分は、いかにも新明解的ですが、社会の裏表がわかると大人料金になるというわけではないので、「おとな」と読んではいけません。





たいじん【大人】
@悠悠と構える超俗の人。師父・学者の姓名の下に付けても用いられる。後者の訓読は、「うし」。〔中国では官位の高い要人を指す〕 A人格が高く、りっぱな人。B巨人。(第五版)




 やはり、大人たるもの、入場料1000円は払ってもらわないと…。 


 それから、Bで巨人とあるので、巨人の選手と巨人ファンも1000円です。





 だんだんツッコミが弱くなってきたところで、答えですが、「だいにん」です。



だいにん【大人】
入場料金表などにおける「おとな」の漢字による表記。たいじん。 (第五版)





 ということで、みなさん、今日からは「大人1000円、小人500円」は「だいにん1000円、しょうにん500円」と正しく読みましょう。




 ちなみに、新明解には「ちゅうにん【中人】」も載っていますが、




ちゅうにん【中人】
〔公衆浴場などの年齢区分で〕大人(ダイニン)と小人(シヨウニン)との間。小学生のほかに中学生も含む。ちゅうじん。 (第五版)




 「中人」だけ、「公衆浴場など」と例示されています。






※本稿は、松井栄一『「のっぺら坊」と「てるてる坊主」』(小学館、2004)P8を参考にしました。 この本、題名だけでは何の本か見当もつきませんが、日本語の変遷について書かれた本です。



 

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