「お疲れさま」と「ご苦労さま」

2004/1/13




 社会人にとっては常識レベルの話かもしれませんが、「お疲れさま」と「ご苦労さま」の使い分けについて確認しておきましょう。

 一般に、目上の人に対しては「お疲れさま」を用い、「ご苦労さま」を使ってはいけないとされています。「ご苦労さま」は目上の者が目下に対して労をねぎらう言葉だというわけです。


 この点に関し、新明解には何と書いてあるでしょうか。

 まず、「ご苦労さま」を見てみましょう。第5版です。



ごくろう【御苦労】
〔「苦労」の丁寧語〕 他人の骨折りを感謝する意を表わす語。〔「…も―な話である」のように、皮肉なニュアンスを持たせて用いる場合もある〕「御苦労さまと言って皆をねぎらった」 (第5版)



 私の持っている「第5版第15刷(1999年11月1日発行)」には上記のように記載されています。ところが、職場にある「第5版(小型版)第18刷(2002年3月10日発行)」の記載はこれと違っていました。



ごくろう【御苦労】
〔「苦労」の丁寧語〕 他人の骨折りを感謝する意を表わす語。〔一般に目上の人には用いない。また、「…も御苦労な話である」のように、皮肉なニュアンスを込めて用いる場合もある〕「御苦労さまと皆をねぎらった 」(第5版・別バージョン)



 第五版の途中から、「一般に目上の人には用いない」という一文が加わっています。


 やはり「ご苦労」という言葉は、一般的には、目上の人に使うと失礼にあたるようです。




 では、「お疲れさま」はどうでしょうか。新明解には何と書いてあるでしょうか。



おつかれ【御疲れ】
相手が疲れていることの尊敬表現。「御疲れのご様子」
【御疲れ様】
仕事に打ち込んでいる人や仕事を終えて帰る人にかけるねぎらいの言葉。〔一般に目上の人には用いない〕(第5版)
注:第4版以前は「御疲れ様」は立項されていない。



 なんと「御疲れ様」も「一般に目上の人には用いない」とあります。


 これはいったいどういうことでしょうか?



 いろいろ調べたり人に話を聞いたりした結論を総合すると、

  ・目上に対し「お疲れさま」単独で使ってはいけない。
  ・目上には「お疲れさまでした」「お疲れさまです」などと言う。
  ・「ご苦労さま」に関しては、「ご苦労さまでした」と「でした」を付けても目上には使えない。

 ということのようです。


 新明解の「一般に目上の人には用いない」の一文は、「お疲れさま」を単独で用いる場合のことについて書いてあるのでしょう。


 ただし、これはあくまで一般論であって、地域によって、職場によって、上司によって、何を良しとするかの基準が違うというのが実情です。


 「お疲れさまでした」とあいさつされて「疲れてないよ」といやみをいう上司もいれば、「ボクには『ご苦労さまでした』と言ってくれたらいいから」という上司もいるでしょう。


 結局のところ、その会社やその上司がどういう言い方を適切と感じるかという趣味の問題です。社内の慣習や上司の趣味に合わせるのが正解といえましょう。




【参考サイト】

  http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?stage=2&sn=155

  http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/2000120800001.htm



 

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