新新新さへづりの夢

第六部 


平成廿二年 むつき とをか 森林公園。安西英明さんと別のぐるーぷで、行動した。やはり、安西さんの話を聞かないと、つまらない。と、判つた。例年通り、お晝までで帰る。歸り道、あをじを、まじまじと、見られたのが、せめてもの収穫。
とをかあまりなぬか 情こころの師匠、淺川マキ。赤い橋を渉る、
はつかあまりよか 農林公園。さつそく、いがまんを買ふ、餡子(あんこ)の入つたおこわ(赤飯)だ。これがたのしみでここへくるのだ。風もなく暖かい。焼き芋、うまさう。ちつちやいのを。
シクラメンを眺め、葉つぱの全くない水楢(みづなら)の、皮の剥がれた幹に、觸れる。月桂樹の葉を一枚いただく。かをりを嗅ぎながら、溜め池の所まで。まがも、きんくろはじろ、をなががも、ほしはじろ。
林の向かう、ガードレイルのそばを、たぬきが。うわつ、腹から背中にかけて、毛がない。皮膚病だな。近づいても警戒しない。枯葉を掻き分け、食べ物を探して居る。さつきの焼き芋の皮でも、投げてやるか、と、近づく。
しじふから、かしらだか。
はつかあまりなぬか 長元坊ちやうげんばうが、二羽、絡み合ひながら、上昇する。少し大きさが違ふ。
とびが、近づく。その向かうに、のすりが。すると、からすが現れ、のすりに、附きまとふ。
はつかあまりここぬか 荒川。向かう岸近くに、白鳥が泳いで居る。ひ、ふ、み、よ、いつ。五羽。
みそか 竹林のそば道。かしらだか、の、群れの中に、あをじ、と、つぐみ。
みそかあまりついたち 白鳥飛來地。駐車場に、じようびたき、つぐみ、ひよどり。
對岸の護岸工事は續いてゐる。。しじふから。あをじ。
こはくてう、が、此岸で、餌を漁つてゐる。たちまち、観光客が、押し寄せてくる。みんな、水に入り、泳ぎ始めた。向かう岸の方へ。かも、が、見える。ほほじろがも、ださうだ。かいつむり、も。はくせきれい、と、せぐろせきれい、に、混じり、たひばり。
土手に上がつて歸る。でも、なかなか先に進めない。ほほじろ、や、かしらだか、と、にらめつこ。
さぎ、が、舞ひおりる。だいさぎ。草むらに、あをさぎ、も、じつとして居る。
しめ、が、囀つて居る。えなが、の、群。かはらひは、の、群。かしらだか、の、群。


平成廿二年 きさらぎ はつかあまりついたち こはくてう、が、麥畠に集まつてゐる。青あをとした葉つぱを、むしやむしゃ、食べてゐる。眠つてゐるのも。數十羽。水鳥つていふのは、みんな、魚を食べるのかと、勘違ひしてゐた。お恥づかしい。草食なんだ。通りがかりのおぢさんも、同じやうな質問をしてゐた。素人はみんな、さうなのかな。でも、むぎは、大丈夫なんだらうか。糞が肥料になるだらう、といふこともあるさうだ。白鳥も、ずつと、居る譯でもないし。ひばり、が、揚がる。また、あがる。かはらひは、の、群が、川原の方へ。
白鳥飛來地。しづかだ。小鳥のさへづりがしない。あつ。からす、に、追はれてゐるのは、おほたか。いや。からす、より、かなり小さい。はいたか、かな。こはくてう、は、居る。ほほじろがも、も、居る。かいつむり、はくせきれい、せぐろせきれい。きせきれい。だいさぎ。
古墳のところで休む。つぐみ、ひよどり、しじふから、かはらひは、めじろ、はしぶとがらす。えなが、の、さへづりがするけど、姿は見えない。遠くで、ちよつとこい、が啼く。木の間に、突然、のすり、が、現れ、消える。
はつかあまりなぬか 病院裏の溜め池。こがも、が、飛び立つ。驚かしてしまつたらしい。藪の向かう側に、居るとは、思はなかつた。お休み中、失禮しました。眞ん中邊に、きんくろはじろ、の、番。かるがも。藪から、じようびたき。


平成廿二年 やよひ とをかあまりふつか 電線に、一羽の、からす、と、仲良く並んで、一回り大きい何かが、止つて居る。向うを見てゐる。近づく。近づく。近づく。こちらを振り向いた。のすり、だ。目が合つた。自転車が來たので避ける。飛んでしまつた。からす、といつしよに。
じようびたき。つぐみ。ひばり。しじふから。をなが。もず。
とをかあまりみか 電線に、はくせきれい、と、ちやうげんばう。すぐ、飛び立つ。すると、せきれい、が、ちやうげんばう、を、追ひはらひ始めた。母は、父かも、強い。
けふは暑いくらい。てふてふも飛ぶ。ほたるが、も。
うりつこ。ゐのしし、の、仔が、死んでゐたさうだ。やせ細つて。餓死だつたさうだ。
うぐひす、の、下手つぴいな初啼き。
とをかあまりよつか 雉岡城。白つぽい蝶が、飛んでゐる。もんしろてふ、ではなささう。動きが速い。パンジーの上を、おほいぬのふぐり、の上を。やつと、留まつた。端が黄色い。速い、速い。追ひかけたが、見失ふ。
金鑚神社。この間の雪で、あちこち、樹木が折れてゐる。山道が、ふかふかする。木つ端を敷いたやうな感じだ。鏡岩への登り口に、あかざの杖が、貸し出し用に置かれてゐるのを、借りてみる。道沿ひは、あをき、が多い。倒れた木が何本も伐られて、端に片づけられてゐる。倒れたばかりの木の下を潜る。鏡岩は、杉の枝葉で覆はれてゐる。頂上に出る。この山から赤城山まで、山らしいものが見えない。おにぎりをいただき、一服。歸りに鏡岩の枝葉を掃ひ、手で撫でてみる。のすり、が、上空を横切る。谷川に、るりたては。
はつか うぐひす、が、あちこちで、囀りはじめた。
しめ、は、そろそろ歸るのかな。つぐみ、も、じようびたき、も。
ちやうげんばう、が、何か咥へて、横切る。雛だな。すずめ、か、何かの、ひなだな。
いたち、だ。ビニールハウスの中を駆け抜ける。黒猫が見つけた。なんだらうと、追ひかける。猫の方が二三倍大きい。ごみ置き場に逃げ込んだ。猫が眺めて居る。
はつかあまりついたち 小川町元氣ぷらざ。黄砂と強風で、小鳥の囀りが、まつたく聞えない。もみぢばふう、の、實を拾ふ。きぶし、の、花がこんなにあつたのかと思ふほど滿開。めじろ、の、群だ。
はつかあまりふつか 寶登山。ロウプウエイの下の道を登つてみる。水松いちゐ、の、大木が何本もある。一番大きさうなやつが、道にその根をさらしてゐる。支へなくて大丈夫なのだらうか。杉が、かなり伐採され、見通しが良くなりすぎてゐる。その代りに、かへで、かな。幼木が植ゑられてゐる。からす、の、行く先を追ふ。すると、たか、が、飛び立つ。からす、より、少し大きい。白つぽい。なんだらう。お。雙眼鏡やら望遠鏡を携へた一團。早速質問。ロウプウエイの登り口で、おほたか、の、番が居た、とのこと。何者。おそれおほくも、野鳥の會埼玉支部。めじろ、だ。えなが、だ。やまがら、だ。こげら、だ。こがら、だ。こがら?どこどこ。たしかに、しじふから、のネクタイがないやつが居る。ありがたうございました。そのまま、追ひ抜く。頂上の小動物園に入つてみる。こがら、が、盛んに囀つて居る。高原に來たみたいな氣分。人の歩く道を、こぶた、が、歩いて居る。堂々と。人間より人間らしい。町中でも、ぶたは、自活できるかもしれない。


平成廿二年 うづき ついたち 近くに、うぐひす、が、來て居る。
電線で、ほほじろ、の、にぎやかな囀りが始まる。
ひばり、が、揚がる。
もず、も、活發に行き交ふ。
木蓮の花は、この間の寒さで、色褪せる。
木蓮の花錆ぶ鉄器時代かな   在 氣呂
うづき なぬか 森林公園。寒い。寒い。ジヤンパーでも寒い。
めじろ、やまがら、しじふから。たか、三羽、上昇。高過ぎて、影しか見えない。
あをじ、がびてう。そして、枯葉にもぐり、がさがさやつている奴も、どちらかだな。あれ、どちらでもない。しろはら、だ。
ほほじろ、かはらひは。しめ、の、群。
こげら、の、声がする。うぐひす、の、まだ、なさけない囀り。遠くで、あをげら、の、ぴよー、ぴよー。
歩いても歩いても寒い。昼飯。お。こんなに。豪華。
うつき とをかあまりついたち 鉢形城。あをげら。北條祭り。いかるちどり。鉢形。あをげら。
うづき とをかあまりようか 富岡製糸場。木造建築で、壁の代りに、煉瓦が、はめ込まれてゐる。不思議。繭の中の、いもむしちやんは、繭を煮ると、すごい臭ひになるさうだ。それで、すでに當時、下水処理施設が、地下に作られたさうだ。
うつき はつかあまりいつか 官の倉山。杉とあをき、ばかり。頂上。いはつばめ。石尊山。
はつかあまりようか 昨日、玄關きてゐた、つばめ、は、どうしたらう。
出勤途中。川べりの林で、おほるり、の囀り。姿は、見えない。
をなが、が、電線に。


平成廿二年 さつき はつか ほととぎす、の、一
おけら、を、踏んでしまつた。だめだ。こりや。
去年と同じ畠に、こちどり、が。ち、ち、ち、と言つたら、道に出てきた。こつちを見てゐるので、なんで、こんなところに來て居るんだい、と、たづねたら、ぴ、ぴ、ぴ、と飛んでいつてしまつた。もう一羽は、知らんぷり。
さつき はつかあまりついたち こちどり、の、雛が二羽、おなじ畠に。透き通つてゐる。今流行の、立體畫像みたいだ。ぴ、ぴ、ぴ、と言ふと、ぴ、ぴ、ぴ、と、砂利道に出てくる。危ないぞ。ぶうぶう。親鳥が、でつかく見える。
さつき はつかあまりふつか ざあざあ雨の降る中を、農林公園へ。もちろん、いがまんを買いに。ほととぎす、が、出迎へてくれる。人はほとんど居ない。さんぽは、自分たちだけ。こんな雨の中、散歩するのが好きなのは、俺たちくらいだ。てつぺんかけたか。てつぺんかけたか。新緑が、雨に美しい。つま先が濡れてくる。がびてう。
さつき みそかあまりついたち 荒川。向岸で、せつか、が、囀つてゐる。こちらでは、おほよしきり。
池。この、いととんぼ、は、くろいととんぼ、とか、そんなやうな奴だな。しやうじやうとんぼ。しほからとんぼ。これは、粉だらけで、しほからとんぼ、より、小さいなあ。しほやとんぼ、つて、言ふ奴かな。ぎんやんま。ぎんやんま、に、似た奴。ほととぎす、が、通る。
棚田。きびたき、が、近づいてくるけど、見えない。遠くで、つきひほしほいほいほい、みたいな、さへづり。しやうしやうとんぼ。羽が黄色い、きとんぼ、みたいだけど、しやうじやうとんぼ、の、雌、かな。


平成廿二年 みなづき ついたち 池。けふは、きいととんぼ、が、ゐる。
大きい方の池。しほやとんぼ、が、胸にとまつた。右の後ろ羽が、ちぢんでゐる。つかまへるぞ、と言つて、両手で、はさんだけれど、輕くつかみすぎて、逃げられる。そのうち、雌がやつてきて、腰にとまる。
ほととぎす。
みなづき ふつか 里山。えごのき、の花は、散り始めたけれど、ねぢき、の花は、まだ咲いてゐる。
水を引いたけれど、まだ、田植えのされてゐない棚田のそばに、きせきれい。
しほやとんぼ。ほととぎす。がびてう。
トンボ公園。おほよしきり、が、こんなところに。いととんぼ、の、大きい奴と小さい奴。おにやんま、だと思ふけれど、少し小さ目に見える奴。どかからきたのか、めす。合體して、木の上へ。しほからとんぼ。
おほたか、だ。だらう。もう一羽、現れる。
がびてう。雉。ちよつとこい。
みなづき いつか 池。きいととんぼ、だけ、かと思つたら、さなへとんぼ。こさなへ、かな。
大きい方。つ黒なのが、切つた。てふとんぼ、かな。
みなつき なぬか 池。きいととんぼ、こさなへ。くろいととんぼ、かな。
みなづき とをか 谷川。みやまかはとんぼ、雄、雌。あれ。羽が透明で、白い粉を吹いてゐるのが居るぞ。少し小さ目。かはとんぼ、の、雄かな。
じやかうあげは、ではないか。胴體が、赤いぞ。うわつ。羽がぼろぼろ。よく飛べるな。のあざみ、の、花から花へ。
夕方。ほととぎす。
みなづき とをかあまりついたち 線路のそばの坂。白い花。あはぶき。
みなづき とをかあまりふつか 溜め池。こしあきとんぼ、が、現れた。くろいととんぼ、みたいのも居る。がびてう。ほととぎす。うぐひす。あをげら。しじふから。かいつぶり。
里山。こあじさい、が、かはいい。ねぢき、の、花は、まだ白い簪。棚田はまだ植えられてゐない。水の中を覗いてみる。おたま、や、小さなあめんぼ、の他に、まつもむし。げつ。蛭も居る。でつかいのがこちらへ。十センチ近い。口をとんがらせ、何かを吸い込みながらやつてくる。血は、やらん。
たんぼ。はらびろとんぼ。
トンボ公園。あつ。いたち、だ。少し止まつたけれど、葦の陰。しようじようとんぼ。しほからとんぼ。
みなづき はつか 溜め池。こしあきとんぼ。しようじようとんぼ。くろいととんぼ。
里山。しもつけ。きんもんが。おほしほからとんぼ。てんぐてふ。
みなづき はつかあまりひとひ 棚田跡。しようじようとんぼ。しほからとんぼ。おほしほからとんぼ。しほやとんぼ。みやまさなへ?。こしあきとんぼ。
きせきれい。
みなづき はつかあまりみか ずつと、逢つてゐなかつた、こちどり、に、出會つた。一羽だけだつた。ぴぴぴ。子供は大きくなつたかい、と、尋ねると、ぴぴぴ、と答へた。
みなづき はつかあまりいつか 池。葦が刈られてゐた。でも、殘された莖に、きいととんぼ、が、まだ居る。一匹、おほあをいととんぼ?かな。
大きい池。しようじようとんぼ。しほからとんぼ。ぎんやんま。