
今日は近所の夏祭りだった。
祭りの夜は何処からともなく、 「祭りパワー」
が沸いてくる。
家を出るときから何だか、ソワソワしはじめて 祭りの人ごみの中に入ると、
その 「祭りパワー」 は全開になる。
笛や太鼓の音色、華やかな屋台の光にどんどん
非現実的な世界に引きずるこまれて、
フワフワした なんとも気持ちのいい 気分になる。(祭り中毒・・・かも?)
日々の忙しい生活を忘れるにはもってこいの場所だ。
この 「祭りパワー」 は、なんで沸いて来るのか?
そこには いろんな要素(期待)が入り混じっていて、
「もしかしたら今夜、偶然知り合った お色気ムンムンな
浴衣お姉さんと、もんもんな事になるかもしれない」
なんて、ありもしない 一夏のアバンチュール
が 頭のなかを駆け回ったり、
「久しぶりに会う、同級生が 素敵な大人の女性に変身していて、昔の思い出話に
花が咲いた二人は・・・」
なんて、またまた アバンチュール がよぎったりする。
その後にやって来るのが 「祭りの後の静けさパワー」
だ。
男同士だとパワー半減だが、祭りで知り合った女性が一緒だと「静けさパワー」は全開になる。
ここで浜辺パワーも同時に使うと効果てきめんだ。
海に行って花火でもして、最後に 手ボタン(線香花火) なんかすると、さらにパワーは炸裂する。
それは 手ボタン が 人の一生に似ているからだ。
最初は小さな火だが、少しづつ大きくなり最盛期を迎え、やがて衰えていくき、最後は儚く散ってしまう。
そんな人生の縮図を見ていると、「静けさパワー」は「寂しさパワー」に変わっていく。
なんとなく寂しくなり、今日を終わらせるのが、むちゃくちゃ もったいなく感じてくる。
女: 「今夜は一人になりたくないの・・・」
海を見つめながら、彼女はそう言った。
男: 「どうしたんだい 君らしくない」
彼女らしくない言葉に、男は少し驚いている。
女: 「彼方って悪い人ね 私をこんな気持ちにさせるなんて・・・」
彼女は 顔を少し傾け、上目づかいでこちらを見ている。
男: 「俺が悪いわけじゃない みんな
手ボタン が悪いのさ」
男の腕が、やさしく彼女の肩にまわり、自然と唇と唇が重なり逢う。
(フェードインしてくる音楽)
寄り添う二人
─終─
だがしかし、一歩間違うと 「寂しさパワー」 は 「むなしさパワー」 に換わってしまうので気をつけたい。
女: 「彼方と居ると どうしてこんなに虚しくなるの?」
燃え尽きた花火を見つめながら、彼女はそう言った。
男: 「どうしたんだい 急に・・・」
予想外の言葉に、男は戸惑っている。
女: 「彼方ってつまらない人ね 私をこんな気持ちにさせるなんて」
彼女は顔を少し傾け、 呆れたように こちらを見ている。
男: 「俺が悪いわけじゃない みんな手ボタンがわるいのさ・・・・そう 手ボタン。・・・わかる?手ボタン・・・」
男の声は、波の音にかき消され、彼女はそっとその場を立ち去る。
(フェードインしてくる音楽)
わかれる二人
─終─
話がそれてしまったが、「祭りパワー」は、いろんなパワーの源であり、原点だと思う。