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フィリピの信徒への手紙
フィリピのしんとへのてがみ Letter of Paul to the Philippians


ピリピ人への手紙ともいう。新約聖書の一書。パウロが、古代マケドニアのフィリピ(フィリッピ)にいるキリスト教徒にあてて書いた手紙。かつては、彼がローマで投獄されていた60年代前半に書かれたものと思われていたが、現在では、それより前にイオニアの古代都市エフェソスで投獄されていたときの手紙とみられている。また、パレスティナのカエサレアの獄中で書かれたとする説もある。

フィリピの教会は、パウロがヨーロッパでつくったはじめての組織だった。信徒たちは長年、パウロへのかわらぬ忠誠をしめし、気前よく寄付して彼の活動を援助した。

パウロは手紙をとおしてフィリピの信徒に、「私の身におこったことが福音の前進に役だつ」(1章12節)とつげた。さらに、「へりくだって、死にいたるまで従順」だったために神から高い地位をあたえられ、万民にみとめられたイエスをみならうようにすすめている(2章8〜11節)。

現在の状況と心境をかたったのち、パウロは信徒たちに将来の計画を明かしている。すなわち、テモテをフィリピにつかわし、出獄できたら自分もいきたいとかたっている。さらに、「よこしまな働き手」(3章)など真実の信仰をさまたげるものに警戒し、信徒が一致団結して不動の信念をもつようよびかけるとともに、フィリピの信徒の援助に感謝している(4章)。

イエスを僕(しもべ)とよび、イエスの生涯の信条にふれた詩的な節(2章5〜11節)は、キリスト論として、パウロの手紙の中でもっとも意義深い。これは古い讃美歌で、パウロが初期キリスト教会にひろまっていた典礼書から引用したのではないか、とする学者もいる。

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