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コヘレトの言葉
コヘレトのことば Ecclesiastes


旧約聖書の一書。「伝道の書」ともいう。英語名のイクリージアスティーズ(Ecclesiastes)は七十人訳聖書のギリシャ語からきたもので、「会合に参加する人、あるいはそこで話をする人」を意味すると考えられている。ギリシャ語のタイトルはヘブライ語のコヘレトの翻訳で、一般的に「説教者」と訳されるが、正確な意味は不明である。コヘレトは自分自身を「エルサレムの王、ダビデの子」とほのめかしているので、本書は伝統的にイスラエルの王ソロモンの作とされてきた。

「コヘレトの言葉」は12章からなり、人生の目的や性質に対する一連の悲観的な洞察がかたられている。この書物のいちばん最初に書かれている結論は、「すべては空(むな)しい」である。知恵と富を探求し、快楽を追い、忠実にはたらき、不正や邪悪をなげいても、結論はいつもおなじで、「これまた空しく、風を追うようなことだ」。このテーマの反復が、自然現象はくりかえし、さだめられてさえいるという仮定とむすびつき、作者を快楽主義的でシニカルな考えにさせている。これは初期の旧約聖書の精神とは正反対だったため、ユダヤのラビたちは当初この書物をかくそうとした。だがこの書物がすでに普及していたことと、ソロモンの作とされていたため、最終的にはヘブライ語原典の第3部(諸書)にいれられた。

現代の学説では、「コヘレトの言葉」は前3世紀のものとされている。当時のユダヤ人は快楽主義やストア学派のようなさまざまなギリシャ哲学体系の影響下にあった。本書は「ヨブ記」と「箴言」とともに旧約聖書の知恵文学に属す。

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エホバの証人の間では「伝道の書」という名で浸透しています。


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