-エンカルタから見る-
ネヘミヤ記
ネヘミヤき Book of Nehemiah


1.プロローグ

 旧約聖書の一書。前5世紀のユダヤの指導者ネヘミヤの物語。ネヘミヤはペルシャの王アルタクセルクセス1世の高官で、前444年に王からユダの総督としてエルサレムを再興することをゆるされた。「ネヘミヤ記」はネヘミヤがおこなったエルサレムの再建の記録である。

「ネヘミヤ記」はヘブライ語正典の第3部「諸書」に属し、キリスト教の旧約聖書では4世紀以来、「歴代誌・上下」「エズラ記」につぐ独立した書としてあつかわれてきた。しかし、本来は「エズラ記」とあわせて1巻の書物だった。これらの書には、アダムから前5世紀後半までのイスラエルの歴史がしるされている。

2.作者

 現代の聖書学者は、「歴代誌」「エズラ記」「ネヘミヤ記」を同一の作者あるいは編者によるものと考えている。「歴代誌家」とよばれるこの人物は、一般にレビ人だったとされ、おそらく前3世紀ごろ、全編を著述あるいは編集した。同書をオリジナル作品とする見方もあるが、多くの学者は、神殿文書などの古文書、イスラエルの預言者や改革者エズラの回顧録、そしてネヘミヤの回顧録を参考にして編集されたものと考えている。

3.内容

 「ネヘミヤ書」は、バビロン捕囚時代(前597〜前538)後のエルサレムが荒廃していることを、ペルシャ王の側近であるネヘミヤが知る場面ではじまる。ネヘミヤはエルサレムの復興をてつだうため、祖国への帰還を王に請願し、期限付きでそれがゆるされるとユダの総督として同地へむかった。

ネヘミヤはまず城壁をたてなおすよう人々に指示し、敵の妨害をうけつつも52日間で完成する(6章15節)。さらに宗教と社会の改革に着手。高金利を禁じるいっぽう、まずしい人々の負債を帳消しにし(5章)、「神の会衆」から異邦人を排し(13章1節)、安息日の労働と取り引きをやめさせ(13章15〜21節)、イスラエル人以外との結婚を禁じた(13章23〜28節)。また、イスラエル人のエルサレム占有を保証し(11章)、復興した神殿での奉仕を堅持し(10章)、モーセの律法を朗読する作法を確立した(8章1節)。

多くの研究者の意見では、1章1節〜7章5節、11〜13章はおおむねネヘミヤ自身の回顧録をもとに書かれている。それ以外は、エズラの資料や、同時代か後世の神殿の記録がもとになっていると考えられる。

Microsoft(R) Encarta(R) Encyclopedia 2000. (C) 1993-1999 Microsoft Corporation. All rights reserved.


聖書研究デスクへ戻る