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申命記 
しんめいき Book of Deuteronomy


旧約聖書の5番目の書。モーセ五書のひとつで、かつてはモーセの著作と考えられていた。表題のもとになったギリシャ語デウトロノミウムは「第2の律法」を意味するが、これは17章18節の「律法の写し」の誤訳である。邦題の「申命記」も、申は「ふたたび」、命は「律法」をあらわし、誤訳を踏襲している。

内容は、モーセの説教と教訓が中心である。冒頭には、イスラエルの民がシナイ山からモアブにたどりつくまでにおこった出来事が要約されている(1〜4章)。つづく2つの章ではモーセの十戒がくりかえされ、神法の遵守が説かれている。ここにはまた、シェマとよばれる訓戒「きけ、イスラエルよ。われらの神、主は唯一の主である」(6章4節)がふくまれている。これは、いまでも朝晩となえられるユダヤ教の信仰告白であり信条である。7〜26章には信仰および社会生活に関する律法、さらに27〜28章には、律法にしたがう者の祝福としたがわない者の呪いがしるされている。終幕は、モーセの最後の演説、後継者ヨシュアの任命、モーセの別れの歌、イスラエルにあたえるモーセ最期の祝福、そしてモーセの死でしめくくられる(29〜34章)。

「申命記」の成立史、とりわけ律法の原資料については、さまざまな説がだされている。ある説は本書の大半を、「列王記・下」22〜23章や「歴代誌・下」34〜35章にしるされた「律法の書」と同一視している。これは前8世紀から口承され、前7世紀に記録されたが、一度消失し、のちに再発見されたものである。「列王記」などによれば、「律法の書」はユダ王国の王ヨシヤの時代、神殿修築のおりに発見されている。

また一説によれば、「申命記」の大半が前7世紀後半に書かれ、前622〜前621年のヨシヤの宗教改革に重みをあたえるため、モーセの「著作」にされたという。王はエルサレムの神殿での礼拝を最重要視しており、この考えは本書の著者のものでもあった。

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