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ヨナ書
ヨナしょ Book of Jonah


1.プロローグ

 旧約聖書の十二小預言書のひとつ。前8世紀のヘブライ人の預言者ヨナが体験したさまざまな出来事を書きつらねている。

2.内容

 ヨナは神から、「大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。彼らの悪はわたしの前に届いている」(1章2節)と命じられる。しかしヨナは、主の命にしたがわず、船でタルシュへにげようとした。すると、はげしい嵐がおこり、おそれおののいた水夫たちは、ヨナに命じられるまま彼を海中になげすてた。ヨナは、巨大な魚にのみこまれたが、魚の腹の中から祈りをささげ、陸地にはきだされ、ふたたび「ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ」(3章2節)という神の命をうける。ヨナの説教によってニネベの人々はくいあらため、神は彼らの行いをみて災いをくだすことを思いなおした。ヨナは、神が思いなおしたことに不満をもったが、神は彼をたしなめ、「12万人以上の右も左もわきまえぬ人間」(4章11節)をゆるす。

3.作者

 現代の聖書学者は「ヨナ書」を一種の寓話とみなしている。伝説では預言者ヨナが書いたとされているが、バビロン捕囚後(前538年以降)に第三者が書いたとする説もある。これに対し、ヨナの時代とニネベ滅亡までの間、すなわち前8世紀半ばから前612年までに書かれたものだと、いまだに信じている学者もいる。

4.解釈

 ヨナが魚にのみこまれ、その後はきだされるという筋は、イエス・キリストの埋葬と復活を預言したものだと、キリスト教徒は考えている。この象徴的解釈にもとづき、石棺浮き彫りなどの初期の葬祭美術には、ヨナをえがいたものが多い。いっぽうユダヤ教では「ヨナ書」を、神の普遍の愛をえがいたものと解釈している。

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