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ゼカリヤ書
ゼカリヤしょ Book of Zechariah


1.プロローグ

前6世紀のイスラエルの祭司・預言者ゼカリヤにちなんだ旧約聖書の一書。十二小預言書のひとつ。

2.成立

 ゼカリヤが執筆したと思われるのは最初の8章のみである。研究者によれば、ゼカリヤは前520年から前518年ごろまで預言者として活動していた。彼自身と弟子がおこなった預言の記録は、その後まもなくまとめられたと考えられている。9〜14章は、その形式や表現、背景となる歴史や神学が前半とことなり、およそ100年後に書かれたというのが現在の通説である。後半部は、かつて前586年のバビロン捕囚以前の執筆ともいわれていた。

3.内容

前半の8章は、バビロン捕囚がおわった直後(前538年以降)の時代相を反映しており、主の到来にそなえてエルサレムと神殿が再興されるようすがしるされている。ここでは、人々の献身と従順、内なる霊性、ユダヤ人と異邦人がともに神を礼拝する平和な世界の到来が強調されている。

前半部はさらに4部にわかれる。最初の部分は、悔い改めについての簡単な勧告である(1章1〜6節)。次に、前519年に預言者がみた8つの幻をとおして、神の言葉がつたえられる(1章7節〜6章8節)。天使によってしめされる黙示録的な幻は、メシア(救い主)の到来がさしせまっていることを予告する。第3部には、人々をみちびき神殿を再建する指導者の象徴的な戴冠(たいかん)のようす(6章9〜15節)、第4部には、再興したエルサレムのあるべき姿がしるされている(7〜8章)。

後半の6章は旧約聖書の中でも、もっともわかりにくい部分である。大半は、難解な暗示をともなう神の黙示録的な言葉からなるが、その中心はイスラエルの再興とメシアの出現、そして新たな契約がむすばれ、イスラエルの神が全世界の神となる「主の日」の訪れである(9〜11章)。後半部は絶望的な語り口でつづられており、主以外に救いの道がないことが力説されている。

キリスト教徒は「ゼカリヤ書」の最後の6章に対し特別な意味付けをしており、この唯一のメシアこそイエス・キリストであると考えている。9章9節はエルサレムへのキリストの勝利の入城、9章10節はキリストによる全宇宙の支配、11章12節はユダの裏切り、12章10節と13章6節はキリストがうけた傷、13章7〜9節はよき羊飼いであるキリストを預言するものと解釈している。

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