『ドアの向こうのカルト』の公式紹介ページ
九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録


ハードカバー 320ページ 河出書房 定価1800円。
アマゾンへのリンク 全国の書店で1/18/2013発売。

各メディアでも大反響!!


「サンデー毎日」2013,2,3号

「日刊サイゾー」

「読売新聞」2013年2月24日 文化欄書評

 

本に関連して:
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■本の序文
■本では公開できなかった写真(著者提供)
■雑誌での取材

内容紹介:九歳の時に母親の入信をきっかけに家族全員がエホバの証人となり、25年間の教団生活の後に親族一同が教団を抜けるまでのドキュメンタリー手記。著者は子供の頃からロンドン、ロスアンジェルス、ニューヨーク、ハワイ、日本での生活経験を持つ。エリート銀行員の妻であった母親が「家族のために」と良かれと思い聖書の勉強をエホバの証人たちと始める。しかしやがて教団の厳しい規則が家族一同の生活を支配するようになる。元信者ならではの目線で書かれており、教団の実態、教団信者の内情がリアルに克明に描かれている。

著者は教団の方針により大学を断念し、十九才の時にニューヨークにある教団のブルックリン本部に入る。本部を出た後にグラフィックデザイナーとしてのキャリアを歩み始める。後にヤフーに転職するものの週三度の集会に時間通りに出席するのは大変困難であった。子供が二人いる状態にも関わらず、母親からは仕事をやめて新聞配達をしろと毎回説教をされるようになる。信者ではない人々はサタンの世の人と刷り込まれていために友達も教団の外につくることはなかった。教団からの布教活動の時間のノルマをこなすために、週末は一日中見知らぬ人の家のドアを叩いて周った。この本のタイトルはこの活動に由来している。しかしやがて教団の他宗教を強烈に裁き否定する教義に疑問を抱くようになる。神による平和と愛を述べ伝えながら、自分自身が宗教紛争のいったんを担っているのではないかというジレンマを感じるようになる。また、家族のためにと聖書を勉強した家庭が崩壊していくのを目の当たりにして、本当にこれが神の望む意志なのか?と考え始める。

後に東京ガールズコレクションで有名となるブランディング社で仕事をする事になる。女性市場を一世風靡したガールズウォーカー、ファッションウォーカー、キットソン、LAセレブなどのプロデュース業に携わるようになる。華やかな舞台での仕事とは裏腹に、著者自身の意志と教団の指針との間で大きな葛藤を抱えるようになる。教団が主張するキリストの自己犠牲精神と自分の自由意志を殺す自己否定はどこが違うのか? そんなある日、突然自ら宗教の洗脳から解かれる出来事が起きる。しかし自分が信条を翻すと脱藩者扱いになり、自分が知っている唯一の共同体から村八分になることは明白であった。長年の唯一の友や仲間からは「サタンに魂を売り渡した反逆者」というレッテルを貼られ連絡を絶たれることになる。また親族一同が教団の信者であったために親族からも大きな抵抗を受けることになる。親からは毎週「教団に通報して親子の縁を切る」と泣きながらヒステリー状態での電話がかかってくるようになる。そこで著者は意を決して親族一同を教団から解約する事を決意。

カルト教団の中での生活という重々しいテーマの中、著者は自分の境遇や環境を楽しく軽快に小説のように綴っていく。教団部外者の専門家や評論家には決して分からない信者の思考や心情を浮き彫りにしていく。なぜ信者は世の終わりであるハルマゲドンという突拍子もない教義を信じるに至るのか。また、平和主義と愛を唱える無害と思える宗教が家庭崩壊を引き起こす過程も語る。洗脳がいかに当人たちの自覚のないまま進むのか、どうやったら洗脳を解けるのかまでも分かりやすく説明。エホバの証人に限らず全ての宗教が抱える潜在的なカルト性を説く。さらに、普段はカルトとは無縁と思っている人たちが、いかに簡単にカルトに巻き込まれやすいか注意を促している。カルトと日常生活の距離は意外と近く、あなたの家のドア一枚で区切られているだけなのである。普段は自分とは無縁に思える宗教がいかに社会全体を動かしているかも分かりやすく解説。宗教を理解する上での貴重な一冊となっている。

著者が親族・親友を教団の教理の洗脳から解くためにつくった当時の資料:
■真理真 JW解約(2008)


著者に関して:
熱心な母親を筆頭に父親、弟、妹全員がエホバの証人であった。父親はやがて長老となり、自身は弟とブルックリン本部での活動に携わる。妻の実家も信者であり、彼女の兄は海老名支部の幹部である。自身の弟夫婦、妹夫婦も全て熱心な信者で構成されていた。三十五歳の時に教団の教理と聖書そのものの矛盾に気がつき2006年の夏に脱退する事を決意。一年かけて妻と妻の両親、自身の両親と弟夫婦を解約させる。また仲のよかった友達とその家族の解約も手伝った後に正式に脱退届けを提出。その後、2008年の2月に「真理真のJW解約サイト」を閉鎖しており、現在は解約資料を「エホバの証人Q&A」サイトで見ることが可能。著者は現時点では宗教に関しては全ての意味において中立の立場をとっている。自身の信条としては、神を信じるのに人が創り上げた教団は必要ないが、同時に必要な人にとっては必要であるという見解とのこと。


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