エデンにリンゴとヘビと自由意志を放置したエホバの責任


 エホバの証人は、聖書の音信を「良いたより」と呼びます。彼らが信じる聖書の主要教理は「購い」です。それは、アダムとエバの原罪により、人類は神から孤立し罪や不完全性に囚われるようになったが、神がひとり子イエスを購いの犠牲として死なせてくださったことにより、罪や不完全性からの解放が可能になり、再び神との交わりへの道が開かれたということです。しかし...

 確かに人類を”窮地”から救ってくれるのはエホバかも知れません。しかし、窮地に陥るようにしたのもエホバ自身ではないでしょうか。 現在の”呪われた”世界は、アダムとエバが禁じられた木の実を食べたゆえに生じました。この原罪に関して、責任があるのは本当にアダムとエバと誘惑した蛇つまりサタンだけでしょうか?

 エホバはまず人間を自由意志を持つ者として創造しました。つまり自分の言うことを聞くか聞かないか分からない状態です。そこに決して食べてはいけない大事な果樹をわざわざ配置し、その上誘惑する蛇を野放しにしておけば、食べてしまう可能性だって半分はあるでしょう。例えアダムとエバが食べなくても、同じく自由意志を持つ子孫が地に満ちあふれていけば、いずれ誰かは食べることになったでしょう。つまり人に自由意志を与え木を配置した限り、最初から「罪」は絶対に発生するシステムだったのです。

 協会はよく、淫行の罪を犯さないために「家やアパート、あるいは駐車中の車の中でデートの相手と二人きりになるといった、誘惑につながりやすい状況は避けるべきです」などと言いますが、「善悪の知識の木」をアダムらの住まいの真ん中に無防備に置くことによって、誘惑につながりやすい状況をセッティングしたのはエホバ本人です。本当に愛情深くて賢明な親なら、劇物や爆弾を子供の手の届くところへ置くでしょうか?「善悪の知識の木」の実とは、人類全体に罪や不完全性や苦しみをもたらす何よりも危険で恐ろしいパンドラの箱だったのです(エホバは後からケルブ2人と回転しながら燃える剣で木への道を守らせましたが、最初からそうすれば食べることもなかったでしょう。-創3:24)。

 エホバは全知全能なのですから、当然現行のようなシナリオに展開する可能性は初めから予想できたことでしょう。こう考えると、エホバには全く責任がないと言えるでしょうか?

 あるいは、自由意志を与えたのに、自分が望む方を選ばないことを「罪」として処罰する神は果たして正しいのでしょうか?なぜ神は人間に自由意志を付与したのでしょう?協会によれば、プログラムされたロボットのような人間に賛美されてもうれしくないからだそうですが、それははっきり言って単なる神のエゴのような気がします。

 自由意志を与えるということは、「善人」を造ることでもあるし「悪人」を造ることでもあるのです。自由意志を与えられた人間の中に、神の思い通りに動かない者も大勢現れることは必然のことです。その上で神の崇拝者だけの世界を造るためには、それら人間を試し、裁きにかけ、大勢の犠牲者を出さなければならないことも分かっていたはずです。

 つまり、エデンの事件もノアの大洪水もハルマゲドンも、起こるべくして起きた(る)事であり、最初から神の頭の中で想定されていたことだったのでしょう。神に従わない者は必ず出現するだろうし、それらは必ず処刑しなければならないからです。

 「購い」によって道を開いてくれたとは言え、聖書によれば「命に至る門は狭く、その道は狭められており、それを見い出す人は少な」く、大多数の人間は結果的には悪者で処罰されることなります(マタイ7:13,14)。つまり創造された人間の大半は神に認められず滅ぼされるために生まれてきたようなものです。聖書の音信を「良いたより」と呼ぶことがふさわしいのは、「狭い道」を行く極めて少人数の間だけです。ほとんどの人類にとって、聖書の概念は、不愉快な「死刑宣告」でしかありません。

 かつて大洪水後にエホバは、「二度と再びわたしは人のゆえに地の上に災いを呼び求めることはしない。人の心の傾向はその年若い時から悪いからである」と約束してくれましたが(創世記8:21)、この約束が守られることはなく、再び「人のゆえに地の上に災い」が呼び求められようとしています。しばしば大洪水になぞらえられるハルマゲドンです。その時には再び、「地上の目に見える組織」に入っていない人類のほとんどが、地震・雷・雹・竜巻・火といったあらゆる災いによって滅ぼされるわけです。エホバが創った世界はなんて過酷なのでしょう。

 結局のところ、全事象の究極的原因は神です。エホバはこの宇宙の最高権威者であると同時に、最高責任者なのです。理由はどうあれ、結果として大多数の人格者を滅ぼすことにならせる神を、「なんて愛に富んだ神なのでしょう!」と賛美することは、容易なことではありません。

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