「創造説」VS「特殊創造説」


 今回は前の記事でも触れた「特殊創造説」と協会の創造説の違いについて考えてみましょう。「特殊創造説」とは一部の根本主義的なキリスト教徒が唱えている説で、聖書の創世記に書かれた「創造の六日間」の各一日を文字通りの24時間であるとする考え方です。ですから特殊創造説では、天地創造はわずか6000年前とされます。 

協会の反論

 この特殊創造説に対し、協会は「聖書から論じる」の中でこう反論しています。

 

「事実はそのような結論と一致していません:

(1)北半球では、明るい夜にアンドロメダ星雲からの光を見ることができます。その光が地球に到達するには約200万年かかり、宇宙が出来てから少なくとも数百万年たっていることを示しています。

(2)地球の岩石における放射性崩壊の最終同位体元素は、ある岩石が数十億年もの間かき乱されていないことを証ししています。」(P293)

 そして協会は、「創造の六日間」の各「一日」は、「長い特定の期間を表す比喩表現である」と説明しています。

特殊創造論者の反論

 しかし、「神は全能だから何事も不可能ではない」と考える特殊創造論者は、協会のような拡大解釈に異議を唱えます。では彼らは、夜空に見える200万年前のアンドロメダ星雲をどう正当化するのでしょうか?

 特殊創造論者は、「神は宇宙を、最初から年をとっている状態でお造りになられたのだ」と言います。例えばアダムやエバが、赤ちゃんではなく成人(つまり最初から20歳なり30歳なりの年をとっている状態)として創造されたように、この宇宙も最初から数百万年なりの年を取った状態で瞬時に創造されたのだ、というわけです。

 こう言われては反論する術はありません。この問題を扱った「目ざめよ!」誌は「神は私たちを欺くようなことはしない」と述べていましたが、説得力のある反論とは言えません(アダムが成人として創造されたことを誰も「欺き」とは思いませんので)。論理の上では両者は互角であり、どちらが正しいとは決められないはずです。

放射能測定法を否定したり肯定したり…

 多少理性的に聞こえる協会の主張ですが、ここでも協会のご都合主義が露呈しています。

 実は協会も、教理上の都合で「創造の六日間」の各一日を「7000年」と決めているのです。それが「六日」あるから、「創造の六日間」は合計4万2000年です。しかし先程のアンドロメダ星雲は、誕生してから少なくとも200万年は経過しています。宇宙全体の年齢は、100億歳と見積もられています!とても「創造の六日間」に収まりきらないではありませんか?

 実はこのことは協会にとって問題ではありません。なぜなら協会は、宇宙や地球は「創造の六日間」の前にあらかじめ創造されていたという解釈をしているからです(「進化か創造か」P26参照)。ですから、放射能測定法が地球の誕生を46億年前と割り出しても、それは協会にとって脅威ではなく、「論じる」の引用からも分かる通り、むしろ他説を反証する証拠にさえ使っています。

 問題は生命、つまり動植物の誕生です。動植物の誕生は「創造の六日間」の出来事ですから、わずか過去4、5万年以内に起こっている必要があるのです。しかし、動植物の化石を対象にした放射能年代測定によると、三葉虫が4億5000万年前、恐竜の絶滅が6500万年前、人類の出現でさえ200万年前です。すべての生物史は、とても過去4,5万年以内には収まりきりません。

 協会が放射能年代測定法を、その調査対象が宇宙や地球の岩石である場合は喜んで受け入れるが、動植物の化石である場合は猛攻撃するという一貫性のない態度をとる必要があるのは、こうした事情があるためです。

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