あなたたちも地を破滅させてない?


 エホバの証人はまもなく世の終わりが訪れ、その時に邪悪な者たちが滅びると考えています。その滅ぼされる者たちの中には「地を破滅させている者」、つまり地球の環境を汚染させている者が含まれると主張します。では、エホバの証人たちは全く環境破壊をしていないと言うのでしょうか。もしそうであるなら、環境汚染を促進させている人々を堂々と非難しても良いでしょう。ところが実際は違います。

 ご存知のように、エホバの証人の多くは他の普通の人々と同じように車を所有しています。礼拝(集会)に出かける際や一般家庭に布教に出かける際にも当たり前のように車を使います。では、彼らの使う車は排気ガスの出ない特殊なものでしょうか。いいえ、他の人の使う車となんら変わりのない普通の車です。当然、排気ガスが生じており、少なからず「地球の環境を破壊」しているのです。信者によってはディーゼル車を所有している者もいます。

 では、どうして彼らは自分たちが「地を破滅させている者」になっていることに気がつかないのでしょうか。これは、完全に感覚が麻痺してしまっていると判断するしかありません。もし、他の人々を「地を破滅させている」滅びる者と見なしているのであれば、自分たちはできる限り環境を守るように生活すべきではないですか。車はいざと言う時以外は使わない、寒い冬もストーブによって無駄な灯油を使わない、ものみの塔誌などの出版のために紙を無駄遣いしないなど、様々な方法によって環境や地球資源を守るための努力はできるはずです。

 しかし、彼らは反論するでしょう。「もうすぐ終わりが来るのだから過度に環境を大切にしようとする運動をしても無駄だ」と。さらに「聖書の真理を伝えるためにはある程度の資源を使い、環境を汚染する結果になってもそれは神が許されていることだ。むしろ仕方のないことだ」と。・・・なんとも、都合の良いことです。

 このように、彼らは一方で「地を破滅させている者は滅びる」と言っておきながら、一方では環境を守る努力をまったくしようとはしません。もちろん、意図的に環境を汚染させている信者は一人もいないかもしれませんが、まもなく到来する「新しい世界」があるために「今の世界」を改善しようとする意識がほとんどないのは問題です。いくら宗教的な希望があるとはいえ、今の地球を守っていこうという気構えのない人が存在する限り、環境汚染はなくならないでしょう。少なくとも、エホバの証人たちに他の人たちを「地を破滅させている者」として見下す資格はありません。

 「自分たちは正しい活動をしているから環境を汚染しても許される」と、たとえ無意識のうちにでも考える人々が果たして神に導かれているたったひとつのグループなのでしょうか。常識的に考えて、今の世の中で環境を全く汚染しない生き方をすることは不可能です。エホバの証人自身も例外ではありません。ですから、もっと世の中の事情を冷静に見てください。そして、自分たちの組織以外を一方的に悪く言うのはできる限り控えてほしいものです。

■付録 「地を破滅させている者」とは

1世紀当時のユダヤ人はローマの圧政下にありました。彼らにとっての「地」とは「地球」ではなく、自分たち国民の社会全体を指していたのではないでしょうか。その社会を揺るがす脅威となっていたのがローマでした。つまり「地を破滅させている者」とはユダヤ人のすべてを破壊しようとしていた目下の敵であるローマだと考えると納得がいきます。またその当時、「環境汚染」という概念など全然なかったはずです。「地を破滅させる」ことが「地球の環境を汚染させている」ことであるなどと啓示の書の筆者が考えていたはずはありません。やはりエホバの証人の都合の良い勝手な解釈ととらえるほうが理にかなっています。


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