人類を救うつもりなどないエホバ神


 エホバという神は世の中の「悪」を憂い、自分に忠実なエホバの証人グループに属する者たちだけを救うと約束しています。その時は間近に迫っており、エホバの証人信者たちは真剣になって布教活動を行なっているという状況です。

 ところで、現在エホバの証人は世界中で何人いるのでしょう?統計によると約1000万人強の信者がいるといわれています。しかし「救い」の資格を有するといわれる「バプテスマ」を受けた信者は、そのうちの約半数。大雑把に見積もって約500万人だとしましょう。これはつまり、今この瞬間に終末が訪れると、全人類のうちその500万人だけが生き残ることを意味します。約60億のうちのたった500万です。数字でいうと0.083%。1000人に1人に満たない確率になるわけです。

 なぜこれほど少人数しか救われないのでしょうか?それはまだまだエホバの証人という組織の歴史が浅いというところにあります。その歴史は約100年。キリスト教が誕生して約2000年という事実を考えると、かなりの差があります。エホバの証人が姿をあらわすまでの約1900年間、キリスト教は世界最大の宗教に成長し、現在では何十億という信者(どこまでを信者といえるかは微妙ですが)がいます。

 エホバの証人はそれら他のキリスト教すべてを「キリスト教世界」と呼び、「偽モノ」であると主張しています。「正しいキリスト教」は自分たちだけ、それどころか「正しい宗教」は自分たちだけなのだと真剣に考えています。エホバが導かれるのは自分たちの宗教だけなのです。

 しかし、今回取り上げたいポイントはまさにこの部分です。エホバという神はなぜ1900年という長い間、「偽のキリスト教」の発展を許してきたのか。そしてまもなく終わりが来る(約100年前)という時になって思い出したかのように「本当のキリスト教(宗教)」を誕生させたのはなぜか、ということです。

 すでにキリスト教は世界最大の宗教に発展しており、他にもイスラム教や仏教という宗教が人類の生活に強く結びついていました。そんな非常に不利な状況の中へ、エホバは自分が選んだただ一つの宗教「エホバの証人」を世の中に送り出し勝負に出たことになります。それも、彼らを通して人類のより多くの人を救うために・・・。

 エホバの証人だけが「救われる」のであれば、キリスト教が誕生した直後、つまり今から約2000年前からエホバの証人という宗教が拡大するようにすべきだったのではないでしょうか?そうすれば、もっともっと多くの人がエホバの証人信者になり、救われる可能性のある人は500万どころか何億、いえ何十億という数になっていたことでしょう。

 しかし、エホバは約2000年前から1900年間は「偽のキリスト」が発展することを許してきました。三位一体や地獄の教えを容認してきました。異端審問や戦争が正当化されることを何も裁くことをされずに、そんな問題の多いキリスト教が世界最大宗教になることを認めてきたのです。驚くべきことにエホバの証人側は、それがエホバのシナリオどおりだったという考えさえ持っています。

 つまりエホバの思惑というのはこうです。

・人類は罪と死を受け継ぎ、地球はどんどん悪に向かうようになった。

・ご自分の最愛のひとりご、イエスを十字架で犠牲にさせ、2000年先のハルマゲドンの時に人類が救われる基盤を作った。

・その後、より多くの人が救われるように、イエスの弟子たちによりキリスト教が広まるようにさせた。

・本当の教え(宗教)である「エホバの証人」はずっと隠しておき、まがいものの教えが世界中に広まることを許した。

・終わりが近づいてきた時になってやっと、ホンモノである「エホバの証人」を登場させ、それから活動を開始させた。

・まもなくハルマゲドンを起こし、「エホバの証人」になった人たちだけを救われる。

 このようなやり方では、当然エホバの証人になる人数は限られるために、救われる人はほんの一握りになるということはすぐに理解できると思います。しかし、エホバはそうすることが目的だったようです。エホバの証人たちは「救いの道は狭い」という聖書の言葉を持ち出し、それを正当化しようとします。ですから、地球総人口に対する信者数比率が低くても別に構わないのです。

 エホバはより多くの人間を救うという目的を持っているとエホバの証人は考えています。しかし、これまでのキリスト教全体の歴史を振り返ってきた時に、その考え方は大きな間違いであることは明らかです。エホバはずっとこれまで人類にニセモノを信じ込ませてきて、終わる直前にやっと登場させたホンモノを信じないと「救ってはあげない」とかなりひねくれた意地悪なことを言っているのです

 このようにエホバという意地悪な神は、人類を救うつもりなどまったくありません。救うといっても、他の人の意見に耳を傾けようとはしないほんの一握りの自己本位な集団だけにその特典を与えようとしているだけです。

 エホバの証人を一つの宗教ととらえた場合、約100年の歴史でのこの成長はすばらしいものがあるといえるかもしれません。しかし、この宗教だけが創造者なる神が選んだただひとつの正しい宗教だとすれば、この神とは気まぐれかつ不親切な神としか表現する以外ありません。

 さて、あなたがエホバという神だったらどうしますか?人類を救いたいという目的があれば、どのような方法で人類を導いてきましたか?これほどの宗教の乱立を許してきましたか?わざわざニセモノのキリスト教を成長させてきましたか?ホンモノを出し惜しみしたでしょうか?

 神だから人間の思考能力を超えた領域があるという論理はここでは取り上げません。なぜ、人間が理解しがたい論理をあえて持ち出して信じさせる必要があるのでしょうか?人間を作った神なら、もっと人間が分かりやすい方法で導くべきでしょう。当然その方法を知っているはずだからです。

 聖書で登場するエホバという神は、人間の知能をはるかに下回った魅力の乏しい存在です。一般のキリスト教が説く三位一体の神も、エホバの証人が説明するエホバという神も五十歩百歩です。自己本位、短気、意地悪・・・これが聖書全体を読み通せば浮かびあがってくる「神」のイメージです。なぜなら「神」という存在そのものが、人間が作り上げた虚像にすぎないからではないでしょうか?人間の「エゴイズム」が神の「エゴイズム」として聖書や宗教の中に形を変えてとけこんでしまっただけではないでしょうか?

 「聖書」も「神」も古い時代の人間の「ツクリモノ」。そして、他のどんな宗教もすべて「ツクリモノ」。宗教から離れた考え方で歩み寄っていかなければ、21世紀、本当の世界平和はないでしょう。「救い」は「エホバ神」によるものではなく、人類自身の努力にゆだねられているようです。


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