<<発達障害の二次障害、三次障害に対する薬物療法>>

言うまでもなく、自己認知が深まり、家族や友人が理解し、
学校や職場サポートしてくれれば、それ以上の「治療」は無い。

二次障害は、解離や強迫、幻聴や妄想、欝や対人不安など、
多彩な現われ方をする。
それにより、様々な病名が付けられ、
対症療法のように薬剤がテンコ盛りに出されてしまう。

要注意は、発達障害特性の一つ、「薬剤過敏(時に、薬剤過鈍)」であり、
処方する方も、される方も、常に、忘れてはならない。

セカンドをやって、もう7年以上。
数える事はもう出来ないが、相談数は、1万に近づいている。
寝込んでしまって、1年半。
皮肉な事に、現役でバリバリやっていた頃に比べれば、
診断も治療感覚も、随分と進歩した・・?。

見落としもトンチンカンなアドバイスもやって来たが、
徐々に皆さんに鍛えられ、学んだ事もたくさんある。
いいヒントもたくさん頂いた。

それを、ここに書き出しておこう。
繰り返しになるが、薬剤過敏が特性であるから、
なかなか、相性は読めない。
まして、mg数など手探りである。

@気分調整剤・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/5kibunnhenntyouzai.htm
A漢方薬・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/furassybaku.htm
        http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/d12kanpo-.htm
B春ウコンなどのサプリ・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/haruukon-2.htm
Cランドセン(リボトリール)・・ベンゾジアゼピン類の中で、唯一抗不安剤の適応ではなく、
                抗てんかん剤の適応があります。
                これも又、気分スタビライザーとして使い、
                抗パ剤使わずにランドセンで済ませることができれば、
                後々の治療に有利となります。特にアカシジアには有効です。

D抗不安剤・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/2kouhuannzai.htm
E抗精神病薬・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/4seisinnbyouyaku.htm
F抗うつ剤・・http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/3kouutuzai.htm

@+A+B+Cを、皆、気分スタビライザーだと考えれば、
要するに、ここの選択や組み合わせが、治療のカギになる。

今の精神医療のレベルでは、鬱気味ならF、
幻聴妄想らしきものがあれば、Eとなって、病状は医原性三次障害に至る。
EやFは、決して主剤にはなり得ない。

Fは、抗うつ剤ではなく、抗強迫剤や抗不安剤としての意味がある。
自分の外来では、ルボックスやアナフラニールで、安定している人も多い。
セカンド事例で見ていても、Fは長く飲む薬ではない。
徐々に効果は見えなくなり、不眠やイライラばかり目立つ事も多い。
つまり、特定のケースに、上手に使い、上手に減らしていく薬がFではないだろうか?
鬱に対する効果は、ほとんど期待しないこと。(副作用しか出ないだろう)

三環系で、アナフラニールに活用の余地がある(50mg〜75mgが精一杯)。
四環系には無し。
SSRIでは、ルボックスとゾロフトが活用されているケースあり。
パキシルは、極めて危険。
SNRIのトレドミンやサインバルタは、合うとは思えない。
NaSSAのりフレックス(レメロン)は、絶対にやめた方がいい。
寝たらなかなか起きにくい。
とにかく、発達障害に対しての、抗欝剤処方は、
細心の注意が必要であり、熟達した精神科医でなければ、使いこなすのは難しい。



Eが、精神医療の混乱の大元になっている。
統合失調症から、診断の見直しが出来ない・・
或いは、診断が見直されても、処方は統失処方のまま・・
これらが、薬剤性三次障害の被害者を作り出している。

何が合うかは、分からないが、おおよその感じを以下に・・。

コントミン・・12.5mg〜50mg/日くらいで、有効例あり。

レボトミン・・頓服(5〜25mg)がいいケースはあるが、定期処方の有効例を知らない。
       眠剤代わりくらいなら、OK。

オーラップ・・1mg錠の4分の1から始め、1.5mgまで。
       著効例あり。失敗例も多し。
       引きこもりタイプには、ホームランになるケース多々あり。

リスパダール・・0.125mg〜2mgが精一杯。著効例も大失敗例も少ない。
        高プロラクチン血症(若い女性に不向き)と肥満が大敵。
        強迫を惹起する。

ジプレキサ・・合わない傾向が強い。
10〜20mgで、鎮静をかけて落ち着いているケースあり(過鎮静)。
       減らすと、5mg〜7.5mgくらいで、不安定になる。
       1.25mgや2.5mgでうまく行っているケースも、たまにある。
       肥満が、どうしても付いて来る。
       強迫には、大マイナス。

セロクエル・・合わない。太る、いらつく。
       昏迷気味なら、一時的に賦活に使える。

ルーラン・・肥満や高プロラクチンの心配が無い。
      鎮静作用が無いリスパダール・・というイメージ。
      つまり、大ヒットも無く、失敗も少ない。
      12mgまでかなぁ・・2mgで十分な人も居る。
      強迫に効くケースあり。

ロナセン・・ルーランと似ているが、こっちの方が鎮静がある。
      しかし、副作用も出やすい。
      2〜4〜6mgあたりだろうが、増やすと失敗しやすい。

エビリファイ・・ホームランか三振か・・。
        著効例も多く、二度と御免というケースも多し。
        少量からじゃなく、最初から18mg〜24mgを使って、成功例多し。
        アカシジアや過覚醒が出やすく、スタビライザーの組み合わせが重要。
        もちろん、いずれ減らしたいが、12mg前後に一山待っている。
        1mgとか、3mgで安定しているケースあり。

要するに、上げる薬(ジプ、セロ)や抑える薬(リス、ロナセン)は
合わせにくく、中間のものがいい(中等量以上のエビ、少量のルーラン)ということか?
オーラップは、心閉ざした引きこもりタイプに、成功例が多い。
危なかったら、すぐやめればいい。
エビは、それが出来ない・・急いで中止しても、間に合わない事がある。
とにかく、中途半端な量で始めぬ事だろう。
1mgからやるか・・?18mgから始めるか・・?そんな感じかなぁ。

@ABCについて・・
ここが、薬物療法の分かれ目になる。
相性探しに苦労する。
@ABC・・全部使っているケースも多い。
総動員してもいいと思う。
過敏、過回転、過集中対策には、欠かせない処方。

A漢方は、専門医が出してくれれば言う事は無い。
証にもよるので、一概には言えない。
分からぬ時は、83番。
頓服に72番2包。・・これらは、あまり当たりハズレが少ない。
あとは、11、12、26、48、60、99など、多様な組み合わせがありそう。
女性の生理に絡むケースは、24、61、105なども組み合わせる。

@は、リーマス以外は、抗てんかん剤でもある。
Cランドセンも、この範疇なのだが、治療的には、スタビライザーというより、
イライラやフラッシュバック、アカシジアに対する頓服で使う。
@では、使用例が少ないが、ラミクタールの著効例が目立っている。
トピナと共に、今後の期待大。
基本は、あくまでもデパケンR。
これでも、使っていくうちに合わなくなったり、
肥満につながって、減薬を余儀なくされる。

B春ウコンは、使ってみて損が無い。
あんなに苦いのに、気に入った人は、進んで飲んでいる。
EPA、DHA、アラビタ、コエンザイムなどの有効例は、今のところ聞かない。

不安定時の頓服は、72番2包が定番。
他は、ランドセン、ワイパックスで凌いでいる。
リス液0.5mgも頻用されているが、効いたり効かなかったり。
ジプ頓服も処方されるが、これはやめた方がいい。
レボトミン5〜10mgの方が無難だろう。

発達専門医だからと言って、丸投げには出来ない。
まともな処方は、まず出て来ない。
統失処方のままが多く、スタビライザーや漢方など視野にも無い医者がほとんどである。
微量処方も、まずやってくれない。

例えば、リスパダール1mg以下は、考えてくれない。
まして、ピルカッターで4分の1ずつ・・とか、
こっち側でやるしかない。
オーラップ1mgを処方されても、そのまま飲んだら危険すぎる。
4分の1から始め、2分の1へゆっくり進んで、適量を探す・・。
これも、医者がやっては呉れない。

既に、誤った処方を長年受け続けて来たケースでは、
減薬こそが治療となり、大仕事になる。
ほぼ全員が、過剰投薬、誤処方で、薬剤性症状を作られている。
うまく減らせば、それだけでどんどん軽快に向かう。

急ぐとブレるし、ゆっくりのペースが誰にも分からず、手探りとなる。
セカンド医の悩みは、いつもここらあたり・・。
次は、何を何mgへらせばいいか・・?という質問が、繰り返される。
もちろん、僕には分からない。
皆さん、切羽詰っているから、「分かりません」とも言えず、
なかなか悩ましいところです・・。

(2011.5.1)