<ライバル対決@>   ≪ルボックス対パキシル≫

 発売されてから、ルボックス(=デプロメール)が6年、パキシルが5年を経過した。SSRIとして、このライバルをどう考えるか、人によって好みが異なるだろう。当院での使用量は、全国有数といわれるくらいだから、一度自分なりの結論を書いておかねばならない。結論はルボックス(以下L)の圧勝である。その根拠を述べる。

@[効能] Lはうつ病と強迫神経症、P(パキシル)はうつ病とパニック障害..........という風に、適応病名は異なっているが、実際は、抗うつ、抗パニック、抗強迫作用が、3つとも揃っている。自分の印象では、抗うつも抗パニック作用も大差ないが、抗強迫作用において、明らかにLが勝っている。

A[社会不安障害] いわゆる、ひきこもりタイプの人に使ってみるが、これも明らかにL>Pである。近々Lには、「社会不安障害」の適応が通ることにもなっている。

B[薬価](2008.4改訂) 1日服用量を、L150mg=P40mgと考えると、L¥237.00、P¥433.80となる。
一番良く使われるL75mgで¥135.30、P20mgで¥216.90であり、MAX療法ならL250mgで¥395.00、P50mgで¥557.20となり、明らかにLの方が安くて使いやすい。

 
C[効果の発現] Lは50mg/日→100mg/日→150mg/日と使い、Pは10mg→20mgと使う。しかし効果発現は明らかにL.>Pである。もちろん併用薬にもよる。併用薬はソラナックスがよいと思われる。(理由は省略、いずれまた)

D[離脱症状] 服用を忘れたり、わざと中断した時、めまい、嘔気と、頭痛、イライラがかなりの率で出現する。これも圧倒的にLが軽く、Pは重い。Pを20mg→10mgと減らしても、次にこれをやめる時に苦労する。一日毎に服用してもらったり、半分に割ってもらったり..........。その点Lはスムースに減薬、中止が可能である。

E[服用回数] Lは1日2〜3回(大体2回)、Pは夜1回で、これは明らかにP有利である。ところが、Lも安定、減薬すると、50mg〜100mg/1×(夜)のみで、コントロール可能となる。ここでもP>Lとは決して言えない。
     

F[体重への影響] 1〜2年経過すると、Lは横這い又は体重減、Pは体重増だということが、ハッキリしてきた。過食症の人には、もちろんPは向かない。若い女性の多くは、言うまでもなくL>Pである。Pの体重増加には、アシノンを試みているところだ。

G[副作用] いろいろ言われているが、初期の嘔気以外に、双方とも明確な副作用は無い。眠気やだるさに関しては、ややPの方が分が悪い。

H[高齢者]これは、食欲不振において、Pの方がより少なく、この点に関してのみ、Pが有利である。
I[併用注意] 
 Pは、リーマス、リスパダール、アルコール、テグレトール、三環系抗うつ剤などの血中濃度を上げやすいので、主にリスとアルコールに要注意である。
 一方Lは、アルコール、三環系抗うつ剤、テグレトールは同じだが、他にジプレキサとベンゾジアゼピン系薬(ほとんどの抗不安剤、睡眠剤)の血中濃度を上げ、ときに過眠をおこすことが知られている。この部分ではP優位となる。
 
 以上が現状での僕の結論になっている。付け加えるならば、うつ又は強迫+妄想(非定型精神病や境界型精神病)の場合、リスパダールやジプレキサを併用することになる。ただでさえ非定型抗精神病薬は太りやすいのに、パキシルの併用はかなりつらいことになる。

 (追記)ところで、県下でも知らない者はいない大先生が、パキシルを×2や×3で使っている。堂々と公言している。バカ医者共が真似をするので、どうぞやめて頂きたい。老大家が老醜を晒すのは、見るに忍びないものである。


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